先日の町田戦で、サウダーニャがスタメン出場を果たしました。
サウダーニャのスタメンは、8月9日(月)に行われた山形戦以来ということで約2ヶ月ぶり。
途中出場から右シャドーでプレーしたことはあったもののスタメンでは初ということで、改めて見えてきた部分もあった気がしますね。
チーム全体の視点で見ると、町田戦含めてここ4試合で無失点と守備では成果を残していますが、攻撃面では4試合で3ゴール止まり。
そのため、9月25日(土)の群馬戦では、右シャドーのスタメンを矢田から船山に変更。
そして、今回は船山ではなく、サウダーニャを起用してみたということではないでしょうか。
右シャドーでのサウダーニャですが、守備に関してはやはり課題があって、前半からサウダーニャのサイドを攻め込まれるシーンが目立ちました。
守備時のサウダーニャは中央寄りに位置して、ソロモンの位置に近いポジション取りをしていました。
中央のコースだけは消してほしいというオーダーだったのかもしれませんが、その分サイドのスペースは空きがちだったように思います。
いつも以上に福満がアップダウンしていた印象ですが、それでもスペースを埋めきるには至らず。
サウダーニャも後方へ戻る意識はありましたが、前や外を取られてしまい、そこでパスを繋がれてリズムを作られてしまうといった状況でしたね。
ただ、CFはファーストディフェンスになることが多く、そこが機能しなければ全体の守備も後手に回ってしまうので、CFで起用するよりはシャドーの方がリスクが少ないようにも見えました。
攻撃面では10分。
田口からの大きな展開を受けて福満が右サイドを抜け出し、マイナスでグラウンダーのクロス。
これをサウダーニャがダイレクトで合わせて、左足でシュートを放つ展開がありました。
惜しい形ではありましたが、ゴールまでは少し距離があったし、目の前にCBも2人いてシュートコースも限られていた。
さらに右から来たボールを左足で蹴っているため、力を載せきれなかったようにも思います。
理想でいえばもう一歩ゴール前に侵入して、シュートを放ちたいところだったのではないでしょうか。
その後のサウダーニャは大きく目立つことなく、68分に船山と交代しています。
何度かボールを持ってキープして展開する形はありましたが、縦に鋭く抜けるような展開は作れず。
ヘディングで競り合うシーンもありましたが、やはり空中戦はあまり強くない印象です。
何よりも繫ぎの部分でのボールロストが多く、前半だけでも3回程ボールを失い、そこから相手にカウンターを作られた場面もありました。
シャドーとなれば前線以上に中盤での仕事も増えていきますが、繫ぎの面に大きな課題が残る。
連係不足というよりも単純に判断能力や意識の問題だと思いますし、ウイング専門で外に張らせればパスワークに絡むことも少ないでしょうが、そういったタイプでもないのでしょう。
また、チームとしての課題ではありますが、現状でサウダーニャを右シャドーのスタメンで起用すると、CFのサブがいなくなってしまう。
ブワニカ、川又などを置いておけばいい気もしますが、2人の状態がわかりませんし、ソロモンは90分持たないスタミナ面の課題がある。
町田戦では先に先制できたから良かったですが、もしもう1点欲しいとなった時にどうする計画だったのか。
かといって、サウダーニャをCFでスタメン起用すると、先ほども話したようにファーストディフェンダーにもなり切れないし、空中戦の課題も目立ってしまう。
もう少しチームとしてサウダーニャを前に向かせられる形を作れれば、持ち味も出しやすいかもしれません。
ただ、周りが犠牲になってでもサウダーニャを優先する形作りにチームとして集中すべきなのか、そこまでの選手なのか。
守備も、繫ぎの部分も、ポストプレーにも課題があり、それらに目を瞑ってでも使いたいと思える選手になれるかどうか。
現状だとそこまでのスペシャリティは見せられていないと思うし、あまりにも選手として幅が狭くピーキーすぎる。
そこに対して周囲を納得させるには現状だとゴールに直結するプレーが少なすぎるし、10分のシュートシーンも惜しいように見えて、ちょっと淡白のようにも思えてしまいます。
ドリブルという武器はあるものの、課題もはっきりしている選手なだけに、使いにくい部分はどうしてもあると思います。
若い選手と言っても外国人枠ですし、育てた頃には他のチームにという可能性も高いでしょうから、ますます悩ましいところがありますね。
契約内容次第ではありますが、来年のジェフ残留のためには、もっとゴールに直結するプレーを残り試合で見せるしかないのではないでしょうか。