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MFがラインに守備に変わるもボランチ裏を取られて決定機を作られる

 改めて、先週の横浜FCは0‐4で悔しい敗北となりました。
 ゴールを奪えなかったのはもちろん問題ですが、それだけでは4失点もしないわけで、守備の綻びも出た試合ということになるでしょう。

 立ち上がりこそ好守に積極的に前へ出て行って、チャンスもあったジェフ。
 しかし、25分前後からは前からのプレスが甘くなっていき、中途半端な守備状態になっていきました。
 2失点目が生まれる直前の27分には、こんなシーンが。

 右CBの亀川から岩武と繋いでいき、左CBガヴリエルがジェフの間を通す鋭い縦パス。
 これを長谷川が受けると余裕を持って前を向き、前方へスルーパス
 渡邉が抜け出して決定機となりますが、GK新井が飛び出して何とか失点を免れます。

 ガブリエウの縦パスが素晴らしかった場面ではありますが、その後の長谷川のスルーパスから渡邉が飛び出す形も含めて、横浜FCは見事にジェフの守備陣を崩したことになります。
 一方のジェフは、守備に隙が出来てしまった形とも言えるでしょう。
 長谷川に間を取られると、チャンが長谷川に対応しようとするも間に合わず、それを見た新井一耀が小川に付こうとしますが、その分背後の渡邉がフリーになってしまいました。


 試合後にも話しましたが、ここ数戦のジェフはプレスに行く時にMFラインが高い位置を取る印象がある。
 それに比較するとDFラインは低めなので、MFとDFの間にスペースが生まれてしまう。
 基本的に尹監督は保守的な傾向にあるので、DFの押し上げは控えめに設定されているのかもしれません。

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 飽きがちだった2トップ脇に対処するため、左右SHが前に出る。
 さらに、ボランチも相手ボランチを積極的に潰すことで、この日の序盤も流れを掴んでいっていた。
 そのため、27分のシーンでも熊谷と田口が和田やハイネルを意識して、前目にポジショニングしていた印象です。


 試合序盤は2トップも積極的にチェイスにいけていてパスの出所を抑えていたので、ダブルボランチが高い位置をとっても危険な縦パスは通されなかった。
 しかし、徐々に2トップのプレスが甘くなっていったことで、楔のパスを通されるシーンが増えていってしまいました。
 このシーンも、まさにその形で決定機を作られたことになります。

 尹監督になってからのジェフのボランチは、守備時につるべの動きをしていて、片方が前に出れば片方は引いて守る形をとっていました。
 しかし、ここ数試合はボランチが積極的に前に出ることが増え、結果的にMFがラインディフェンスになった。
 それによって圧力が高まった面もあるでしょうが、その分その裏を取られることも少しずつ増えてしまっているように思います。


 MFがラインで守れば理論上は凹凸がなくなるメリットもあり、全体をコンパクトに守ることも出来る。
 しかし、上記したようにDFラインの高さは保守的な印象があるため、バイタルエリアが空いてしまう不安もあるし、MFラインが上下しなければいけないわけで、MFへの負担も増える不安があると思います。
 さらに3ラインで守るということは、守備時に縦の深みがなくなるため、ラインの裏を取られる危険性が高くなるわけですから、前からしっかりプレスにいって、パスの出所を完全に抑えなければいけない。

 けれども、この日FWに選ばれたのは、より守備が期待できるソロモンではなくレオンソだったということで、そこで中途半端なチョイスをしてしまった印象がります。
 実際、前半途中からレオンソは歩く時間が増えていましたし、継続的な守備といった点ではソロモンの方が計算できたはず。
 やはり戦力が増えた結果、やることが分散されつつあるのでしょうか。


 こういった状況下で相手ボランチを見るためにも、4‐2‐3‐1で守るチームが多いと思います。
 4‐4‐2の3ラインで守るからには、しっかりと全体をオーガナイズして、やることをはっきりさせなければいけない。
 ボランチが相手ボランチを見るのであれば全体のラインを上げるべきだと思いますし、FWが相手ボランチを見ながら後方にボールを下げたところで、前に出ていくといった手法も取れるはずだと思います。

 いずれにしても、3ラインで戦うのであれば前線からしっかりプレスをかけて、全員で守備をすることがベースとなるのではないでしょうか。
 そこを追求できるかどうかが、この3ラインの守備組織において重要な要素と言えるのではないかと思います。