高木俊幸「自分たちが抱えている課題は明確」

 高木俊幸、コメント力もある選手なんですね。
 しっかりと課題に向き合い、明瞭な答えを出せる選手というのは、ここ数年のジェフでは少なかったように思います。
 今後のカギを握る選手となるかもしれませんね。

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 秋田戦後、「自分たちが抱えている課題は明確」と話し、2つの課題があったと指摘しています。
 1つ目は「ああいう相手に対して隙を与えてはいけない」ということ。
 これは私が試合後に「秋田は常に一瞬の隙を狙っていた」という話に対する、逆説的な答えにもなりますね。

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 もう1つの課題は「点を取れないこと」ということで、得点力の部分ですね。
 その原因は、「精度なのか思い切りなのか」。
 そこに関してはさまざまな答えもあるですし、本来はチームのスタイルにも左右されるところでしょうから、一口に正解を出せるものではないのかもしれません。


 しかし、その後に「ゴールに向かう執念が必要ではないか」とコメントしています。
 「いつか入るだろうという雰囲気があった気がする」とも話しており、それこそが秋田なような堅守速攻のチームの狙い通りの雰囲気と言えるのかもしれません。
 相手に気持ちよくプレーさせて油断させておいて勢いを止め、自分たちが攻撃に移った時は一気呵成に攻め込んでくると。

 正直、ゴール前への勢いや気持ちの部分では、秋田の方がジェフを上回っていたと思います。
 例えば52分に右サイド後方でボールを奪われてクロスを上げられたシーンでは、ゴール前に3人、4人と秋田の選手が飛び込んできていました。
 秋田の危険なラフプレーに関しては大きな問題ですが、一方で選手にぶつかってでもゴールを奪いにいこう、勝ちにいこうという意欲は、今のジェフに大きく欠けている部分とも言えるのかもしれません。


 また、高木は自分たちがボール持っていたのにゴールが奪えなかったという趣旨の話をしているように思えますが、そこが逆に難しくなっているところでもあるのではないかと思います。
 ボールを持つことで、いわゆる遅攻になるわけですが、遅攻になれば当然相手にも守備を固める時間が出来る。
 ボールを持てば持つほど、ジェフは自分たち主導でアクションを起こして、相手を崩す必要が出てくる。

 これが速攻ならば相手の守備が整う前に攻め込むことが出来るわけですが、ジェフはむしろ速攻が苦手。
 秋田戦前にも取り上げましたが、Football LABのデータによると、ショートカウンターもロングカウンターも狙えていないという状況が、数値にも表れていることになります。

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 もともと尹監督就任直後には、あえてカウンターにいかないようなシーンも多く、攻め込めそうな段階でもボールを遅らせる動きを見せていました。
 それだけ慎重というか、攻守においてリスクを避けて後方に重いサッカーをしているだけに、どうしても攻撃面が薄くなってしまう傾向があるのではないでしょうか。


 昨年からポゼッション率も高まり、その遅攻が増えていることもあって、結果的に「ゴールに向かう執念」が足りなくなりがちな印象もあります。
 どうしても遅攻だとゆっくりとした攻撃になりますし、現状だとゴール前に飛び込んでいくスイッチも作れていないと思います。
 これが速攻だとそのスイッチも明白になりやすく、秋田も高い位置で他選手がボールを奪えたら、ゴール前に走り込んでいけという意識付けが出来ているのではないかと思います。

 攻撃のスイッチが明確なことによって、ゴールへ向かう意識が高まっていくところもあるのではないでしょうか。
 悔しいですが、秋田の吉田監督が試合後に発言したコメントが、多くを物語っているように思います。

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吉田謙監督「どうやったら秋田が勝てるのかという選手の理解度が本当に高かったと思います」

 スタイルや方向性という言葉は曖昧とも言えるし、「自分たちのサッカー」 というフレーズも一部で嫌われている印象がありますが、より具体的に言えば「どうやったら自分たちが勝てるのか」。
 それをチームで明確に構築して、選手たちが共通認識として把握できるかどうか。
 それがスタイルだとか方向性を持つことだと、言えるのかもしれません。

 そこが現在のジェフにおいて、不明瞭なところなのではないでしょうか。
 後方を人数で固めて守るだけでは勝てないわけですし、ボールをつなぐだけでは点が取れない。
 そこからどう勝つのかという術がはっきりしないなという話は、昨年から言い続けていたところだと思います。