第16節 ジェフ 0-1 秋田 一瞬の隙を狙う秋田の守備をこじ開けられず

 ゴールデンウィーク連戦後、初試合となったジェフ。
 相手のラフプレーなどもあったものの、負けは負け。
 ジェフの課題が出た試合だったと思います。

 ボールを持って攻め込む展開の長かったジェフですが、それは秋田の流れでもあったはず。
 相手に気持ちよく攻めさせておいて、激しい守備でボールを奪い、カウンターを狙う。
 常にジェフの隙を狙い続けていた印象でしたし、集中力で相手に敗れた試合だったようにも思います。


 実際、ジェフは失点シーン以外でも、足が止まって完全にフリーでクロスを上げさせてしまう展開が2,3度あった。
 逆に秋田はその一瞬の隙を狙い続けていたと思います。
 相手の隙さえ突ければいくら攻め込まれても、攻撃回数が少なくともゴールを奪えて勝てるのがサッカーですから、真面目にそれをやり続けたのが秋田だったと思います。

 一方のジェフは、この日もゴール前の質を上げられなかった。
 サイドの大外は取れるものの、そこからの攻撃にアイディアもなく、アタッキングサードでの質が低い。
 いつもの課題が出て負けた試合だったと思います。

■ロングボールの蹴り合いとなった序盤

 ホームのジェフはチャンがメンバー外で、新井一耀が復帰しそのまま中央CBに。
 控えから佐久間も外れ、ソロモンと西久保が入りました。

 前節横浜FCに勝利している秋田は、スタメンを継続。
 ベンチから茂、下坂が外れて、才藤と三上が入りました。
 才藤は前々節に脳震盪で交代し、今節から復帰となります。


 4分、セットプレーからジェフのチャンス。
 右サイドからのCK。
 高木が蹴ると米倉がフリーで合わせますが、GK田中がセーブ。

 秋田はいつも通り、長いボールが多い展開に。
 特に序盤は末吉を狙って、右SH中村へ蹴り込む攻撃が目立ちました。
 一方のジェフも秋田のプレスを避ける形で、ロングボールの多い立ち上がりになります。


 しかし、徐々にジェフがボールを持つ時間が伸びていきます。
 相手のコンパクトな4‐4‐2の外を狙ったサイドチェンジが、いつも以上に増えていきます。
 これは秋田対策では珍しくない展開ですね。

 29分、ジェフの熊谷が佐々木と接触し、高橋を投入。
 熊谷は脳震盪の疑いとなったそうです。
 秋田も中村が交代して、三上を起用。


 前半途中からボールを持つジェフですが、シュートまでは持ち込めず。
 36分、久々にシュートシーン。
 左サイド末吉のクロスは精度を欠きますが、米倉が落とし高橋がミドルを狙うも枠の外。

 前半終盤には秋田も押し返す時間が増え、43分に秋田の攻撃。
 左サイドの素早いスローインから、齋藤がフリーで受けてクロス。
 武が頭で合わせますが、枠の外。

 46分、ジェフの攻撃。
 レオンソのパスは通りませんが、再び奪い返してミドルシュート
 しかし、GKの正面で0‐0で折り返します。

■セットプレーの流れから秋田が先制し0‐1で敗戦

 後半開始と同時に福満を投入。
 48分、ジェフの右サイドからのパスワークで、走り込んでいった鈴木への見木の縦パスは通らず。
 相手のクリアを末吉が拾って、ミドルシュートを放つもGK田中の正面。

 50分にもジェフのチャンス。
 同じように右サイドのパスワークから、見木が顔を出して前方へ。
 福満が抜け出してシュートを放ちますが、ゴールの左。


 52分には秋田のチャンス。
 左サイド奥で才藤がボールを奪って、高瀬がフリーでクロス。
 ニアで二人が潰れて、稲葉がこぼれ球を狙いますが、GK新井が対応。

 57分、ジェフの攻撃。
 左サイドからのCK。
 高木が蹴ると、新井一耀が頭で合わせますが、枠の外。


 58分、秋田は斎藤、高瀬が下がって、吉田、小暮を投入。
 小暮が右SHに入り、三上が左SHに。
 後半立ち上りはジェフペースでしたが、徐々に勢いが落ちていき、相手を押し込めなくなっていきます。

 66分、ジェフ攻撃。
 レオンソのサイドチェンジから福満、高木と仕掛けてシュート。
 これは相手にあたって、こぼれを拾ったところから鈴木がクロスを上げ見木が頭で狙いますが、力なく終わります。


