ジェフは前節町田に勝ってここ4戦無敗。
その間、3勝1分と好成績を収めています。
しかし、明後日対戦する大宮も、ここ3戦無敗で2勝1分の成績を残しています。
大宮は、昨年高木監督2年目にして15位と大きく低迷。
今年は大宮OBでもある元柏の岩瀬監督体制でスタートしましたが、成績を上げられずに5月末に監督交代。
佐々木則夫監督が代行すると、その初戦がジェフ戦でしたが、後に霜田監督が就任しています。
霜田監督はジェフでコーチ経験もあり、その後日本サッカー協会の技術委員長に就任して一躍有名になりました。
2018年には山口の監督に就任してスタートダッシュに成功しましたが、その後は大きく低迷し2019年には15位、2020年には最下位に終わっています。
コロナ禍の特別ルールでJ3降格は免れましたが、今年初めにはベトナムのサイゴンFCで指揮を執り、ここでも3戦3敗で解任となっていました。
霜田監督としても背水の陣となる大宮での挑戦ですが、就任当初は勝ちきれない試合が続き、降格圏にとどまっていました。
それでも8月下旬あたりから徐々に成績を上げ、残留争いのライバルチームを中心に勝利。
現在は15位まで順位を上げています。
霜田監督らしく、大宮でも縦に速く攻守にアグレッシブなサッカーを展開している印象です。
ボールをキープしたところからサイド攻撃を狙うことが多く、縦へのパスはアバウトなボールも多い。
山口に続いて、ガテン系のサッカーを展開している印象があります。
ただ、それが現在の大宮にとっては、良かったのかもしれません。
昨年から大宮は、どこか問題があるのではないかと思うほど選手が動けていないことが多かった。
怪我人もやたらと多く、コンディショニングに課題が感じられました。
一方、霜田監督は山口での2018年序盤もコンディションのピークをチームスタート当初に持っていって成績を上げていたイメージがあり、短期的にチームを走れる状況にするのが得意なのかもしれません。
大宮ではちょうどそこに怪我人も戻ってきた上、もともと選手のレベルは高いチーム。
追い風もあって、徐々に成績が回復してきているということでしょうか。
ただ、前節金沢戦も簡単にサイドの裏を取られて、試合開始直後に失点。
守備のバランス管理もボールの失い方にも課題があり、2‐2の引き分けに終わっています。
勢いは感じるものの、どこか攻守に雑なところがあるところも、山口時代から感じる課題ではないでしょうか。
それでも、前節は2ゴール、前々節栃木戦も3ゴールを上げ3‐1で勝利と得点力は脅威。
主にサイドで鋭くスプリントしていく動きをうまく使って、ゴールに迫っていくイメージです。
8月末に4‐0で勝利した松本戦から7試合で15ゴール上げており、1試合平均で2ゴール以上の成績を収めていることになります。
対照的にジェフは、ここ4試合無失点と守備で安定感が出てきました。
前からのプレスでボールを奪うことは少ないものの、コースを限定してボランチ付近でボールを奪取。
あるいは、セカンドボールの攻防で優位に立っていく形で、特にボランチの活躍が目立っている印象です。
山口戦でも、その守備が通用するか。
ここ最近対戦したチームは、単純なクロスでは勝てないと見たのか、サイド攻撃にこだわらない印象もありましたが、山口はサイドを中心に仕掛けてくる可能性もあるのではないかと思います。
そのため、サイドの攻防がカギを握るのかもしれませんね。
一方で、ジェフはここ4試合で3ゴールしか上げられていません。
大宮は積極的に前に出ていくイメージなので、その裏を取ってゴールに迫りたいところではないでしょうか。
相手は乱戦を狙ってくるかもしれませんが、それに乗らないことも重要なのかなと思います。
大宮は15位まで上げてきたとはいえ、降格圏の19位松本からは勝点3差しかない状況。
残り試合数を考えても、決して安泰ではありません。
それだけに気持ちをこめて挑んでくるかもしれませんし、ジェフも負けずに戦う姿勢を見せてほしいところですね。
ジェフも降格はない位置と言えるでしょうが、それでもまだ順位は10位。
お互いに予算も歴史もあるクラブであることを考えれば、悔しい位置にいるはずです。
ここからどう立ち直っていくのか、残り試合でプライドを見せてほしいですね。