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ブワニカ啓太が右シャドーで11ヶ月ぶりのスタメン出場

 先日の金沢戦では、ブワニカが今季初出場を果たしました。
 ブワニカのスタメン出場は、2021年4月4日の京都戦以来。
 11ヶ月ぶりのスタメン出場ということになります。

 昨年修徳高からジェフに加入したブワニカは、プロ入り1年目の開幕戦甲府戦で後半から途中出場。
 その試合でゴールを決めるという、劇的なデビューを果たしました。
 その成果もあって、第2節愛媛戦ではスタメンにも選ばれています。


 しかし、昨年の最終出場は7月17日の金沢戦ということで公表はされていませんが、怪我などもあったのではないでしょうか。
 とはいえ、それまでの段階で徐々に出場機会は減っていましたし、ゴールも開幕戦の1得点のみ。
 尻つぼみになっていたことも事実だと思います。

 今季は新型コロナウィルスなどの影響もあって、前々節山形戦で久々にメンバー入りし74分から途中出場も果たします。
 山形戦では5‐3‐1‐1のトップ下に入って、攻守にアグレッシブなプレーを見せチームに貢献。
 そして、前節金沢戦では右シャドーで、スタメン出場を果たしています。


 金沢戦でのブワニカは、序盤から積極的に右サイドを縦に前進。
 チームとしても、相手の左サイド裏を突こうという意図があったのではないかと思います。
 毛利は攻撃的な選手ですし、4バックに対して1トップ2シャドーで仕掛けることによって、ギャップを突く意図もあったのではないでしょうか。

 特に金沢はマンマークですので、前線2枚より3枚の方が迷いが生じやすいと考えたのかもしれません。
 ブワニカもうまくその期待に応えて、右サイドからアグレッシブに仕掛けていきました。
 9分に見木が放ったシュートの軌道が変わり、ブワニカがヘディングで合わせたシーンも、うまく毛利の前を取ってシュートを狙っています。


 見木のゴールシーンでは、中央でブワニカが落とし、ソロモンがサイドを駆け上がってクロスを上げています。
 これが出来たのも、ブワニカがサイドを駆け上がるだけでなく、ポストプレーも出来るからこそだと思います。

 FWでもあるブワニカですが、縦への推進力だけでなく、キック力もあって長いボールも蹴ることが出来る選手なので、シャドーでも期待できると判断されているのかもしれません。

 ただ、細かなボール捌きなどにはまだ不安もある印象で、山形戦でもトラップミスからのボールロストが目立っていたように思います。
 試合勘の問題などもあるのかもしれませんが、金沢戦でも相手のプレッシャーからボールを失い、林とGK新井が1対1になる状況が生まれてしまっています。
 小技に関しては学ばなければいけないことも多い選手だと思いますが、その分縦へのスピードやパワーはあるので使い方次第という部分もあるでしょう。


 それだけに気になったのがこの日のメンバー構成で、シャドーのブワニカにはパワーとスピードがあって、ボランチのチャンにも守備力はあるものの、中盤を構成できる選手は少なかった。
 だからこそ、見木が少し下がってプレーすることも多かったのだろうとは思いますが、昨年後半からパスを繋ぐサッカーをしているだけに、全体のパスワークにおいては物足りなさもあったと思います。
 うまくカバーしあった部分もあったとはいえ、ある種の前後分断にもなりかねない選手構成だったのではないでしょうか。

 それでもパワーで押し切ったとも言えますし、相手の弱点と見た左サイドを積極的に狙ってゴールも生まれた。
 しかし、見方によっては、力技で押し切った試合だったのではないかと思います。
 それで勝ったのだからこの日は正解とも言えるでしょうが、今後どうチームの舵を取っていくのかに関しては、まだ読めないところもありますね。


 ブワニカに関しては、攻撃面ではらしさも十分に見せてくれたと思うのですが、守備面では苦労した印象です。
 試合後にも話しましたが、ブワニカは相手のキーマンでもある左ボランチ松本大弥も見つつ、左SB毛利などの守備もしなければいけなかった。
 守備のタスクが多かっただけに、サウダーニャではなくブワニカだったのかもしれません。

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 しかし、中と外の両面を見なければいけなかっただけに、どうしても守備で遅れがちだったし、ポジションも中途半端になりがちでしたね。
 細かなポジション修正だけでなく、単純に寄せなどが遅い場面も目立っていた印象です。

 さらにシャドーの守備としては課題に感じたのが、ずるずると後退してしまう守備対応。
 対面の選手が前を向いて持ち上がると、そのまま下がってしまい、結果的に全体のラインも押し下げられてしまった。
 特に相手が流れを掴んでいった20分以降においては、ブワニカのサイドから相手に持ち込まれてしまった印象です。


 ブワニカ自身は真面目な選手だと思いますし、山形戦で任されたアンカー潰しに対しても、献身的な守備で応えていました。
 ただ、そこはマンマークで応対すればよかっただけにシンプルに対処できていましたが、シャドーで賢い守備対応を求められると悩んでしまうところがあるのかなと思います。
 昨年の高橋がCBとしての動きが出来ておらずボランチの動きをCBでしていたように、FWの動きをシャドーでしているようにも見えました。

 ただ、ブワニカに関しては高卒2年目でまだまだこれからの選手だと思いますし、シャドーを経験しておくのもありなのでしょう。
 ソロモンは縦へのスピードはないですし、サウダーニャも前へ強いパワーを見せられるタイプではない。
 ブワニカにはブワニカの強みがあると思いますし、徐々に粗さも減らしながら、成長を遂げていってほしいですね。