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スペシャルなボレーシュートを1試合で2つ見せた田口

 ジェフが5ゴールを決めた東京V戦。
 福満、船山、末吉、見木など、さまざまな選手が活躍した試合でしたが、その中でも田口のプレーは際立っていましたね。
 先制ゴールではファーの福満に展開し、2点目は自身がゴールを決め、3点目はCKからのボールをボレーで合わせてアシストしと、3ゴールに絡んだことになります。

 特に2ゴール目となる田口のゴールは、見事しか言いようがないプレーでした。
 カウンターからの展開で、左サイドの末吉が上げたクロスを、後方から走り込んできた田口がダイレクトボレー。
 なかなかJ1でも見られないような、スペシャルなシュートだと思います。


 その場で待ち構えてボレーを合わせるのも簡単ではないはずですが、この場面では走り込んできた状態からダイレクトで合わせています。
 また、左サイドから来たクロスボールを右足で合わせているということで、非常に難易度の高いシュートだったと思います。
 これをふかさずしっかりとゴールネットに決めているのですから、すごいプレーが見れましたね。

 さらに巻き戻すと、この一連の攻撃は一度右サイド後方をジェフが攻め込まれ、相手のクロスミスを拾ったところからスタート。
 それを繋いで後方で福満が逆サイドに展開してから攻め込んでいるわけですが、その福満にパスを繋いだのが田口でした。
 要するに、田口はピッチの後方から相手ゴール前まで長い距離を縦断して、あのボレーを決めていることにもなります。


 そのゴールが決まったのが33分でしたが、続く3点目のゴールが決まったのは44分。
 今度は左サイドからのCKを、田口が再びダイレクトボレー。
 このボールを、福満が触って決まっています。

 船山もセットプレーも素晴らしくマイナスの難しいボールでしたが、これをピンポイントで合わせている田口もさすがでした。
 田口としては自身が決めた2ゴール目と、同じような位置で合わせています。
 しかも、今度は左足でしっかりとミートしているのが、凄いところですね。

 田口は1試合のうちに、左右の足で素晴らしいボレーシュートを放って、ゴールに絡んだことになります。
 もともとシュートセンスというか、キックセンスの高い選手といった印象はありますが、この日のプレーを見ると別格といった印象を受けますね。
 シュートだけでなく、セットプレーでのロングキックもあるし、先制ゴールに繋がった優しいクロスも出せるし、キックの質だけなく種類も豊富なのが田口の凄いところでしょう。


 ここ最近は攻撃時も熊谷との関係が良く、二人で攻撃参加することによって、攻撃に厚みが生まれているように思います。
 38分にも船山と熊谷が絡んで、最後は田口がシュートを放つなど、良い攻撃が作れていました。
 もともと熊谷も金沢に移籍して2列目でブレイクした経緯があるように、本来は攻撃が持ち味の選手であるはず。

 それが一時は消極的なパスも目立ちコンディションも落ちていた印象でしたが、ようやく体調も戻ってきたのか好プレーが発揮できていますね。
 それも田口のようにパス出す軒天にも慣れて、アタッキングサードでの決定的なプレーもできるパートナーがいるからこそなのかもしれません。
 福満も以下のような橋をしていますし、チーム内での田口の存在は大きいのでしょうね。

www.jleague.jp

福満隆貴「(2点目は)最初、右にパスを出そうかなと思ったんですが、後半の立ち上がりだったので、後ろの泰士くんから「打て打て」という声がありました。思い切ってシュートを打ったら良いコースに飛んでくれたので良かったです。」

 田口にあれだけのプレーを見せられると、田口がいるうちにJ1に昇格できるレベルのチームを作らなければいけないのではないかすら思ってしまいます。
 ボランチというのは、チームの心臓であり、好守の軸となる極めて重要なポジションですから、ここに優秀な選手がいるといないでは大違いだと思います。
 ジェフはJ2に降格してからなかなかボランチを固定化できていなかったし、攻守に活躍出来るボランチが少なかった。

 攻守に貢献できるボランチがいるだけで、チームの安定感も違ってくると思います。
 さらに、チームとしてやれることの幅も、大きく異なるのではないでしょうか。
 ボランチの相方も組み合わせが作りやすいし、熊谷も田口から吸収している部分が大きいのかもしれません。


 ただ、欲を言えばこのレベルの選手であれば、もっとチームを引っ張っていってほしいように思わなくもありません。
 ジェフに対してもどこかまだ遠慮がちというか、自分でチームを昇格に導くという強い姿勢までは出ていないのかなと。
 また、時折みられるイージーなミスも課題なのかなとは思いますし、プレーに波がある部分もあるのかもしれません。
 
 この辺りがこれほどの選手ながら、二度もJ2でプレーしている要因なのでしょうか。
 もともとクールなタイプではあるのでしょうが、あれだけのプレーを見せられると、もっとチームをリードするような姿勢も見たくなるところがありますね。