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2021シーズンを振り返る 末吉塁編

 末吉は2021年に、山形からジェフへ完全移籍で加入。
 開幕直後のジェフは4バックで、末吉は途中出場がメインでした。
 3バックにした直後も、まとまった出番はありませんでした。

 しかし、左WBの小田の負傷などもあって第25節新潟戦からスタメン出場を果たすと、小田が復帰後もポジションを維持しシーズンラストまでレギュラーとしてプレーしました。
 尹監督はシーズン序盤もビハインドの時には小田を下げて末吉を投入していましたし、個人での打開力では末吉の方が期待できると思っていたのかもしれません。
 2021年の末吉は25試合出場と前年の31試合出場には及びませんでしたが、スタメンは18試合と8試合ほど増え、出場時間も1094から1432分に増加しています。


 縦に鋭い仕掛けで左サイドの攻撃を活性化していった末吉ですが、末吉の武器はスピードだけではなく小技が効くことだと思います。
 相手選手が寄せてきてもスッと加速してかわせることが出来るし、狭い局面でもパスを繋ぐことが出来る。
 相手ボックスの間で受ける動きもうまく、山形時代にも左SHで起用されて、中盤中央で受けて反転して仕掛けるというプレーが光っていました。

 だからこそ、左CB鈴木大輔が斜め外の前方に出て、左SBのような働きをする。
 そして、前に押し出された末吉は、左SHのような仕事を果たす形が合っていたのではないかと思います。
 左SH末吉は外なら縦に仕掛けられるし、中でもボールを受けられるしと、非常に器用なプレーをしていました。

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 キレのある鋭い仕掛けを見せていた一方で、課題もいくつかある選手だと思います。
 まず、スタミナに問題があって、2021年は18試合にスタメンしてフル出場は2試合のみ。
 交代枠が5人になっていることで、救われている面があると思います。

 また、守備面においても、WBとしては課題は大きいと思います。
 真面目に戻る意識は強い選手だと思いますが、守備への入りが甘かったり、対人守備で弱いところがある。
 例えば2‐2の引き分けに終わった第39節琉球戦でも、ジェフ加入が決まった風間宏矢にラストパスを出されてやられていますが、そこへの末吉の寄せが甘くやられてしまっています。


 さらに攻撃面でもクロスまで持ち込む流れは良いのですが、クロスなどラストプレーの質は課題だと思います。
 Football LABによると、昨年のアシスト数は3で、ゴール数は1。
 攻撃的な選手ですし、ゴールに直接絡むプレーを増やすことが、今年の目標となっていくのかもしれませんね。

www.football-lab.jp

 スタミナ、守備、クロスなどに課題もあるということで、秋山獲得となったのでしょうか。
 鈴木GMも新体制発表会で「末吉と競争できる」と話しているように、秋山は圧倒的なスタメン候補というより、2人で切磋琢磨して成長してほしいという補強ではないでしょうか。
 秋山はレフティということで、そこに期待している部分もあるのでしょう。

 ただ、左CB鈴木大輔もそうですが、左WB末吉も右利きだからこそ、左サイドでのパスワークに関わりやすかった面もあったと思います。
 昨年後半に実施した左サイドのパスワークは、主にワイドで左WBと左CBが位置取りし、ハーフスペースにシャドーやボランチがサポートに行って四角形を作りパスワークを構築していった。
 その場合、ワイドの選手は縦だけでなく中央へもパスを繋ぎたいわけで、その点では右足で蹴れる方が有利かもしれません。


 より単純に言えば左WBにはシンプルな縦への突破とクロスだけでなく、パスセンスも求められていたはず。
 あのパスワークを継続するのであれば、小技のある末吉のセンスは重要なのかなとも思いますね。
 これは左CBにも近しいことが言えるでしょう。

 ただ、将来的に言えばWBなどではなく、2列目で本来は光る選手なのかなと思わなくもありあません。
 それでも様々な経験を積んで、成長してくれれば…と言いたいところですが、末吉も今年も26歳になるということで、決して若手とは言い難い年齢。
 イメージ的に若く感じる選手ではありますが、実際には結果を求められる中堅年代と言えるでしょうから、課題などをしっかりと克服して完成度の高い選手を目指してほしいところですね。