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10月は17年、18年終盤以来の月間無敗となったジェフが連戦で栃木戦

 J2は明日も試合が行われ、久々の連戦となります。
 ジェフは土曜日に山口にも引き分けて、7試合負けなしとなりました。
 ただし、J1昇格の可能性もなくなったとのことです。

 近年の千葉日報は、ジェフに数少ない厳しいコメントも出してくれるメディアといった印象です。
 それだけジェフを本気で気にかけてくれるのではないかと思いますし、ジェフを見捨ててもいないということでありがたいですね。

 
 改めて、ジェフは山口戦での引き分けで、10月は負けなしで終わっています。
 ジェフの月間無敗を振り返ると、1試合だけ行われる2月を除けば2018年11月以来ですが、この時はシーズン終盤だったため3試合のみ。
 さらに振り返ると、10月から11月の最終戦まで7連勝を遂げ、プレーオフ進出まで行った2017年以来となります。

 特徴的なのが、今回も含めて過去2回もシーズン終盤だったことでしょう。
 ジェフは2014年や2012年にもシーズン終盤に成績を上げており、これがお得意となっています。
 東京V戦で実況・解説が東京Vは目標もなくなったので厳しいのだろうというような話をしていたので、つい以下のようなつぶやきをしてしまいましたが。

 厳密にはシーズン終盤に追い上げてプレーオフに行ったこともあるわけで、「目標がなくなった」というよりは「失うものが何もない」状態になると強いということかもしれません。
 オシム監督も好んで使っていたコメントですが、F1などでも聞くことがあるので、欧州では一般的な言い回しなのでしょう。
 相手よりもプレッシャーが少なく、気軽に戦える状況などを指すのだと思います。

 例えば東京V戦の福満のゴール直後も、田口が満面の笑みで福満を見ていたのが意外でしたが、それだけリラックスした状況で戦えているのでしょう。
 福満はロッカールームでゴールパフォーマンスがダサいと言われたそうですので、それであの表情だったのでしょうが、それにしてもまだ前半でしたから正直違和感も覚えました。
 いずれにせよ、強化費はJ2上位で選手も揃ってはいるだけに、プレッシャーのない状況なら良いサッカーが出来るのかもしれません。

 しかし、上位に行くためにはプレッシャーがかかった厳しい状態でも、良いサッカーを展開することが問われるのではないかと思います。
 あるいは、一時期の勢いだけで結果を残すのではなく、実力を身に着けて安定して好成績を残すことが求められるのではないでしょうか。
 今年も今の勢いだけではなく、内容も改善してシーズン終盤に臨んでほしいですね。


 さて、明日のジェフはアウェイで栃木と対戦します。
 栃木はシーズン中に、ジェフの溝渕をはじめ、京都から谷内田、大分から黒崎、横浜FMからオビ、福岡から三國ケネディエブスなど、若く勢いのある選手たちを補強。
 また、鳥栖からは経験豊富な豊田も加入していますが、これは山口慶強化部長とのコネもあったのでしょうか。

 今季の栃木は開幕から3連敗だったものの、その後は3連勝。
 ここから勢いに乗ってくるかと思いきや、4月中旬から8月下旬にかけて長らく低迷。
 苦しいシーズンとなってしまいました。


 しかし、夏場以降は徐々に成績を上げていき、現在は14位にまで順位を上げています。
 やはりシーズン途中に加入した選手たちの活躍が、大きいのではないでしょうか。
 夏に加入した選手たちは昨年も栃木でプレーした選手が多いこともあって、即戦力になっていることも特徴的です。

 サッカーのスタイルは昨年と大きく変わらず、フィジカル重視のコンセプトとなっています。
 高さ・強さのあるFWとCBを集め、中盤やサイドには運動量豊富な選手たちを補強。
 非常にわかりやすいチーム作りをしています。


 プレスからのハーフカウンターが武器で、ボールを奪った直後の人数のかけ方も積極的。
 フィジカルの強い選手が多いため、セットプレーやクロスからの攻撃も強みですね。
 また、体を張った守備も特徴で、反応が遅れても諦めず足を延ばして止めようという強い意識を感じます。

 ただ、そのスタイルも、今年は若干相手に読まれているのかなと思います。
 ハーフカウンターも警戒されている印象ですし、プレス時にSHやSBが前に出ていくことが多いので、その裏を狙われることも多いのではないでしょうか。
 ジェフもプレスを掻い潜ってその裏を突けるかが、ポイントの1つとなるでしょうか。


 しかし、今夏まで苦しんだこともあって、その後は若干修正してきたのかなと思います。
 以前よりも無理に前に出ていくことが少なくなり、簡単にはスペースを空けずバランスの良い守備も出来つつあるように思います。
 相手チームによってプレスに行くか、後方を固めるのか、使い分け出来ているのかなといった印象もあります。

 また、豊田が前線に加わったこともあり、ベテランの矢野貴章を右SHとして起用。
 矢野と言えば若い頃はFW専門でプレーしてきたはずですが、ジェフでも指揮を執った鈴木淳監督が新潟で右ウイングにコンバートしてブレイクした経緯があります。
 米倉のケースも思い出されますが、栃木でも右SHに回ったことで、チームにパワーと守備力が増した印象です。


 ただし、一方で得点力においては課題もあって、特に遅攻時の質が悩みの種となっている印象です。
 やはりパワー系のサッカーをしているだけに、緻密な攻撃が作れていない状況にあるのではないでしょうか。
 9月5日の山口戦以来、複数得点を上げられておらず、前節山形戦も1‐2で敗れています。

 現在は14位とはいえ、降格圏の19位相模原とは勝点5差。
 まだ、安泰とは言えない位置にいますし、シーズン終盤まで残留争いにはかかわりたくないはず。
 今のうちに勝点3を稼いで、抜け出したいという意思があるのではないでしょうか。


 ジェフも前々節東京V戦は5‐1で勝利しましたが、前節大宮戦は0‐0で引き分けと、得点面では対照的な試合となってしまいました。
 基本的にスペースが相手にあれば良いのですが、相手にスペースを消されると、そこを崩せないという課題があるのかもしれません。
 組織的な動きで自らスペースを作ったり、相手のマークを外したりといった緻密な部分が、ジェフも足りていないということではないでしょうか。

 細部は異なりますが、守備的なサッカーで体を張った守備を仕掛けるという面では、近いところもあるのかもしれません。
 球際で簡単に負けないことベースにしつつ、どちらが攻撃面でプラスアルファを作り出せるのかが、勝負所となるのではないでしょうか。