FWからMFまでのベストイレブンを発表した前編に続いて、後編ではDFとGKとMVPを選出していきます。
改めて振り返ると、他チームの選手も多いとは言え、今年も楽しみな選手が多数活躍していましたね。
SB:毎熊晟矢(長崎)、荻原拓也(京都)
サブ:藤原奏哉(新潟)、荒木翔(甲府)
右SBは候補が多く、悩みどころですね。
プロ入り2年目の毎熊は元々FWだったということもあり、スピードのあるスプリントを武器に、精度の高いクロスも上げられる選手。
ジェフもSHに一列上がった毎熊のクロスから、やれた試合がありましたね。
サブに選んだのは北九州時代にボランチでもプレーした藤原で、パスの出せるSBとしてアルベルト監督のサッカーにフィットした選手でした。
磐田の鈴木雄斗も候補でジェフ戦でも活躍しWBながら8ゴールも上げており、琉球の田中恵太もジェフが2連続でクロスからやられた試合がありましたが、9月から怪我で長期離脱しています。
その他、関口(甲府)、飯田(京都)、馬渡(大宮)、松田(金沢)、半田(山形)など。
左SBには、浦和からレンタルで京都に加入している荻原。
前年も新潟でキレのあるドリブルからのクロスを見せチャンスを作っていましたが、シーズン途中から左SBがハーフスペースを取る形にシフトしたことにより出番がなくなっていました。
今季はより前へアグレッシブな京都に加わったことにより、本人も伸び伸びとプレーできたのではないでしょうか。
サブには甲府の荒木を選びました。
開幕戦でジェフからアシストを決めている荒木は左右WBでプレーでき、泉澤や長谷川などと甲府のサイド攻撃を構築しました。
その他に、松本(磐田)、大崎(水戸)、堀米(山形)、渡邊(金沢)、沼田(琉球)など。
CB:ヨルディ・バイス(京都)、大井健太郎(磐田)
サブ:麻田将吾(京都)、千葉和彦(新潟)
CBは昇格したコンビに。
バイスは高さ強さがあるだけでなく、ビルドアップでも貢献。
特にシーズン前半はバイスの攻撃参加が目立ちましたが、チームが進歩したことによってバイスの攻撃作りも不要となり、結果的にバイスから"卒業"していったようにも見え、その流れもあって契約満了となったのでしょうか。
磐田の3バックは22歳の伊藤や23歳の森岡など、若い選手の活躍も目立ちました。
しかし、伊藤は夏に海外移籍し、森岡も怪我で長期離脱と、CBの入れ替わりが激しい中、守備をまとめあげたのがベテラン大井でした。
安定した守備だけでなく、3‐1で勝利したジェフ戦では大井からのロングパスからゴールが生まれるなど、パスセンスもレベルの高さを感じました。
控えには京都の麻田と新潟の千葉を選出。
サンガアカデミー出身の麻田は187cmながらも左足でのキックも正確な選手で、讃岐などでの武者修行を経て今年京都でもレギュラーを奪取。
若手育成が成功している京都を象徴する選手の1人でもあるのではないでしょうか。
千葉は36歳と大ベテランの域に入る選手で、昨年の名古屋では出番がなかったので、どこまでやれるのか初めは懐疑的でしたが、今年は39試合に出場。
古巣新潟に復帰するとバタバタしがちだったチームを、後方で落ち着かせる役割を果たしていたと思います。
パートナーの舞行龍も、CBの候補に考えました。
今オフは若い江川(長崎)、知念(琉球)などの評価が上がっている意見も聞きますが、どちらもジェフ戦ではミスが目立ってしまったので、まだ様子見かなと思います。
その他は、山本義道(磐田)、高橋(町田)、野田(山形)、ンドカ(東京V)、西村(大宮)など。
元ジェフで横浜FMから磐田へ夏にレンタルした伊藤槙人も、短期間ながら素晴らしいプレーを見せていたと思います。
GK:三浦龍輝 (磐田)
サブ:若原智哉(京都)
GKは三浦で決まり。
磐田が好調期に入った4月から守護神に抜擢されると、落ち着いたセーブだけでなくロングフィードでも貢献。
磐田は歴史的にGKが弱い印象もありますが、三浦で当面落ち着くのでしょうか。
もう1人は町田の福井、甲府の河田、山口の関などと迷いましたが、福井はジェフ戦でミスがあったので選びにくく。
最終的には、若原を選びました。
若原はシーズン終盤に怪我に泣かされましたが、キック精度も高い若手GKで、4月にジェフと対戦した時にはビルドアップに加わった若原のロングキックからチャンスを作るなど、インパクトのあるプレーを見せていました。
その他、マテウス(東京V)、梅田(岡山)、牲川(水戸)、田口(琉球)など。
ジェフの新井も特にシーズン後半は、良いセーブが光っていましたね。
やはり良いチームには、安定したGKが欠かせない印象があります。
MVP:ルキアン(磐田)
MVPも最後まで悩みましたが、ルキアンにしました。
ルキアンがヘディングに強く、ポストプレーも出来て、スピードもあるからこそ、磐田の攻撃のバリエーションが広がったと言えるのではないでしょうか。
来年は福岡へ移籍しますが、山形から加入すると噂されるアラウージョはまた違うタイプですから、同じやり方だと苦労するでしょうね。
次点で考えたのが山本康裕でした。
攻守において安定したプレーを見せており、落ち着いたサッカーを展開する磐田において、非常に重要な選手だったと思います。
ウタカも候補として考えましたが、京都は周りが攻守に走り回るプレッシングサッカーをすることで、むしろウタカに頼らないサッカーを構築できたことが、成功において非常に大きかったと思います。
最後に図にして、まとめておきます。
来年はJ1から4チームも降格してきますから、J2のレベルも雰囲気もまた大きく変わってくるかもしれません。
その中でどんな選手が活躍するのか、今から楽しみですね。