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ジェフ経営情報'22後編 『営業収益』減少も赤字からは脱出

 後編の話に入る前に、Jクラブ全体の経営状況を少し見ていくと、コロナ禍の影響で20年度は全体の経営が悪化していましたが、21年度は回復したとのことです。
 Jリーグの分析(PDF)によると、21年度全体の『営業収益』はコロナ前の19年度の93%まで戻り、『営業費用』も97%まで戻っているいるそうです。
 「入場料収入」は21年度も19年度に比べて53%にとどまっていますが、それだけ「スポンサー収入」が戻ってきたということになります。

 ただし、J2に関しては「スポンサー収入」が、前年に比べても全体で約7億円減少。
 クラブの昇降格などもあるので厳密な比較は難しいですが、これが偶然なのか少し気になるところですね。
 コロナ禍でスポンサーの投資先が一度見直され、リセットされて一挙に集中する可能性などもあるのでしょうか。


 昨日話した通り、ジェフも「スポンサー収入」の減少が大きく、『営業費用』全体も少なくなってしまいました。
 しかし、『営業費用』も減少したことで、赤字からは脱することが出来たことになります。



 「当期純利益」は最終的に約100万円と、ギリギリ赤字を免れたことになります。
 ただ、これだけ0に近い数字が出ていることを考えると、スポンサーなどが補填をして赤字から救ってくれたのかもしれません。

 19年度の「当期純利益」も約500万円と怪しいところですし、他クラブの経営データを見ても、大企業がついているクラブは「当期純利益」が0に近いことが多い状況です。
 ちなみに、ジェフの20年度は約1億7600万円の赤字でしたが、「入場料収入」の減少分が約1億9000万円とそれに近い額で、コロナ禍による入場者減がなければ、ぴったり補填が出来ていたのかもしれません。
 さすがにコロナ禍で追加補填は出来なかったということかもしれませんが、スポンサーがジェフの予算にうまく合わせてくれている可能性もあるのではないでしょうか。

 補填という形があっていたとすれば、今年も「スポンサー収入」が減少したとはいえ、それでも大きくスポンサーに助けられていることになります。
 そこに頼ってばかりではまずいですが、改めて感謝しなければいけないですね。
 そして、そのスポンサーの期待に、しっかりと答えられるクラブであってほしいと思います。


 最後に資産の部。



 貸借対照表がないので詳しくはわかりませんが、純資産が約4億円ということで、今すぐに債務超過に陥る可能性はないのかもしれません。
 ただ、それに比べて、負債が大きいのが少し気になるところですね。
 自己資産も増えているので問題はないと思いますが、理想で言えば純資産を増やしてより経営を安定させたいところとなるのでしょう。

 そのためにも、まずは「スポンサー収入」や「入場料収入」をコロナ以前まで戻したいところではないかと思います。
 上記した通り、J1全体ではすでに「スポンサー収入」が戻りつつあるようですが、J2全体は21年度もマイナスとなってしまった。
 J1も「入場料収入」はJ1も戻ってきていないわけですが、空席の目立つのスタジアムではスポンサーも集まらないでしょうし、「スポンサー収入」を戻すためにも、観客を呼び戻すことが大事なのではないかと思います。


 今年ジェフOBでもある野々村氏がJリーグチェアマンに就任すると、スタジアムでの声出し再開に力を入れているように見えます。
 しかし、Jリーグの将来を考えると、声出し再開よりも観客を呼び戻すことに対する政策の方が大事なのではないかと私は思います。
 声出し再開することで戻ってくるファンもいるかもしれませんが、今スタジアムから足を遠のけている人たちは、むしろコロナを警戒していることが多いはずですから、下手をすれば逆効果にもなりかねないかもしれません。

 そして、クラブ単位でも改めて魅力あるクラブを作って、スポンサーや観客を呼び戻す努力をすることが非常に重要ですね。
 一番怖いのはこのコロナをきっかけにクラブの応援をやめて、そのまま帰ってこないケースが増えること。
 Jリーグは安心・安全なスタジアムと地域密着でここまで成長してきたところがあると思いますし、今一度初心に帰ってファン・サポーターを1人ずつで地道に増やしていくという発想が必要なのかもしれません。