当ブログはプロモーションを含みます

相手の間を取って末吉が琉球戦で2アシスト

 琉球戦では末吉が、2アシストの活躍を見せました。
 末吉はシーズン途中から左WBのポジションをしっかり勝ち取り、見事に戦力として貢献していますね。

 1アシスト目は、パスワークに絡んだところから、クロスを上げて福満のゴールをアシスト。
 2アシスト目は、ソロモンのクロスが流れたところを拾って、金井を振り払ってマイナスのクロス。
 これを受けた高橋がミドルシュートを放ち、ゴールを決めています。


 特に印象的だったのは1アシスト目で、クロス以上にそこまでのプレーが効いていたのではないかと思います。

f:id:aratasuzuki:20211115195348p:plain

 図のように、鈴木大輔の縦パスを末吉が、相手の守備ボックスの間で受けました。
 そこからワンタッチでソロモンにつなぐと、ソロモンも体を張って岡崎を抑え込みながら、ワンタッチで外に流します。
 これに見木が追いついて戻すと、末吉がフリーになってクロスを上げ、ファーの福満がゴールを決めています。

 この末吉の間で受けて素早く繋いだプレーが素晴らしく、これによって金井が前方に食い付きます。
 そこにソロモンもワンタッチで裏へ繋いだことで、走り込んでいった見木と末吉が、金井を置き去りに。
 風間宏矢は何とか戻って見木の前を止めますが、末吉は完全にフリーになってクロスを上げられたことになります。


 このあたり、琉球の守備も中途半端だった印象です。
 大外に開いた見木とハーフスペースで位置取りした末吉に対して、金井が二人を見なければいけなかった。
 結果的に金井はボールが入った末吉に行かなければいけなくなるわけですが、その時点で見木はフリーになってしまいます。

 さらにジェフが左サイドからワイドに仕掛けていくのに対し、逆サイドの福満がぽっかりと空くことが多かったですね。
 試合後に話した通り琉球は5レーンで攻めてくる相手に対しての対応が、明確に作れていないのではないかという印象を受けてしまいました。
 5レーンに対抗するため5バックで横に広く守ったり、4-5-1で中盤がサイドを守ったりというチームが増えたのではないかと思うのですが、琉球はちょっと無策な印象を受けました。


 逆に言えば、ジェフはうまく大外とハーフスペースを使ってパスワークを展開。
 以前にも話したように、左WB、左CB、左シャドー、ボランチがサイドで四角い関係を作って、そこを少ないタッチで繋いでいき、前へと選手が飛び出していく。
 そこからの攻撃が出来つつあるようにも思います。

yukkuriikou.hatenablog.com

 ただ、そこからさらにゴール前に侵入していくという点においては、相手の守備が硬いと苦労をしてしまう。
 その結果、セットプレーや大外からのクロスに偏ってしまう印象もあるわけで、そこが越えなければいけない壁ではないかとも思います。


 末吉に関してはWBでのプレーが続ていますが、個人的には今回のように間で受けるプレーを、もっと見てみたい選手といった印象があります。
 昨年の山形でもシーズン序盤は右WBでプレーしていましたが、途中から4バックになったこともあって左SHでのプレーが増えていった。
 そこからハーフスペースに入って仕掛ける攻撃に、可能性を感じる選手だったと思います。

 アジリティがあって、細かいテクニックもあるため、狭いエリアでのプレーが出来るタイプではないでしょうか。
 上記シーンでも間を取るポジショニングがうまかった上、ワンタッチでソロモンに繋いだプレーも見事で、さらにそこから前に走り込んでいる動きも出来ていることになります。
 一連のプレーがスムーズで、攻撃のセンスを感じますね。


 そのアジリティの部分を今はWBで活用して縦に突破するプレーが増えているのだと思いますし、そういったプレーもこなせる選手だとは思うのですが、今回のようなプレーを見るとサイドに張らせているだけではもったいない気もしないでもありません。
 また、ここまでクロスの精度に関しては課題が残り、1アシスト目もニアで相手CBに触られてファーに流れています。
 ラッキーな部分もあったと言えるでしょうし、サイドに置いてクロスを上げる役割にしては、クロスがあまり得意ではないのかなとも感じてしまいます。

 また、守備に関しても課題があり、琉球の1ゴール目をアシストした風間宏矢へも寄せが甘く、前を取られてしまった。
 166cmと小柄な選手なので、どうしてもパワーが要求される守備やクロスの部分において、物足りなさがあるのかなと思います。
 ただ、そこはSHだとしても克服していきたいところだと思いますし、守備やクロスの質をどこまで上げられるかが、今後の選手人生に関わっていくのかもしれません。