 70分、ジェフは佐々木を下げて西久保を投入し、西久保を右CB、鈴木が左に回りました。
 72分、秋田が先制。
 秋田のセットプレーの流れから、池田が高木からボールを奪って鋭いクロスを上げ、最後は吉田が合わせて0‐1。

 78分、ジェフはレオンソを下げ、サウダーニャを投入。
 87分、ジェフは高橋が負傷交代で風間を起用。
 小林のアンカーで、右インサイドに風間、左インサイドに見木、前線に高木とサウダーニャになりました。


 その直後のプレー。
 ジェフが中盤右で得たFK。
 高木が直接狙いますが、GK田中がセーブ。

 ジェフは終盤も攻撃を加速できず。
 0‐1のまま試合を終えます。

■徹底したスタイルの差が出た試合

 秋田はコンパクトな4‐4‐2で戦う、堅守速攻のチーム。
 ハードワークをして、ボールサイドに寄る守備をしていく。

 そのため、サイドチェンジを多用してその大外を狙う攻撃は、秋田対策としてJ2の中でも恒例となっている印象があります。
 特にジェフは3‐5‐1でシステムのミスマッチが起こるため、WBが空きやすい状況となる。
 実際、米倉や末吉がフリーで受けて、仕掛ける展開が多かったと思います。


 ただ、そこは秋田もわかった上でやっていること。
 逆サイドの選手に対しては遅れても構わないから、ボールサイドにプレスをかけて行く。
 そこで展開されたら、また走って追いかければいいという意識で、守備をしているのではないかと思います。

 とはいえ、決して割り切って大外を空けているわけではないはずですが、常にボールを追いかけることを第一に考えて、走り続けようという守備なのではないでしょうか。
 そのため、ジェフは展開した直後はフリーでボールを持てるし、そこから優位に攻め込むことはできる。
 けれども、ボールを持ってくると、どんどん秋田の選手は走ってくるため高い位置では自由にプレーできなかったし、ゴール前のCB二枚は高さがあるので単純な攻撃だけでは跳ね返されてしまう。


 わかりやすいのが、前半のうちに2度あった、稲葉が左サイド後方を走ってカバーした展開でしょう。
 秋田の左サイドにはスペースがあって、ジェフがそこを取りかけていたのに、走力で稲葉がカバーして攻撃の芽を摘まれてしまった。
 ボランチの稲葉があそこをカバーしていることからも、守備は後手を踏んでいるはずですが、それでも諦めずに走ることで対応してしまう。

 また、秋田の運動量が豊富なだけでなく、守備に来るスピードも速かった。
 それによってジェフは速い攻撃を問われることが多かったわけですが、基本的にジェフはのんびりとつなぐことが多いので、そこで苦労した面もあったと思います。
 そのため、特に前半序盤はロングボールの多い落ち着かない展開になってしまったと思いますし、失点時の高木への池田の寄せも速くそのスピード感に対応できていなかったようにも見えました。


 今回も攻撃面の課題で苦戦したジェフですが、あとは集中力の差だったと思います。
 冒頭で話したように、秋田は一瞬の隙を常に狙い続けていたのに対し、ジェフは足の止まってしまう場面もあった。
 そこはスタイルの違いもあるのかもしれませんが、攻撃にかかった時の貪欲さも違ったように感じました。

 ジェフは高木の起用もあって右サイドの攻撃が活性化し、そこに鈴木大輔なども加わって右サイドから何度かチャンスが作れました。
 そこが収穫だとは思うのですが、それでもゴール前まではうまく侵入しきれなかった。
 特に前半途中から後半序盤までに、ゴールが奪えなかったことが大きな課題だと思います。


 しかし、個人的には鈴木大輔の攻撃参加も効いていると思っていたのですが、途中から左CBに回してしまった。
 西久保は高さこそあれど、パス回しに関してはまだまだ拙く、今日も危なっかしいシーンが目立ちました。
 この辺りの徹底できないところが、尹監督の課題ではないかなと思います。

 サイドでのパスワークなどは本来やりたい形ではなく、コーチ主導で行われているから、確固たる形が構築しきれないのでしょうか。
 一方の秋田は、徹底して堅守速攻を貫いた。
 結局はそこの差が出た試合だったのではないかと思いますし、改めてジェフが攻守に何をしたいのかが問われる状況なのではないでしょうか。