今年も『ジェフユナイテッド市原・千葉のアドベントカレンダー2021』に参加させていただきます。
関係者の皆様、参加者の皆様お疲れ様です。
2021年のジェフと言えば、シーズン終盤の巻き返しも印象的でしたが、クラブ創立30周年という記念イヤーでもありました。
30周年企画としてベタにベストイレブンを考えたのですが、クラブ内ベストイレブンはよくある企画で、私も去年やっていました。
しかし、ジェフの場合ベストイレブンを選ぶと、どうしてもオシム監督時代の選手が大半を占めてしまいます。
そこで、今回はJ2に降格してからの11年間にスポットを当てて、ジェフJ2ベストイレブンを考えてみました。
FW:ケンペス、ラリベイ
FW1人目はケンペスで決まり。
スピードと跳躍力のあるヘディングでゴールを量産したストライカーで、2013年に22ゴールをあげJ2得点王となっています。
ジェフで20ゴール以上を決めた選手は、2001年の崔竜洙まで遡ることになります。
もう1人もCFとなってしまいますが、どうしても選びたかったのでラリベイを選出。
守備に難のあるケンペスとは違って、守備もポストも出来て高さもあるFWで、非常に使い勝手の良い選手だったと思います。
シュートもうまく2017年には19ゴールをあげるなど、攻守両面で活躍しており、今でも参考になる選手ではないでしょうか。
ただ、ケンペスもラリベイも1年しか活躍が出来なかったのが残念で、そこが外国籍選手やベテラン選手の難しさかなと思います。
J2降格後のCFを振り返るとネット、オーロイ、藤田祥史、森本、ペチュニク、エウトン、クレーベなど頻繁に入れ替わっており、チーム作りの安定感不足に繋がる部分もあるかもしれません。
日本人選手ベストCFは15ゴールを上げた藤田だと思いますが、藤田も1年で横浜FMに移籍していますし、若いソロモンやブワニカには長期の活躍を期待したいですね。
2列目:船山貴之、町田也真人
FWでの選出が正しいのかもしれませんが、2列目で強引に船山を選びました。
シーズンによっては決定力不足や運動量不足を感じることもありましたが、状態が良い時はチャンスメイク、ゴール、守備など多方面に活躍し、2018年には19ゴールを決めています。
ジェフ通算54ゴールは巻を抜いて崔竜洙に並ぶ最多タイ得点数となっており、今やジェフを代表する選手となっていたと思うのですが、残念ながら先日契約満了が発表されました。
もう1人は町田をチョイス。
町田は運動量豊富に動き回って、プレスにも大きく貢献し、相手の間で受けるのがうまく、攻守においてゲームを作れるタイプのアタッカーと言えるのではないでしょうか。
2016年には11ゴールを上げていますが、得点力などには課題もあったと思います。
次点で現在活躍中の見木。
特別指定選手だった2019年から違いを感じる選手でしたが、今年は大卒2年目にして14ゴールをあげジェフ得点王に。
ジェフは決定力に課題のある2列目の選手が多かったですが、見木はテクニックだけでなく得点への嗅覚やメンタル的な強さも感じる選手だと思います。
ただ、見木も活躍したのはまだ1年で、今後への期待も込めて今回は選外に。
他にはJ2降格前から所属していた深井も、2011年にオーロイの落としを拾う形から14ゴールを上げています。
2014年から3年間主力として活躍した井出は、2015年の6ゴールがキャリアハイになっており、今はライバルですがさらなるブレイクを期待したいところ。
その他にも田中佑昌、清武、為田、矢田など、さまざまな選手が在籍していました。
工藤も降格1年目はキャプテンとしてプレーしましたが、復帰した勇人の陰に隠れてしまい、2018年夏に復帰後は主力になりきれず退団しています。
先日現役引退が発表された谷澤は2007年末の主力大量流出に荒れる中で加入し、プレー以上に選手とサポの間を埋めてくれた選手でした。
ボランチ:佐藤勇人、田口泰士
勇人はJ1時代の方がインパクトが強いですが、J2降格と同時に復帰すると1年目はさすがの存在感を見せていました。
運動量豊富に動き回って、動きでゲームを作り上げ、チームに貢献。
ただ、年齢とともに徐々にスタミナも落ちてミスが目立ち、チームと共に苦労したイメージも強いですね。
パートナーは、現在も在籍中の田口。
パスも出せて守備でも貢献できるボランチのいなかったジェフですが、田口は攻守両面でクオリティの高さを見せている上に、FKではピッチ中央からでもチャンスを作ってしまうほど高精度なキックを見せています。
歩く戦術兵器となっており、J1レベルを感じさせるボランチだと思います。
2人と迷ったのがアランダ。
ピッチの様々なエリアに顔を出し、ボールを狩るのが非常にうまく、アランダが入るとチームが安定する様子が見られました。
ただ、加入2年目に就任したエスナイデル監督とは相性がもう1つだったようで、出場時間を伸ばせず退団となっています。
その他、兵働、佐藤健太郎、山口慶、パウリーニョ、長澤、熊谷など。
