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田口の鋭いサイドチェンジが見木のゴールを演出

 水戸戦では39分に、福満のクロスに飛び込んだ見木がゴールを決めています。
 ファーサイドにいた見木はソロモンの背後からうまく飛び込み、左WB村田の前を取って決めています。
 これで見木は今季11ゴール目ということで、個人昇格が本格的に見えてきたでしょうか。

 ここ数戦、ジェフは負けてはいないとはいえ、攻撃面ではパッとしない展開が続きました。
 こういった状況だと、やはり見木は目立たず消えてしまうところがある印象で、そこが課題の1つかなと思います。
 ただ、今回のように普段は消えていても大事なところで決められる選手になるのであれば、それでも十分に価値のある選手と言うことになるのでしょうね。

 一方で、71分にはバックパスを受けたタビナスが少しもたついたところを、うまく見木が奪ってGKと1対1になりました。
 ここまでは見事でしたが、その後のシュートをGK牲川に止められてしまっています。
 GKの正面で角度がなかったため、見た目よりは難しいシチュエーションだったと思いますが、ここでとどめを刺せなかったジェフはその直後に失点し、後半ATには同点に追いつかれて勝点2を失っており、見木の甘さが出てしまった試合とも言えるのかもしれません。


 ゴールシーンでインパクトのあったのは、福満に渡った田口の鋭いサイドチェンジでしょう。
 左サイドのハーフウェイライン後方から右サイド前方という非常に長い距離のロングパスを通しており、これによって水戸の守備陣が出遅れた部分もあったと思います。
 水戸はCBを含む左サイドの選手たちが積極的に前に出てきましたが、そこを見逃さなかった視野の広さも含めて、絶品のプレーだったと思います。

 16分にもジェフのCKで船山が蹴ったマイナスのボールを、田口がダイレクトボレーで合わせて枠に飛ばしており、東京Vを思い出すような鋭いシュートを見せています。
 水戸戦でも苦しい展開に陥りながらも、田口を中心としたセットプレーで何度も流れを引き戻していますし、ゴールが遠かった山口戦、栃木戦でも主な攻撃はセットプレーによるものでした。
 ハーフウェイライン付近からでもゴールが狙えてしまう田口のFKは相手にとって非常に厄介だと思いますし、そのキックによってターゲットになるソロモンなどの存在価値も高まっていると思います。


 ただし、75分の水戸戦での1失点目は、田口がボールを失ったところからやられています。
 後方からのクリアボールを田口がキープして繋ごうとしたところで、相手に囲まれて奪われそこからクロスを上げられて中山に合わせられてしまいました。
 その後の守備はともかく、キッカケとなったのは田口のミスということになるでしょう。

 さらに、田口はその直後の79分にも、横パスを完全にミスキック。
 その後も相手と揉め事が起こってしまいましたし、やはり90分間を通しての集中力に課題があるのかなと思わなくもありません。
 非常にもったいない印象ですし、だからこそJ2にいるという部分があるのでしょうか。


 田口に限らずですが、怒りの感情がすべて悪い物とは思いません。
 ただ、周囲に当たり散らすのではなくて、自分たちが反省すべきところは反省することで、自身や味方を鼓舞できる状況を作らなければいけないのではないでしょうか。
 ここ数戦はチームの調子も良いとはいえ、逆に言えばそこまでは結果が出ておらず、現在の順位も9位なのですから、自分たちに甘く周囲に厳しくではなく、逆の状況になってほしいところだと思います。

 田口に関しては失点前後のミス以外は見事でしたし、やはりこのチームの軸となるべき選手だと思います。
 ただ、レベルの高い選手こそ試合中に簡単なミスをしては目立ってしまうし、抗議なども含めて言動が周囲に与える影響も大きくなる。
 そこを自覚してプレーすることが、必要なのではないでしょうか。

 例えばオシム監督も練習中とは違って、試合中には中心選手をあえて怒っていたと言います。
 それによってチームを引き締めていたそうですし、逆に言えば中心選手の安易なミスなどが目立ってしまうと、チームの士気にかかわりかねない。
 来年の田口にはチームの中心選手として強い覚悟を持って臨めるかが、問われるところなのかもしれませんね。