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2021シーズンを振り返る 熊谷アンドリュー編

 2017年にジェフに加入し、エスナイデル監督の下、アンカーとして起用されると、当初は苦労していたもののその後は評価を高めていった熊谷。
 しかし、2020年は尹監督体制になったこともあり、かなり苦労したシーズンでした。
 絶対的なボランチである田口が加入した上に、見木や高橋など若手の起用もあって、その年は21試合にしか出場できませんでした。

 2021年も、前年と同じ21試合出場にとどまっています。
 シーズン序盤は苦戦し、開幕戦と第2節こそスタメン出場を果たしますが、その後はスタメンから遠ざかります。
 怪我もあったのか、第4節から第17節までは控えにも入れず、厳しいスタートとなりました。


 シーズン序盤の熊谷は、プレーにも迷いを感じる状況だったように思います。
 もともとエスナイデル監督時代にもボランチの位置から下がって、ボールを受け左右にパスを繋げて終わってしまうことも多かった。
 そこはチームのスタイルもあったのでしょうが、それで悪い癖がついていたのか、今季序盤も無難な横パスが目立っていた印象があります。

 また、守備機会においても局面の強さはあったものの、悪い意味でフラフラしてしまうことが多かったように思います。
 運動量ももう1つだった印象で、コンディションの問題もあったのかもしれません。
 あるいはメンタル的な課題もあったのでしょうか。


 しかし、東京オリンピック中断によって状態が戻ったのか、明けた8月9日の山形戦で小林の負傷もあって途中出場を果たします。
 そこで良いプレーを見せると、続く新潟戦からはレギュラーポジションを獲得。
 田口とともに、シーズン終盤の好調を支えた選手の1人として活躍しました。

 シーズン終盤のジェフは、プレスをかけ、相手にボールを蹴らせて、ボランチ付近で回収して、また攻めるという展開で、相手を押し込み続けていきました。
 これを可能にしたのも全体のインテンシティの高さがベースにあると言えるでしょうし、そこで活躍したのがフィジカルの強い熊谷と言えるでしょう。
 田口との連携も向上し、2人で中盤を牛耳っていきました。


 攻撃面でも当初は左右CBが上がる分、田口が下がってパスを回す役割が目立っていました。
 しかし、左CB鈴木大輔が上がって中央CBチャンと右CB新井一耀が残る形になってからは、熊谷が下がる動きも減っていきました。
 左CBの後方を埋めながら低い位置でパスを繋ぐ役割も果たしていましたが、シーズン終盤には高い位置での攻撃参加が増え、左サイドに密集するパスワークにうまく絡んでいきます。

 2019年から2020年前半の熊谷の状況を考えると、このままでは埋もれてしまうのではという不安もありました。
 その要因には、攻守においてJ2では飛び抜けたプレーを見せる、田口の加入も大きかったのではないでしょうか。
 熊谷もフィジカル面においては田口よりも優れていると思いますが、攻撃面ではボールを持っても田口ほどはゲームを作れないし、守備面でもバランス管理やカバーリング能力においては課題があったと思います。


 その田口の存在が、プレッシャーになったところもあったのでしょうか。
 しかし、昨シーズン終盤はオリンピック中断も経て、熊谷のコンディションが戻ったこと。
 そして、前にプレスをかけてボランチが回収というチームのスタイルが、熊谷に合っていたこともあって、復活を遂げたシーズンだったと言えるのかもしれません。

 ただ、熊谷は第38節水戸戦を最後に、その後はベンチにも入れていません。
 最後は負傷してシーズン終盤を終えたのではないかと思いますし、怪我が増えている可能性もあるだけに、コンディション問題が心配ですね。
 コンディションとメンタルを万全に保ったまま1年間フルで活躍できるかが、今年の大きな目標となるのかもしれません。