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今年もスタートダッシュに失敗したジェフ 後半初戦は相馬直樹監督率いる大宮

 先週の甲府戦でシーズン前半が終了。
 ジェフはここ5位試合は好調で3勝2分で終えたこともあり、8位で折り返すことになりました。

 ただ、それでもプレーオフ圏内に入れていないとも言えます。
 今年もはっきりと目標を明言しているわけではないジェフですが、尹監督就任3年目ということで結果が欲しい年ということになるでしょう。
 また、今年の新体制発表会で、鈴木GMは「毎年スタートダッシュが出来ていないので、最初の10戦が大事」と話していました。

jefunited.co.jp

 しかし、今年も開幕10戦の成績は、3勝3分4敗と負け越し。
 昨年もシーズン終盤は好成績を上げていたにもかかわらずプレーオフにも届かなかったジェフですが、今年も現在は好調で成績を上げていても8位にしかいません。
 それもスタートダッシュに失敗したことが、尾を引いているのでしょう。


 もちろん今年は新型コロナウィルスの影響や怪我人問題もあったとはいえ、開幕戦は内容も乏しくメンタル的にもふわっとしていた印象でした。
 J2に昇格したばかりの岩手に0‐1で完敗を喫してしまった試合で、昨年好調だったからこその油断も感じる情けない開幕戦となってしまったと思います。
 今は良い状況だからとチームを評価するのではなく、シーズンを通して考えていかなければいけない部分もあると思います。

 実際、J2降格後のジェフはシーズン終盤に帳尻合わせをする年が多いですが、翌年になるとまたいつものジェフに戻ってしまうことが多い。
 ジェフに必要なのは一時的な勢いではなく、安定した戦いをするためのベースだと思います。
 そこをシーズン終盤も、つぶさに見ていくべきではないでしょうか。



 さて、シーズン終盤の初戦は現在20位の大宮。
 大宮は成績不振もあって5月末に霜田監督が解任され、町田や鹿島などで指揮を執った相馬直樹監督が就任しました。
 シーズン途中に就任した原博美本部長は、監督交代時に以下のような話をしています。

hochi.news

このチームは少し良くなるとすぐ戻ってしまう。それを変えるため、新しい監督、アグレッシブで守備をしっかり構築できる監督を呼ばないといけないと判断した。霜田監督、コーチ、フロントスタッフ、全てが甘い。みんな変えるわけにはいかないので、まずは監督に代わってもらった。 

 はっきりと「甘い」と発言していますが、ジェフにもこういったダメなものはダメと言える人材が必要なのではないかなと思います。
 「少し良くなるとすぐ戻ってしまう」という話も、ジェフにも通ずるものがあるのではないでしょうか。


 相馬監督が就任した大宮は、町田時代を思い出すようなコンパクトな3ラインでの4‐4‐2を形成。
 ジェフが悩んだ2トップ脇に対しても、前線からFWがチェイスに行きビルドアップを遅らせながら、SHが迷わず前に出て対応し4‐3‐3のような見た目になる。
 そうすると中盤が少なくなりますが、FWからの守備で相手の動きを限定しつつ、全体がスライドして守るので、中盤3枚でも対応できるという意図でしょう。

 大事なのは、相手のボールがどこにある時にどう対処するのかを、チームとして明確に出来ているか。
 その点で相馬監督はさすがで、早くもチームの守備に関する意思統一が出来ているように思います。
 尹監督は守備的な指導者ではあるのでしょうが、後方に引いて個人に依存して守る傾向が強い印象もありますね。


 攻撃においても相馬監督らしさがすでに出ており、素早く裏を突いたり、前線に当ててセカンドボールを拾って前へ仕掛けたりといった動きが見られます。
 基本的に相手の裏のスペースに対して、前を向いた形で仕掛ける形を作ることを主眼にしている印象です。
 攻守に細部はまだまだなのかもしれませんが、明白な方向性を打ち出していることが、ここ3戦で既に明らかになったのではないでしょうか。

 ただ、コンパクトなスタイルなだけに、カウンターやサイド攻撃などスペースを狙われると弱く、そこをどれだけ耐えらえるのか。
 また、前線からの守備が求められるため、運動量が必要でスタミナ面でも不安はあるのではないでしょうか。
 監督交代からここまで、リーグ戦で1勝1分1敗ということで、これからどう転ぶかはまだわからない部分もあるのかもしれません。


 それでも守備では甘さの残るチームでしたし、攻守に明確な意図と基準が出来たことは、大宮にとって大きいのではないでしょうか。
 戦い方ははっきりするでしょうし、組織的にも曖昧な部分はなくなると思いますから、それで一度どこまでやれるかチャレンジすればいい。
 そこでダメなら踏ん切りもつきやすいでしょうし、次への反省も活かしやすいのかなと思います。

 一方のジェフはここ数戦好調とはいえ、どこかチームを詰め切れていない印象は残っていて、勢いで勝てている印象もあります。
 左右への展開などは得意ですし、パワーで押し切ればコンパクトな守備陣形も破壊しやすいのではないかと思いますが、安定して強くなるためには細部も大事になってくるはず。
 そのあたりを勝ちながら積み上げることが出来るかが、シーズン後半のポイントとなるのではないでしょうか。