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第4戦エミリア・ロマーニャGP レッドブルが6年ぶりの1‐2 角田裕毅も7位

 中東やオーストラリアでの開催が終わり、いよいよヨーロッパでもF1がスタート。
 ここから新レギュレーションにおける勢力図がより明確になってくるかと思ったのですが、エミリアロマーニャGPは予選を金曜日に行い、土曜日のスプリントで決勝グリッドを決めるスプリント形式での開催でした。
 これだとフリー走行の回数が減りますから、チームやドライバーはマシン調整において難しい状況になると思います。

 さらに開催地イモラは古いサーキットで、レイアウトも今では特殊と言えるでしょう。
 加えて、今年は雨交じりのウィークエンドとなりました。
 波乱も予想される心配な展開ではありましたが、結果的には面白い展開となったのではないでしょうか。


 対応能力の問われる難しいコンディションでしたが、角田裕毅は週末を通じて力強いパフォーマンスを見せてくれました。
 ウェットのFP1でも、チームメイトのガスリーの前に立つ9番手タイムをマーク。
 残念ながら予選では路面が乾いてタイムが伸びていく環境で、チームが油断したのか早々にアタックをやめて、Q1敗退の16位となってしまいました。

 ただ、そこでもガスリーに対して上回ると、土曜日のFP2でも8番手の好タイム。
 続くスプリントでもスタートで順位を上げて、12位と安定したレース運びを見せました。
 今年からスプリントも8位までポイントが付くようになり、それには及びませんでしたが、スタート順位を考えれば十分な結果でしょう。


 そして、決勝でもスタートで順位を上げて、ポイント圏内を走行。
 レースは当初ウェットコンディションで、角田とガスリーはペースを上げられない苦しい展開でした。
 しかし、路面が乾いていき、ドライタイヤに履き替えてからは、角田のタイムが上がっていきます。

 角田はF2でもタイヤをうまくキープし、終盤に順位を上げていく展開が得意でしたが、イモラでは見事にその得意パターンで巻き返していきます。
 マグヌッセン、ベッテルといったベテランをオーバーテイクして、一時は6位に浮上。
 最後はミスで後方に下がったルクレールに抜かれて7位となりましたが、角田自身にとっては完璧な週末だったのではないでしょうか。


 ガスリーは12位とポイント圏外に終わっており、角田はすべてのセッションでチームメイトを上回っていたことになり、ポイントランキングでもガスリーの上に立ったことになります。
 ここが得意なサーキットである可能性もありそうですが、今年はこれまでのレースでもガスリーよりタイムを出せていたことがありましたし偶然ではないと思います。
 また、昨年は苦戦していたスタートが今年は大きく改善していたことも、非常に重要なポイントでしょう。

 これが2年目の成長なのか、それとも新レギュレーションのマシンになってガスリーのマージンがなくなり、良い戦いが出来るようになったのか。
 いずれにしても、角田としては良い流れになりつつあるのではないでしょうか。
 ただ、前のオーストラリアではレースでガクッとペースを落としてしまいましたし、この流れを続けることが何よりも大事ですね。


 優勝はフェルスタッペン、2位にはペレスと、レッドブルが1-2体制での完勝となりました。
 レッドブルの1‐2は実に6年ぶりということですが、それだけ長期間メルセデスが強かったと言えるのでしょう。
 そのメルセデスはここでも苦戦し、その中でもラッセルが4位につけたのは立派ですが、元王者ハミルトンは13位と大きく低迷しています。

 フェラーリもここでは若干苦労しており、ミスやクラッシュなどもあってルクレールが6位、サインツはリタイアとなってしまいました。
 サインツのリタイアはアクシデントと言えるでしょうが、タイムからしても予想以上にレッドブルとの差が開きました。
 ここは高速サーキットということで、ホンダエンジンに分があったのでしょうか。


 しかし、サーキット特性でまた勢力図が変わるかもしれない。
 元F1ドライバーでもある中野信治によると、新レギュレーションのマシンはセッティングのスイートスポットが狭いと見ているようです。
 それによってハミルトンなども苦戦しており、サーキットの特徴によっても力関係が大きく変わるのかもしれません。

 第3戦オーストラリアGP後も、コラムで以下のような話をしていました。
www.as-web.jp

今年のマシンは限界域でコントロールできるスイートスポットが狭く、フェルスタッペンさえも、本来であれば限界を超えたところに存在するほんの少しのスペースを使用してマシンを走らせていたのが、今はそれがない状態です。限界を越えてしまうとストールしてしまい、全部がなくなって飛んでしまうのが2022年のF1マシンです。

 今後もレースごとに、いかに素早くスイートスポットを見つけられるかが大事となってくるのかもしれませんね。
 チームも含む総合力が、必要になってくるのかもしれません。

 フェルスタッペンも、オーストラリアでは無念のマシントラブルでリタイア。
 角田も第3戦ではレースペースが上がらず、ずるずると下がっていってしまいました。
 嫌な流れの中でもイモラでしたので不安もありましたが、見事に挽回したことになり今後が楽しみになってきました。

 この流れのまま、ヨーロッパラウンドでポイントを積み重ねて欲しいと思っていたのですが、次は初開催となるマイアミだったんですね…。
 通常であればヨーロッパで数レースを戦ってから、アメリカラウンドに移ることが多いのですが、会場はNFLやテニスのマイアミ・オープンが開催されるハードロック・スタジアムに隣接して設置されるため、他スポーツのシーズンを避けたようです。
 マイアミ後に再びスペインに戻るそうで関係者にとっては大変でしょうが、体調には気を付けて頑張ってほしいと思います。