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西久保駿介、佐々木 翔悟が初スタメン 篠原友哉、矢口駿太郎もプロデビューを果たす

 第2節琉球戦で開幕戦から4人、第3節山形戦ではさらに5人がメンバー外となったジェフ。
 琉球戦では西久保、篠原、佐々木といった、若手新加入選手がそれぞれ途中出場。
 さらに山形戦では西久保、佐々木がスタメン、篠原、矢口が途中出場を果たしています。

 三菱養和ユースから加入した西久保は右WBとして出場し、前評判通り178cmながらも空中戦の強さを見せてくれました。
 琉球戦でも後方からのハイボールのターゲットになっていたし、山形戦でもGK新井からのロングキックに競り勝つシーンが何度も見られました。
 山形の左サイドはSH加藤が170cm、SB吉田が172cmということで、高さが弱点と見た部分もあったのでしょう。


 そこをジェフが突いたことからも緻密に相手を分析してきたように感じましたし、何よりも若い選手の良さを活かそうという意図が見られたことが良かったです。
 ちなみに、昨年福島から山形に移籍した吉田は今季から左SBのレギュラーとしてプレーしていますが、左右SBに偽SBの動きをさせるために抜擢されたのではないかと思います。
 昨年までは右SB半田だけが中に絞って左SB山田拓巳は外でプレーすることも多かったですが、山田はジェフ戦で途中出場した直後にもミスキックがあったように、技術面では課題があると見られているのでしょう。

 西久保は粘り強い守備でも貢献し、ロングスローでも目立っていました。
 また、14分にはグラウンダーのクロスをゴール前に供給しましたが、サウダーニャが相手DFのブロックに止められアシストはならず。
 この日は逆サイドからもグラウンダーのクロスを出しており、琉球戦でもグラウンダーのクロスがありましたから、得意としているプレーなのかもしれません。


 ミドルエリアから前線へダイレクトパスを出すシーンもありましたし、鋭いミドルパスが得意なのかもしれません。
 ただ、一方で琉球戦では、投入直後にフリーな状況でクロスをキックミス。
 この時は緊張もあったと思いますが、その後のシンプルなクロスも質はもう1つだったかなと思います。

 以下の記事からも、クロスが課題と捉えているのかもしれません。
web.gekisaka.jp

「クロスを教えてもらっていたのが福満(隆貴)さんで、最近ジェフではウイングバックをやっている選手なので、クロスの質は高いなと思いましたし、いろいろと優しく教えてくれました(笑)」。福満の教えを胸に刻みつつ、今は毎日のトレーニングでクロスを磨いている。

 ただ、それよりも山形戦で気になったのは、相手選手の縦への仕掛けに対する守備。
 マッチアップした選手が加藤や河合など、J2の中でもスピードのあるドリブルが得意な選手だったこともありますが、1試合だけで2度、3度と縦に抜かれてクロスを上げられています。
 WBやSBは1対1での守備が問われることが多いですし、今後戦力として定着するためには、スピードある仕掛けに対する守備力が求められるのかもしれません。


 続いて、昨年までは岩手でプレーし、鹿島から佐々木について。
 21歳の佐々木は山形戦で左CBとしてスタメン出場。
 FKでは力のあるボールを供給しており、現在のジェフは左利きのキッカーが少ないだけに可能性も感じましたね。

 守備でもJ3で出場経験があるだけに、落ち着いて戦っていたと思います。
 特に目立ったのがカバーリング能力で、相手のプレーに対する予測がうまい選手なのかもしれません。
 左WB福満をフォローする動きも目立っていました。


 一方で相手のプレスに対しては戸惑うシーンも多く、そこからボールをロストしてしまうことも。
 全体的に押し込まれがちで後方で繋ぎにくく、連係にも課題があったのかもしれませんが、昨年の岩手で数試合見た時も細かい繫ぎはそこまで得意ではないのかなと思っていました。
 パワーがあって質の高いロングキックを蹴られる能力と、細かいパスワークを素早く正確に繋ぐ能力はまた別だと思います。

 それだけに左CB鈴木大輔に代わって佐々木を起用しても、左サイドで繋ぐ役割を果たせるかはわからないのでは……とも思っていました。
 ただ、そもそも開幕戦で岩手に敗れたジェフは、第2節琉球戦から左サイド寄りのパスワークをやめてしまいましたし、そうなればまた個々のタスクが変わるのも当然のこと。
 今後もロングボールが増えるスタイルで行くのであれば、岩手でも似通ったサッカーを経験してきた佐々木は馴染みがあると思いますし、今後の活躍はチームの動向次第となるのかもしれません。


 篠原は琉球戦では71分から、山形戦では74分から出場しました。
 桐蔭横浜大から加入した篠原は、大学では2列目や前線でプレーしていたそうで、複数のポジションを期待されているようです。
 しかし、少なくともこの2試合は、守備面で計算されての投入だったように見えました。

 琉球戦でのジェフは3トップ気味に左右シャドーが懸命に走ってプレスをかけるスタイルで戦っていましたが、全体的に疲労も感じられた1点リードの展開で出場。
 右シャドーの高木との交代でしたが、篠原はかなり引き気味で変則的な3ボランチにも見えました。
 山形戦でも投入当初は右インサイドに入りましたが、84分に足の釣ったチャンが風間と交代すると、風間が右インサイドに入って、篠原はアンカーの位置に移りました。


 確かに176cmというにしては小柄な印象も受けますが、がっしりとしていて重心の低いタイプなのかなと思います。
 献身的に守備をしていましたし、パスカットなどを見せる場面も。
 ただ、長時間見ていないので何とも言えませんが、純粋に守備がうまいというよりは、馬力があって球際でファイトできる、メンタル的に強いタイプなのかもしれません。

 現在のジェフにはそういったタイプの選手が少ないだけに、戦える選手が増えるのであればすごく良いことですね。
 ただ、ライターさんのつぶやきによると、加入した2月中旬の段階では、尹監督が「今すぐ使うことはない。もう少し時間が必要だと思っている」と話していたようで、それでも起用せざるを得なかったことが、現状の難しさを感じます。
 一方で、この状況でも山形戦終盤にしか出場できなかった風間は、守備面などにおいて信頼されていないということなのでしょうか。
 
 また、山形戦直前に2種登録となった、矢口も84分から試合に出場しています。
 こちらはさらに短時間だったため何とも言えませんが、年代別代表候補にも選出されている選手ということですし、温かく見守りたいところですね。
 まだまだ成長段階にある選手たちだと思いますし、こういった経験を積んだ上で、ここからどう成長していくかが大事なのではないでしょうか。