ジェフ対横浜FC戦はソロモン、小川航基、伊藤翔、レオンソ、サウダーニャ、クレーベ、サウロ・ミネイロと、FWの多くが出場しました。
これも選手交代5人制のなせる業で、7人全員が長身FWでありながら、それぞれに違う特徴が見えてとても面白かったですね。
この中でもゴールを決めた小川に関しては、裏への動き出しがうまく、ゴールシーンでもチャンの背後を見事にとられてしまいました。
現在J2得点ランキングトップの小川はここまでの9試合で8ゴールも上げているわけで、チーム全体で7ゴールしかあげられていないジェフを1人で上回る成果を残していることになります。
ジェフ戦でのゴールも小川らしい滞空時間の長い、綺麗なフォームでのヘディングシュートだったと思います。
元ジェフのクレーベも相変わらず競り合いでの強さを見せており、クロスから競り勝ってシュートまで持ち込むシーンもありました。
ただ、やはり守備に関しては接戦の状況でもさぼっており、そこがスタメン起用しにくいところなのでしょう。
サウロ・ミネイロも跳躍力の高さを感じさせるプレーを見せていて、途中投入のクレーベとサウロ・ミネイロはセットプレーでの守備対策という側面もあったのかもしれません。
ソロモンに関しては、ゴール数を伸ばせていないということで、厳しい声も一部では上がっている印象です。
しかし、この日も攻守において、貢献度は高かったと思います。
特に前半押し込まれてしまった要因は?
四方田修平監督「まず櫻川(ソロモン)選手を起点にして、ハイボールだったりポストプレーで押し込まれることが続いてしまった。攻撃に関しても、相手の高い位置からのプレッシャーに対して効果的に前進できなかった」
これは試合後の私の感想と同じですね。
ソロモンが空中戦でも地上戦でもポストプレーでガブリエウに競り勝ったことで、そこを起点として相手を押し込むことができた。
また、横浜FCがプレスをかけてきても、ジェフはソロモンを目がけたロングボールで相手をかわして、逆に攻撃に持ち込むことができていました。
さらに、プレス面でも前線のソロモンから前へといけており、それによって横浜FCのリズムを作らせませなかったと思います。
もちろん、ゴール数に対してはここまで1ゴールと物足りなさも感じます。
ただ、そこはチーム全体としての大きな課題であり、昨年14ゴールでチーム内得点王だった見木もサウダーニャも1ゴールしかあげられていない。
CFだからといってゴールを期待する時代でもないと思いますし、チームとしてどう点を奪うのかが長らくの課題となっています。
例えば、横浜FCは右サイドから中盤を経由して、左サイドでクロスという展開が多かった。
左右に揺さぶることによって、相手DFもマークを捉えにくくなるし、クロスを上げやすい状況も作れる。
そこから武田や長谷川がクロスを上げて、小川が得意のヘディングでゴールを決めるという形を作れていたし、この展開ならクレーベなども活かしやすいでしょう。
対してジェフは、以前にも話した通り、サイドを取ってもグラウンダーのクロスが多い。
このことからも、ソロモンがゴールを決めるような形作りは練られていないのではないかと思います。
周りがお膳立てを十分にして、守備などが免除さているFWなのであれば、その選手が決めるべきだとも言えるかもしれません。
しかし、ソロモンの場合はむしろ守備やポストプレーで自身がお膳立てをしているし、自分の得意な形でのラストパスも出てこない。
むしろグラウンダーのクロスが多いことからも、見木や高木、風間やサウダーニャといった2列目の選手がゴールを奪う形を狙っているのではないでしょうか。
そのため、39分のような見木がグラウンダーのクロスを上げて、ニアでソロモンが潰れて、高木が狙う形が理想なのかもしれませんし、そうなれば決めるべきはソロモンよりも高木の方だったと思います。
もちろん、ソロモンのゴールをもっと見たい気持ちはあるし、ソロモンの得点力を期待されていないからこそ、ソロモンの得意な形でのラストパスが来ない部分があるのかもしれない。
ただ、ソロモンはゴール以外での自分のタスクをこなしているはずで、それによって横浜FC相手でも相手を押し込み、流れを掴むことができた。
であるなら、その後のチャンスメイクからゴールに関しては、他の選手がタスクを担うべきで、それが誰でどういった形なのか曖昧なのが今の課題ではないかと思います。
往々にして、ポストプレーヤーというものは潰れ役であり、汚れ仕事を担当することが多いわけで、得点を量産するといった感じではないと思います。
その汚れ仕事も十分に評価をしてあげないと、ソロモンも本当の意味で潰れてしまわないか、非常に心配なところがあります。
前節も前々節も相手選手を気遣うなど優しさを見せており、人が好過ぎるのではないかとすら思ってしまいますが、こういった献身的な選手がしっかりと伸びる環境を作れるのか、クラブ全体に問われている部分もあるのではないでしょうか。