連戦を終えたジェフは、今週末に横浜FCとの対戦を控えています。
横浜FCは7勝1分で、堂々の首位。
8試合を戦って、いまだ黒星なしとなっています。
私も開幕前のJ2順位予想で横浜FCの優勝を予想してはいましたが、ここまで見事なロケットスタートを決めるとは思っていませんでした。
ちなみに前評判の良かった長崎と大宮の苦戦はあり得るだろうなと思っていましたが、大分、山形あたりも苦労しているのは少々意外です。
大分はコロナの影響をもろに受けてしまった印象ですし、ここから盛り返すことが出来るのかにも注目です。
今年J1から降格した横浜FCは、四方田監督が就任。
千葉市出身の四方田監督はフランスW杯に日本代表スタッフとして同行し、そのまま岡田監督に誘われて札幌でコーチやU-18監督などとして長らく貢献。
2016年には監督として、J1昇格にも導いています。
2018年にペトロヴィッチ監督が札幌監督に就任すると、再びコーチに就任。
そこから4年間、監督を支えたことになります。
パトロヴィッチ監督はオシム監督の弟子でもあるため、四方田監督はオシム監督の孫弟子とも言えるのではないしょうか。
実際に今年の横浜FCのサッカーは、オシム監督やペトロヴィッチ監督にも近いものを感じます。
3‐4‐2‐1で攻守にアグレッシブに戦うサッカーで、遅攻時には後方からしっかり繋いでいく。
守備ではマンマーク主体の粘り強い守り方を実施しています。
特に攻撃時において、縦にパスを当てて相手を食い付かせ、落として他の選手が飛び出す仕掛けなどは、オシム監督風のものを感じます。
さらに、CBでも前が空いたら持ち上がる、サイドで詰まったら無理せず逆サイドに展開する動きなど、細かい部分でも影響を受けているのではないでしょうか。
厳密に言えばペトロヴィッチ監督風なのでしょうが、いずれにせよ興味深いサッカーだと思います。
一方で札幌でのJ1昇格時にも感じましたが、四方田監督は選手の個性を活かすのも得意なタイプ。
札幌時には都倉やジュニーニョなどの持ち味を生かすため、守備時は2トップが左右に開く5‐2‐3の変則的なシステムで前線の守備の負担を軽くして成功を遂げています。
今回も小川航基や伊藤翔など、近年はくすぶっていたように見えるFW陣が、結果を残しています。
個性を活かす面においては、岡田監督からの影響も大きいのではないでしょうか。
奇しくも岡田監督もオシム監督も、ジェフでの経験のある指導者。
ジェフとしてはこういった人材を引き入れたいところではないかと思うのですが、そううまくはいかないということですかね。
対する現在のジェフは連戦途中の新潟戦から多くの離脱者が復帰して、調子も上向いてきたように見えます。
ただ、新潟戦では終了間際のCKからのゴールで1‐0の辛勝、町田戦でも先制されて1‐1の引き分け。
立ち直りつつある段階とも言えるでしょうが、今年は成果を期待したいシーズンであることを考えると、若干の物足りなさも感じます。
既に遠い過去のようにも感じる大量離脱前までの状況を振り返ると、昨年終盤は連続無敗記録を更新し、今年は期待も高まっていました。
しかし、開幕前の練習試合では勝ち星を上げられず、ちばぎんカップでも敗れると、開幕戦ではJ2に昇格したばかりの岩手に敗北。
続く琉球戦ではハイプレス主体で相手のパスワークを封じたものの、軌道に乗れるかどうかはまだわからない流れだったと思います。
その後は離脱者が多数出たため臨時の相手対策など、落ち着かない戦いを余儀なくされていきます。
今はようやく開幕時の状態に、戻ってきたといったところでしょうか。
しかし、開幕戦も敗れていますし、その頃の課題がまだ残っている可能性もあるでしょう。
4月のジェフは、上位チームとの対戦が多くなります。
ジェフの上位進出のためには、直接のライバルチームから勝点を奪うことが当然重要となってくるはず。
調子が上がってきている現状で、横浜FCや東京V相手にどこまで通用するのかは素直に楽しみですね。
若干気になるのは、岩手、栃木と3バック相手の試合で苦戦していること。
ただ、岩手や栃木は特徴として守備的で長いボールも多いサッカーを展開しており、システムよりそのスタイルが苦手なのかもしれません。
横浜FCはボールもつなげるアグレッシブなチームですから、また状況が異なる可能性もあるのでしょう。
改めて、結果を残すシーズンとするのであれば、上位との試合が多い今月の結果が、シーズン序盤において重要となってくるのではないでしょうか。
鈴木GMも「前半戦で勝点を拾うことが大事」と話していましたし、本気で昇格を目指すのであればより勝利にこだわるサッカーをしていかなければいけないと思います。
ここまでは離脱者が多く苦労もあったとは思いますが、もう言い訳が出来ないと思いますし、心機一転頑張ってほしいところです。