当ブログはプロモーションを含みます

キジェ監督「グーでパーをのみ込む強さを身につけたい」

 悔しいですが、今後の勉強のためにも、J1昇格という成功を遂げた京都の話から取り上げていきたいと思います。
www.nikkansports.com

「じゃんけんで相手はパー、うちがグーを出すことが分かっていても、グーでパーをのみ込む強さを身につけたい。選手の隠れた闘争心に火を付けたかった」

 相手がわかっていても、止められないサッカーを作り出すと。
 当たり前ですが、それが一番強いですからね。

 その内容が以下のように、走り、戦い、人数をかけるスタイルということなのでしょう。
hochi.news

「京都を変えたい。恩返しをしたい」とJの舞台に戻ってきたチョ監督は「HUNT3」というスローガンを掲げ、走り、戦い、攻撃に人数をかける勇敢なスタイルを目指した。

 どうしてもJ2は上位にいると研究されて対策を受けることが多いですから、ジェフも京都のように相手を圧倒するような強みを持つことが理想ではあるのでしょう。


 ただ、これが試合後に話した悩みにも繋がりますが、果たしてうまく今のサッカーから"積み上げ"を作れるかどうか。

yukkuriikou.hatenablog.com

 京都のスタイルは、キジェ監督が湘南時代に展開していたサッカーと同じスタイルと言えるでしょう。
 運動量豊富に走り回って、アグレッシブにプレスをかけ、後方の選手が前方の選手を追い越して、相手を混乱させていくサッカー。
 オシム監督にも近い印象ですが、これがキジェ監督の明確なスタイルだからこそ、自信を持って積み上げられたし、ぶれずに1シーズンを通して戦えたのだと思います。


 最終的なビジョンが確立されているからこそ、どうやって強化していくべきなのか、どんな選手が必要なのか、どういった道筋を歩んでいくべきなのか、迷わずにチーム作りが出来ていたのではないでしょうか。
 ジェフはまだそこにおいて、曖昧なところがあると思います。
 また、自分たちからアクションを起こせているということも大きく、それによって自分たちのペースで戦いやすいというところもあるのではないでしょうか。

 ジェフの場合は、ここ数戦負けてはいないとはいえ、まだまだ相手のペースになることも多い。
 京都のように強いチームやボールをうまく散らせるチームに対しては5‐4‐1で守る時間が多くなってしまいますが、あの状況だと押し込まれ続けて後方で耐えているだけで、自分たちのペースで守れているようには見えません。
 相手が弱く守備的なチームであれば、相手を押し込み、ボールを持って、セカンドボールを拾い、さらに持ち込むという流れにできますが、そうではない時には相手に主導権を握られがちとなってしまう。


 例え守備的なサッカーであっても、プレスをかけ続けてボールを持たせたり、ボックスの間には簡単に入れさせなかったり、サイドにボールを追いこんで奪ったりといった形で、相手に自由に攻撃させない状況を作れれば、主導権を握れていると言えると思います。
 しかし、京都戦でも中盤の間で簡単に繋がれる場面が目立っていたし、現状だとDFラインで跳ね返すことが多く、組織ではなく個人に頼った守備になりがちだと思います。
 5-4-1だと主導権を握れていないため、カウンターも狙えず、防戦一方の時間帯が長くなってしまう印象です。

 チーム運営という意味でも、尹監督は"積み上げ"というより、戦い方を"入れ替え"てここまでやってきました。
 そういったやり方も悪くはないとは思いますし、古くはヒディンク監督なども状況に応じて選手と戦い方を入れ替えて、うまく戦っていましたね。
 しかし、代表監督や戦力が豊富なチームであれば成功するかもしれませんが、クラブチームをコツコツと作り上げるという意味では課題も出てしまうのかもしれません。


 尹監督が戦い方を頻繁に変えることと、後方で凌ぐ展開が多いこともあって、ともかく勝利までの道筋を明確にすることが大事ではないかと話してきました。
 その答えの1つが、押し込み続けて守備機会を減らし、攻撃機会を増やすということになっているのかもしれません。
 そうであるのなら、この先のビジョンはその時間帯を増やすということなのか、それともそれ以外の時間帯は凌ぐ方向で舵を取るのか。

 正直、ここまでの無敗期間は、勢いと下位チームとの試合が多かったことも大きかったのではないかと思います。
 また、目の前で昇格が決まったにもかかわらず、盟友でもある京都が昇格したこともあって、どこか良い話で終わってしまっている部分がある気がするのも凄く悔しいです。
 京都との力の差は明白な試合だったと思いますし、あと1年足らずであそこまで行かなければジェフの昇格も難しいわけですから、より強い意志を持って頑張ってほしいと思います。