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2021シーズンを振り返る 鈴木大輔編

 鈴木大輔は、昨年ジェフに加入すると、キャプテンに就任。
 出場停止1試合を除く、41試合でスタメンフル出場を果たしています。
 見木が42試合に出場していますが、出場時間で言えば鈴木大輔の3690分が最長時間となります。

 ただ、鈴木大輔も苦労の多い年だったと思います。
 開幕戦甲府戦から鈴木大輔パスミスでピンチに陥ったり、ゴール前で相手選手にかわされてゴールを奪われたりと、幸先の悪いスタートとなってしまいました。
 その後の試合でも相手のドリブルやスピードに苦戦する傾向がみられ、特に地上戦で不安を感じる状況となっていました。


 ただ、個人的にはJ2に降格してから加入したベテランCBである山口智も、近藤も、増嶋も、鈴木大輔と同様に若いJ2選手のスピードには後手を踏むことが多かったと思っています。
 それだけに鈴木大輔が極端に悪いかというと、そこまで違いがあるわけではないようにも思います。
 もちろん、そこは比較の問題ですが、外部からベテランCBを補強してチームの中心に据えるというやり方を続ければ、どうしても起こりがちな問題となるのではないでしょうか。

 また、鈴木大輔の場合、前年浦和で5試合しか出場できていないということで、試合勘の問題も大きかったのかもしれません。
 そのため、シーズンを通じて、徐々にパフォーマンスが改善していったところもあったのではないでしょうか。
 鈴木大輔の場合、その序盤に苦戦したことによって、評価が厳しくなっているところもあると思います。


 実際、3バックになって左CBに入ってからは、状況が改善したところもあると思います。
 左CBが攻撃時に前へ出てSBのような動きをするため、どうしてもその裏を狙われやすいところもあったとは思いますが、そこから大きく破錠した試合は少なかった印象です。
 CB兼SBという難しい役回りながら、うまく2CBなどとも連携を取りつつ、バランスをコントロールしていたのではないでしょうか。

 また、攻撃時も当初は左足でのクロスの精度がもう1つで、高い位置まで上がっても効果的な攻撃が出来ずにロストして終わることが目立っていました。
 しかし、右足を使って、左後方の位置から前方中央へ斜めの楔のパスを出すようになってから、うまく攻撃に絡めるようになっていきました。
 また、年末にも話した左サイドでシャドー、WB、ボランチなどと絡むパスワークにも、効果的に加われていたと思います。

yukkuriikou.hatenablog.com
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 もともと鈴木大輔は、まだ若かった新潟・柏時代から、総合能力の高いCBといったイメージでした。

 高さもそこそこあって、フィジカルもあって、足元の技術もある。
 2017年のNumberによると、海外移籍時には様々なポジションを任されたようですし、その持ち味と経験が昨シーズン後半に活きていたのではないかと思います。
 守備を求められる上、細かなパスセンスを求めれる難しいタスクだったと思いますし、このままの形で行くのであれば新加入の若いCB2人はそこで苦労する可能性もあると思います。 

 一方で昨年ジェフが4バックを維持できなかったのは鈴木大輔にも課題があり、シーズン途中から3バックに変更したこそやれていた部分もあったのではないかと思います。
 単純な対人守備に関しては、昔ほど期待できないようにも感じますし、そこが課題なのでしょう。
 スピードやキレの部分を、うまく経験でカバーできるかがポイントなのではないかと思います。


 今季のジェフは昨年からの継続路線ということで、基本的には同じスタイル・同じポジションになるのではないかと思いますから、昨年終盤にも突かれていた鈴木大輔のスピードの部分などをより狙われる可能性もあると思います。
 そのポジションに佐々木やダニエル・アウベスなどが入って、スピード面の課題を解決したり、左足でのクロスなども加われば、チームとしての幅は広がるかもしれません。
 鈴木大輔としても本来は中央CBや右CBの方が適しているのではないかと思うのですが、加入した左CB候補はともに若い選手ですからどこまで期待できるかは未知数ですね。

 また、昨年はキャプテンとしてチームを任されましたが、本人もチームも序盤は低調だったこともあってうまくいかなかった部分もあったのではないでしょうか。
 今年は昨年の経験を経て結果を求められる年になると思いますから、いかにキャプテンとしてチーム全体を押し上げることが出来るのかも重要となってくるのではないかと思います。
 J1から4チーム降格で昨年以上に上下の差が激しいリーグとなるかもしれませんから、常に強い意識をもってチームを引っ張る選手が出てきてほしいと思いますし、その候補がキャプテン鈴木大輔となるのではないでしょうか。