ジェフ退団後、ライバルとなった選手たちも少なくないですね。
SB:米倉恒貴、中村太亮
右SBは米倉で決定でしょう。
2013年に右SBにコンバートされると、ダイナミックなオーバーラップと力強いクロスでチャンスメイク。
それまで使いどころが決まらない選手でしたが、SBで大きくブレイクすると個人昇格も果たし日本代表にまで昇り詰めました。
左SBはJ2昇格を決めた岩手で活躍する中村太亮にしました。
米倉が退団した翌年、左足での正確なクロスとプレースキックで貢献。
個人で打開できるタイプではないので当初は苦労しましたが、パスワークからクロスを上げる形を作ったことで、中村が活きていきました。
その他の左SBは、武田、阿部翔平、下平など。
右SBは大岩、金井、山口慶、田坂に加え、今年の福満も含めて、コンバートした選手が多いですね。
左右ともに本業で安定して戦えた選手は少なく、SBの補強には苦労してきたのかなとも感じます。
CB:山口智、大岩一貴
降格してからCBはベテランと若手のコンビが多いので、それに合わせて選びました。
1人目の山口智は勇人以上にJ1時代の活躍が印象深いので、選出を躊躇うところもありました。
実際スピードなどは落ちていたと思うし、深く守ってしまう課題もありましたが、影響力などは非常に大きい選手だったと思います。
パフォーマンスで言えば、同じ復帰組の茶野も能力は高かったと思います。
ただ、復帰初年度の2010年には良いプレーを見せていましたが、2年目は怪我に悩まされ3試合の出場で終わっています。
昔からどこか目立たないところもありましたね。
もう1人は迷いに迷ったのですが、大岩にしました。
加入前年から練習参加で見たことがあるのですが、当時から運動量豊富にアップダウンし、強さも見せ可能性を感じました。
ただ、クロスの精度は期待できず、徐々にCBでのプレーが増えていきました。
ジェフ最終年となった2015年はCBがメインとなり、翌年には仙台に移籍すると後にキャプテンまで任されるなど、J2ジェフにおける出世頭の1人と言えるのではないでしょうか。
大岩と悩んだのが、同時期に活躍したキム・ヒョヌン。
初年度は荒さも目立ちましたが、力強さ、スピードなどはジェフの中でも、屈指のものを持っていたと思います。
その他は竹内、近藤、キム・ボムヨン、鳥海など。
個人的にはミリガンも推したいところで、強さもスピードもあって、テクニックもある、モダンなCBといったイメージでした。
ただ、安定感においては課題もあって、結果的にロングスローばかりが取り上げられてしまい残念でしたね。
GK:新井章太
GKは新井章太。
新井が来てやはりGKはセービングやポジショニングなど、基礎的なプレーの安定感が一番重要なのだなと改めて感じました。
先日の京都戦が引き分けに終えられたのも、新井の活躍が大きかったと言えるでしょう。
岡本も候補で2012年からの4年間は守護神としてプレーするなど、長く貢献してくれました。
その後、愛媛での活躍は言わずもがなですが、J3降格も決まり38歳の来年はどうなるのでしょう。
インパクトで言えば果敢な飛び出しを見せた佐藤優也ですが、優也は入れ替わるように熊本で来季のJ2昇格を決めています。
その他、櫛野、ロドリゲス、高木駿などもプレーしていました。
岡本以降はGKも固定化できていなかった印象ですが、強いチームはGKが安定してプレーしているイメージがあります。
新井章太が今後長くプレー出来るのかにも注目ですね。
最後に11人を図にまとめてみました。
単純にまとめるだけではつまらないので、12年を3分割して2010年~2013年を緑、2014年~2017年までを赤、2018年~2021年までを黄に色分けしています。
当然そこを跨いで活躍した選手もいますが、勇人は一番輝いていた2010年だったり、町田は最多ゴールを決めている2016年だったりと、活躍した年を基準にしています。
まったく狙っていなかったのですが、結果的に4‐4‐3の分布となりました。
近年が一番少ないとはいえ、GKとボランチという大事なポジションから選出されています。
ジェフはJ2生活が長くなり、戦力的な問題なども懸念されます。
実際、大幅に選手を入れ替えた2016年などは、一時的に戦力が苦しくなった印象もありました。
ただ、一方で人件費はむしろ増加しているくらいですし、少なくともJ2レベルでは十分に上位を狙える戦力をキープしていると言えるのではないでしょうか。
コロナの影響があるといってもそれは他クラブも同じかもしれませんし、リソースのマージンはあると思うので、それをどううまく活用してしっかり戦えるチームを作るのか。
船山の契約満了が発表された時もそうですが、J2で共に苦労したからこそ、一緒に上がりたかったと無念に感じてしまうところがあります。
そういった悲しみや悔しさを余計に増やさないためにも、良いチーム作りを頑張ってやっていってほしいと思います。