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矢田、安田とベテラン選手が契約満了に

 この記事に関してですが、本来投稿する日時と間違えて19日(日)に一度投稿してしまいました。
 再掲となりますので、ご了承ください。


 昨日取り上げた船山に続き、矢田、安田も契約満了となりました。
 主力としてプレーしていた船山に関しては意外でしたが、この2人に関しては退団の可能性もあるだろうと思っていたので、そこまでの驚きはないかなといった印象です。

 寂しくはなりますが、世代交代を目指すという方向性は良いことなのではないでしょうか。
 同じような境遇だった京都が成功したのも、若手育成がうまくいったからこそという部分もあると思いますし、J2に降格してからのジェフはベテランに頼り過ぎていた印象もあります。
 ただ、ベテランを放出するだけでは世代交代にはならないですし、新人の発掘・若手の補強・選手の育成など、さまざまな環境を強化する必要性があり、そちらの方が大事なのではないかとも思いますね。


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 矢田は2017年夏に、名古屋からジェフに加入。
 当時のジェフはエスナイデル監督初年度で、4‐1‐2‐3のシステムで戦っており、矢田はすぐにインサイドのレギュラーに定着しました。

 しかし、その年の終盤には4‐1‐2‐3の守備に限界が来て4‐4‐2に変更すると、ハイプレスハイラインから引いて守ってカウンターに変更し、そこから巻き返してプレーオフに進出します。
 けれども、翌年には再び4‐1‐2‐3にチャレンジすると、開幕から4試合勝ちなしで、このシステムを諦めざるを得なくなりました。
 こういったことがあるので、シーズン終盤や一時期の好調だけでは、信用しにくいところがあるわけですね。


 インサイドのポジションがなくなったことで、矢田の立場も不安定なものになっていきます。
 インサイドとしてはボールも運べて運動量豊富で攻守に絡めていましたが、ボランチとしてはサイズが物足りなく、アタッカーとしては打開力がもう1つといった印象でした。
 そのため4‐1‐2‐3だった1年目以降は、少しずつ出場機会が減少していってしまいます。


 それでも尹監督が就任した昨年は一時期右SHの主力でプレーし、右で矢田が守って左で為田が攻める展開がメインとなりました。
 しかし、シーズン終盤には戦い方が変わって、左SHのアランが守って、右SH堀米がチャンスメイクを狙う形となり、矢田の立場も厳しくなります。
 そして、今年は左右どちらかで守ってどちらかで攻めるというような図式もなくなり、大きく出場機会を減らしてしまいます。

 もともと昨年終盤の状況からして、今年残留したのも意外なほどでした。
 実際、Football LABによると今年は14試合529分出場で、昨年の27試合1519分出場から大幅減となっています。
 やはり退団すべき時には退団すべきだと感じますし、勿体ない1年だったように思わなくもありません。

 それでも今季も一時は船山に代わって右シャドーでプレーしており、運動量豊富に動き回って攻守に貢献していました。
 守備が出来てゲームも作れるアタッカーとしては十分に計算できる選手ですし、船山の代わりをしっかりとこなしていた印象です。
 左足で蹴れることもポイントが高いですし、他のJ2チームなら主力として期待できるのではないでしょうか。


 逆にジェフにとって心配なのは、船山や矢田など何でも出来て、攻撃も作れて守備や運動量も期待できる選手を、疎かにしてしまわないかということ。
 尹監督は昨年も山下や矢田、アランなどをあまり評価していなかったし、今年も大槻、岩崎などはあまり好まず、船山、矢田も退団となった。
 外国人ストライカーを欲しているという報道もありましたが、サウダーニャに点取り屋タイプに見木にと一発のあるFWばかり並べても、誰がゲームを作るのかということになりかねないと思います。

 細かなことはできないからと考えるのは潔いですが、単発のカウンターで上位に行けるほど今の時代は簡単ではないと思います。
 船山や安田の代わりをうまく補強できるかが、外国人FW獲得以上に大事なオフとなるかもしれませんね。
 矢田はまだ30歳ですし良い移籍先が見つかれば主力として十分やれる選手だと思いますので、怪我だけには気を付けて頑張ってほしいと思います。


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 安田は2019年途中からジェフに加入。
 初年度は江尻監督に評価されず出場機会が限られましたが、以前指導を受けた尹監督が就任した昨年大幅に出場機会を伸ばします。
 左SBのレギュラーとして、攻守に活躍しチームを支えました。

 若い頃の安田はどんどん仕掛けてクロスを上げて戻ってくる攻撃的なSBというイメージでしたが、ジェフでは粘り強い守備も見せてくれました。
 また、3バックに変更となった今季も、途中出場からドリブルで仕掛けてクロスを上げチャンスを演出。
 ジェフ加入前の新潟でもそうでしたが、クロスの精度の高さも感じる選手となっていました。


 3バックになってからのジェフは左に末吉、右に福満を起用していますが、末吉はキレのあるドリブルこそあるものの、クロスの精度には若干の不安がある。
 福満はテクニックこそあるものの、縦に仕掛けられるタイプではないため、そもそも単純なクロスは少ない。
 米倉もドリブルで切り込むタイプではないですし、シンプルにドリブルからのクロスでチャンスを作れる選手は、安田くらいしかいなかったと思います。

 安田が高さのあるソロモンを、一番活かせるサイドアタッカーだったと思います。
 しかも、安田は左右でプレーできるだけでなく、WBでもSBでも計算できる。
 ベテランらしく自分のタスクを解っている上手さも感じたし、使い勝手の良さもある選手だったはずです。


 ただ、安田も33歳ということで、昨シーズンもコンディションの波があった。
 また、スタミナ面でも不安が出てきたように見えました。
 途中交代だからこそ良いプレーが出来ていた部分もあったのかなとも思いますし、福満、末吉だけでなく安田も5人の選手枠に助けられていたのかもしれません。

 年齢なども考えれば契約満了も仕方ないかなとも思いますが、それならばWBの5番手、6番手だった米倉や伊東が先に退団となるべきではないかなとも感じていました。
 安田が満了ならさすがに小田慰留の目途は立っているのかなと思ったのですが、後に小田も鹿島復帰が発表になっています。
 いずれにせよWBも補強ポイントだとは思っていたので入れ替わりがあるのは仕方がないのかもしれませんが、シャドー、CB、CFなど他にも補強したいポジションは多いだけに、労力が分散してしまわないかが心配ですね。


 安田はメンタル的にも、ジェフに足りない部分を持った選手ではないかと思っていました。
 キャプテンタイプではないので周りを引っ張るような存在ではなかったですが、J1、海外、代表などを経験していることによって、より上を目指す高い意識でチームを見ていた印象があります。
 J2に降格してから他のベテラン選手は悪い意味でジェフやJ2の緩さに馴染んでしまうことがある印象ですが、安田は客観的に見れていたところがあるのではないでしょうか。

 もう数年前に加入していれば、もっと重要な存在の選手になっていたのではないかと思うのですが、もう数年前では補強できていなかったのでしょうね。
 そこがジェフの現在地でもあるのでしょうし、有望な選手を全盛期前後に補強できないのであれば、何とか若い選手を育成していきたいところなのではないでしょうか。
 それでも安田に関してはベテランの味を出せていた選手だと思いますし、勉強になった部分も多かったのではないでしょうか。
 ジェフでプレーしてくれて、ありがとうございました。