来季に向けての話も進んでいますが、もう少しシーズン終盤の試合を振り返って、今季のまとめに入りたいと思います。
今季最終節岡山戦でもジェフはセットプレーから攻撃を作り上げ、ゴールを決めて勝利を遂げています。
今シーズン終盤に好調だったジェフですが、守備は安定してバランスが取れていたものの、攻撃面では苦労していたと思います。
岡山戦でも流れの中からチャンスを作れた回数は少なく、セットプレーからの攻撃がメインとなっていました。
好調期の攻撃を支えたのが、田口のプレースキックだったと言って過言ではないでしょう。
岡山戦での田口は13分にも直接FKを狙い、枠を捉えていましたが、ここは売り出し中のGK梅田がセーブ。
そして、前半終了間際、中盤右で得たFKを田口が蹴ると、ゴール前でチャンが競り合ったボールのこぼれを、後方から走り込んできた末吉が拾ってシュートを放ち、先制ゴールを上げています。
田口のキックが直接ゴールに結びついたわけではないですが、チャンの頭にあった精度の高いボールを供給し、それがこぼれ球に繋がったのだと思います。
さらに後半開始直後にも田口が直接FKでゴールを狙い、こぼれたところを高橋が拾ってシュートを放ち、最後はソロモンが押し込んでいます。
13分とは違い逆サイドを狙ったシュートとなりましたが、最近は他チームの選手も直接FKで逆を狙うことが多いように思いますし、1つのトレンドなのでしょうか。
GK梅田も逆サイドを警戒した印象でしたが、それでも弾いてしまったのは田口のシュートの精度が高く、しっかりとパワーも乗っていたからでしょう。
その後、59分にも田口のCKから、鈴木大輔がヘディングシュートを狙うシーンがありましたが、GK梅田の正面で終わっています。
これ以外のジェフの目立った攻撃は、34分のサウダーニャが角度のないところからミドルシュートを放ったシーンと、62分にサウダーニャがドリブルで仕掛けてミドルシュートを放ち、最後が見木が詰めてゴールを決めたシーンくらい。
どちらも、個人技でシュートまで持っていったことになります。
それだけセットプレーからの攻撃に依存していることがわかりますし、来年ここからゴール数を増やしていくためにはやはり流れの中からの攻撃を改善する必要があるのでしょう。
それと共に、田口が何かあった時のキッカーも必要となるでしょうか。
シーズン序盤は田口が離脱していたこともあって、前年に比べてセットプレーからのゴールが少なく苦労した部分もあったと思いますし、終盤に巻き返せたのも田口の右足の存在が大きかったと思います。
一方で岡山戦で失点した90分の場面では、田口が石毛にボールを奪われたところから、高橋がイ・ヨンジェにかわされてミドルシュートを決められています。
ボールロストまでの流れを確認すると、浮き球のボールの押し合いになったところから、田口がボールを浮かせてヒールで繋ごうとしています。
シンプルにボールを捌くか、体を張ってキープすればロストしなかったかもしれませんし、田口の軽いプレーだったように見えしてしまいます。
その前の上門のシュートに繋がったシーンでも、パスを出した石毛への田口の寄せが若干甘かったですし、疲れもあったのかもしれません。
しかし、田口はこれまでの試合でも決定的なミスを何度かしていますし、ここが課題なのかなと思わなくもないですね。
岡山戦の後半序盤には相手のプレスを見事に交わし、格の違いすら感じるプレーも見せていただけに、落差が大きく感じてしまうところもあると思います。
集中力なのか、油断なのか、慢心なのかはわかりませんが、チーム全体で見てもそこが大きな課題なのではないかと思います。
試合終盤の押し込まれた状況で、ああいった軽いプレーが許されてしまう雰囲気というのは、どこかチームの甘さがあるからではないでしょうか。
後半から岡山は明らかに失速していましたし、3‐0で圧勝するというところまでいきたいところでしたが、それが出来ないところが中位で終わってしまった原因なのではないかと思います。
最後まで徹底できる厳しさを身につけなければ、J1昇格争いはもちろん、J2上位争いも厳しいのではないかと思います。
終盤は負けはしなかったものの引き分けが増えてしまいましたし、水戸戦、琉球戦などは2試合連続で同点に追いつかれて勝点を失っています。
岡山戦も締まりが悪い展開となってしまいましたし、そのあたりをしっかりと反省して翌年につなげていかなければいけないのではないかと思います。