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2021シーズンを振り返る チャン・ミンギュ編

 2020年に韓国の大学から加入したチャン・ミンギュは、プロ入り1年目に31試合に出場。
 2021年は36試合に出場しました。
 シーズン途中からは3バックの中央で、レギュラーとして活躍しています。

 特に強く前に出て、相手を潰しに行くプレーが目立っていましたね。
 潰しに行くスピードも速く、強度もあって、相手FWを自由にさせませんでした。
 何よりも守備に行く思い切りの良さが、武器なのかなとも思います。

 また時折見せるロングパスも精度が高く、ビルドアップ能力にも可能性を感じます。
 ただ、そこに関しては1年目から光るものを見せていて、サイド前方の奥に驚くようなボールを供給していたこともありました。
 今後の目標はそれを安定して供給できるようになること、ボールを持った時の判断を早めること、自身でボールを散らす能力も身に着けることでしょうか。


 一方で危険なファールも目立ち、昨年だけでイエローカード6枚、レッドカード1枚を受けています。
 ファールが多い問題はチャンのみならず、チーム全体の問題となっていたと思います。
 実際、何度かシーズン中にも取り上げたJ2反則ポイントは、最終的にこうなりました。

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 散々危険なプレーが指摘されていた栃木ですら0ポイント。
 激しいプレーも必要とは言え、ジェフは断トツの最下位でさすがに多すぎると思います。

 この背景にはJリーグが激しいコンタクトに対して、ファールを取らない方針に変えたこともあるのではないでしょうか。
 それによって栃木のようにラフプレーが増えたり、ジェフのようにファールで止めるチームが現れたのではないかと思います。
 ファールをしてでも相手を止めるというプレーによって、栃木やジェフが結果を残した部分もあると思いますし、特に好調だったシーズン後半のジェフはそれが顕著だったようにも思います。


 ただ、ちょうど昨シーズン途中に行われた東京オリンピックを見ていたところ、Jリーグよりしっかりファールを取られていた印象でした。
 海外では激しいプレーでも笛を吹かれないと言われ続けていましたが、実際にはそんなことはなかったのではないかとも思います。
 むしろ昨年はJリーグの方が激しいプレーに甘くなった可能性もあり、それで大きな怪我人が出ないか不安に感じるところがありますね。

 その恩恵を受ける形となったのがジェフですが、結果的に一歩間違えば荒いチームになりかねない状況だったと思います。
 チャンもより上の選手を目指すためには、ファールで止めるのではなく、うまくボールを奪えるようにならなければいけないのではないでしょうか。
 強い気持ちも買いたいですが、ボールを奪う技術も身につけなければいけないと思います。


 また、新井一耀の時にも話しましたが、昨年4バックで開幕した試合では岡野と鈴木大輔の2CBでスタートしたもものバタバタしてしまい、第2節からはチャンと鈴木大輔で2試合を戦いますがそれもうまくいかずに、新井一耀と鈴木大輔になった経緯があります。
 ただ、それでもダメで3バックに移行した経緯があるわけで、固定化できなかったCBに課題もあると感じて4バックを諦めたのではないでしょうか。
 チャンが思い切って前に潰しに行けるようになったのも3バックだったからというのが大きいと思いますし、年代別の韓国代表でボランチでプレーしていたことも納得できる部分があります。

 相手に前を向かれてドリブルで仕掛けられた時の対応や、クロスに対するポジションニングや高さなどに関しては、まだまだ課題があると思います。
 総じて自分が前に潰しに行ける状況では良いのですが、待ち構えて対応する時の守備に関して、物足りない部分があるのではないでしょうか。
 そこを乗り越えないと4バックのCBとしては怖いところがありますし、3バック専門のCBでは評価も上がりにくいと思いますから、さらなる成長と飛躍を期待したいところですね。