第2節琉球戦では開幕戦からスタメンを3人、控えに至ってはGK鈴木以外全員が変わる、大幅な変更を行ったジェフ。
新型コロナウィルス陽性者が選手に2名出たとはいえ、濃厚接触者はなしという発表がありましたし、思い切ったメンバー変更となりました。
三菱養和ユース出身の西久保と桐蔭横浜出身の篠原の新人2人も、途中出場を果たしています。
2人に関しては、尹監督が以下のようなコメントをしています。
尹晶煥監督
「今日はJリーグデビューした選手が2人(西久保駿介と篠原友哉)入ったんですけど、少し心配はしましたが、本当にみんなが1つになって最後まであきらめずに戦ってくれました。」
心配していたという言葉からすると、この2人は急遽メンバー入りして起用となった可能性もあるのでしょうか。
耐える展開だっただけにまだ二人の能力はわかりませんが、ひとまずはプロデビューおめでとうございます。
入れ替わった中でも、特に目立っていたのが高木俊幸だったのではないかと思います。
運動量豊富に動き回って攻守に貢献。
しかも、CKから今季ジェフ初得点にもなった、新井一耀のゴールをアシストしています。
ただ、新井一耀のゴールと言っても、新井一耀はジャンプすらしていません。
本人も「脇腹にあたった」と話していますし、以下の動画を見ても体にあたって生まれたゴールとなっています。
#明治安田生命J2リーグ#第2節#FC琉球
— ジェフユナイテッド市原・千葉(公式) (@jef_united) 2022年2月26日
本日のゴールシーンをおさらい
1点目の #新井一耀 選手のゴールは
脇腹に当てて流し込んだっ‼️
公式戦 #2022シーズン
初ゴーーーーール✨
DAZN視聴はこちらから👀💻📣https://t.co/5bzxP6T9sn#jefunited#ジェフ千葉#jleague#2022シーズン初勝利 pic.twitter.com/mTujnPRohO
琉球としては、CKでボールに競ることすらできていないわけですから、守備のミスということになると思います。
特に新井一耀の前にいた上原と、新井一耀に前を取られた大森の動きに、問題があったのではないでしょうか。
とはいえ、新井一耀がうまくゴール前に入って、ボールに触ったシーンでもあったと思います。
そして、何より高木のボールが良くて、落下する際にぐっと下がるボールを蹴れたからこそ、決めれたのではないかと思います。
クロスなどもそうですが、頭上で曲がるボールは相手にとって対応しにくいはずで、理想的なキックと言えるのかもしれません。
開幕戦では岩手にセットプレーから先制されて、その後は何もできずに終わってしまっただけに、琉球戦では逆にセットプレーからジェフが先制できたことが非常に大きかったと思います。
これによって琉球が前に出てきてカウンターも狙いやすくなり、実際に相手の裏を取る形で追加点も生まれている。
遅攻は苦手なチームなだけに、セットプレーで先制して、相手が前に出てきたところをカウンターで仕留めるという展開は、ジェフにとって理想的とも言えるのかもしれません。
ただ、高木のプレーが際立っていたのはプレースキックだけでなく、流れの中での献身的な動きでも貢献していました。
高木の動きによって相手を押し込むことができ、セットプレーも多く取れたのではないかと思います。
開幕戦は全体的な流れが悪かっただけに、むしろそちらの方が貢献度は高かったのではないでしょうか。
守備では運動量豊富に走り回り、プレスを成立させていきました。
左右シャドーが中央寄りに絞る3トップ気味のプレスを敢行していったジェフですが、高木は左右へのスライドでも貢献。
また、1トップのサウダーニャが守備に難のある状況下で、時にはサウダーニャを置き去りにして、見木と左サイドまでプレスに行くことすらありました。
残念ながら開幕戦でスタメン出場した風間は、古巣琉球戦では出場できませんでした。
風間に関してはちばぎんカップ後にも取り上げましたが、テクニックはあるけれど運動量はそこまで期待できない印象です。
琉球などでのプレーから予想は出来ていましたが、風間はパスワークのポイントになれる選手で、そこから飛び出したり変化を付けたりといった動きが出来るタイプだと思います。
風間加入の効果には期待しつつも、一方で昨年までの船山とは、少し流れが変わってくるだろうなとも感じました。
(中略)
昨年後半の船山は、右シャドーで運動量豊富に動き回り、黒子役になってくれていたと思います。
シンプルに中盤でパスを繋ぐだけでなく、時にはポストプレーをこなしたり、裏やサイドに抜け出して攻撃の流れを作ったり。
守備においても前にプレスに行くだけでなく、サイドの守備へ行ったり、中盤でスペースを消したりと、効果的にプレーしていたと思います。
昨年までは船山が攻守に貢献してくれたおかげで、本来はパサータイプの福満や見木などが機能していたところがあったと思います。
いわば、見木:テクニカル、福満:テクニカル、船山:ハードワークだったわけですが、今季は見木:テクニカル、福満:テクニカル、風間:テクニカルになってしまった。
それではどうしても運動量もスピードも足りなくなるし、ソロモンもパワー系でハードワークタイプではないだけに、うまくいかないのも当然だったのかもしれません。
高木はプレースキックも含めて、船山の穴を埋めてくれる可能性がある存在ということになるでしょうか。
高木に関しては若い頃から走れてテクニックもある選手だとは思っていましたが、正直ここまで走れるとは思っていませんでした。
コンディションや年齢による問題も心配でしたが、調子もよさそうで安心しました。
ただ、71分には交代していますから、スタミナ面においては課題もあるのかもしれません。
尹監督は起用法について、以下のように話しています。
尹晶煥監督
サウ(サウダーニャ)だったりトシ(高木 俊幸)だったりの速いスピードを利用した攻撃をしようと思っていて、そういったところがうまくいったかなと思います。
サウダーニャがスピードがあるかどうかは、見方次第ではないかと思います。
ロングカウンターなど速度に乗った時には明らかに速いですが、一度止められると判断が悪く、むしろプレーが遅く感じることもあります。
どちらかと言うとテクニックという印象もありますが、いずれにせよ起用法が当たったことになりますね。
ちばぎんカップや岩手戦では全体的に裏への動きも少なかったですし、高木が積極的に動き出すことで、潤滑油が生まれたと言えるのではないでしょうか。
一方の風間に関しても、パスの起点となる点においては期待できるはずです。
ただ、今のジェフは琉球のようなパスサッカーを目指しているわけでもないし、イメージとしては4バックの方が向いているのかなという気もします。
それでもポテンシャルはある選手だと思いますし、高木も可能性を見せてくれた。
見木も昨年は結果を残している上、篠原もデビューを果たしたということで、2列目のポジション争いが今後どう展開していくのか楽しみですね。