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オシム監督が率いた2003年以来となる首位仙台との対決

 今週末のジェフは、仙台とホームフクアリで対決。
 仙台はちょうどジェフがJ2に降格した2010年に、入れ替わる形でJ1に昇格。
 そこから昨年までJ1を維持していましたので、ジェフとは2003年以来、実に19年ぶりの対決となります。

 2003年と言えば、奇しくもジェフにオシム監督が就任した年ということなります。
 ジェフ対仙台戦となると、そのオシム監督も絶賛した岩本のロングFKが有名です。
 Jリーグ公式サイトが選んだ1993年~2004年のフリーキックトップ10でも、4位にこのゴールが選出されています。

youtu.be

 ただ、試合に関しては、2‐1でジェフが勝利。
 当時のジェフは欧州路線とユース育成が成功し、オシム監督の就任で花開いたタイミング。
 J1に上がってきたばかりのチームなどは、簡単に薙ぎ払うことも珍しくないチームでした。

 実際、上記試合はアウェイゲームでしたが、先に行われていたホーム臨海では5‐1と大勝しています。
 臨海ではジェフからレンタル移籍していた佐藤寿人にゴールを奪われていますが、2‐1で勝利した試合では佐藤勇人が2ゴール。
 当時は復帰は絶望的となっていた寿人の方が人気も知名度も高かった中、兄である勇人が2ゴールの活躍を見せ、勇人への注目が集まる状況でした。


 しかし、そんな周囲の目を見透かしたかのように、オシム監督は試合後に「点をとったのは佐藤でも勇人でもなくジェフというチームがあげたものだ」とコメント。
 調子に乗らないように勇人に釘を刺したのか、一人の選手に期待しないようにとサポーターに注意したのか。
 もともと個々の選手に対する評価を口にしたがらないオシム監督でしたが、これでよりオシム監督の目指す方向性とサッカー観が明確になった場面でもあったと思います。

jefunited.co.jp

 あくまでもチームで戦い、チームとして結果を残す。
 例え誰かがゴールを決めようとも、それはチーム全員でプレーした結果であり、サポーターやマスコミも1人の選手だけを持ち上げるべきではないと。
 オシム監督はそういったメッセージを何度も発していましたし、それがチームにおける成功への道であるとも感じました。

 ついオシム監督の話になると長くなってしまいますが、そこにジェフが低迷を脱するヒントが隠されているかもしれない。
 近年のジェフは選手を買えるようになってしまったことで、チームが属人的になりがちだし、サポーターも困ると選手補強が足りないという話になりがちな気がします。
 しかし、選手の補強はキリがないですし、まずは現状でチームとしてベストな状況を作り出せているかどうかが重要ではないでしょうか。


 さて、今週末対戦する仙台は、昨年19位でJ2に降格。
 昨年途中までは手倉森監督が率いていましたが、11月末に原崎コーチが昇格すると、そのまま今年も続投となっています。
 結果は出ませんでしたが、昨年の段階で仙台らしいサッカーをしていたと思います。

 4‐4‐2のフラットなシステムから、コンパクトに戦うサッカーが基本。
 そこから縦へ素早く仕掛けていくスタイルで、ポストプレーを織り交ぜつつサイド攻撃を狙い、前が詰まればサイドチェンジを素早く展開する。
 スピードあるミドルパスで相手をかわす形を狙っている印象で、シンプルなサッカーですがスピード感のある流れはJ1仕様な印象を受けます。


 このまま昇格できれば、そのままJ1で戦えるメリットもあるのではないでしょうか。
 また、オフには一部主力選手が流出しましたが、元ジェフ若狭、内田裕斗、中島、名倉、名倉などJ2経験者を中心に実力ある選手を補強。
 オシム監督時代にジェフへ練習参加もしていた鹿島の遠藤康も補強し、攻撃のアクセントになっています。

 現在の仙台は12勝3分4敗の首位で、リーグ戦でここ5試合負けがなく、天皇杯Honda FC戦にも勝利しています。
 ただし、勝点1差で新潟と横浜FCが追っており、まだまだ安泰ではありません。
 失点が多いのが課題でコンパクトなサッカーを展開しているだけに、裏を取られると弱いところがあるようにも見えます。
 

 一方のジェフは、天皇杯金沢戦では敗れたものの、リーグ戦では長崎戦、水戸戦と連勝中。
 順位も10位にまで上がってきました。
 この状況で首位仙台相手にも、良いサッカーが出来るかどうかが見どころですね。

 やはり基本的には昨年後半同様に、プレスをかけて相手を押し込むところがスタート。
 この状況になれば自分たちの流れで戦えるわけで、まずは仙台が相手でも押し込めるか。
 夏に向けて湿度や気温が上がった状況でも、攻守に圧力をかけ続けられるかが注目ではないでしょうか。


 また、ジェフは怪我人が増えているのも気になるところで、金沢戦でも佐々木やソロモンが早い段階で交代しています。
 ただ、仙台も中山、石原は天皇杯で復帰しましたが、松下、蜂須賀、富田、カルドーゾなど主力候補が離脱中。
 どのクラブもそれぞれ悩みはあるのでしょう。

 長いシーズンですし、怪我人などが出ても不思議ではない。
 だからこそ、誰かに頼るのではなく、チームとして戦えるようにならなければいけないはずです。
 2連勝しても後が続かなければ意味がないですし、天皇杯での敗戦を払拭するためにも、この連勝が偶発的なものではないことを示すためにも、首位仙台が重要な一戦となるのかもしれません。