0‐1で敗れた長崎戦は、ジェフがハイプレスに行った裏を取られる形で、失点してしまいました。
8月中旬は引き籠ったサッカーを展開するも勝点3が奪えず。
前節仙台戦でハイプレスに再びチャンレンジし勝利を遂げ、「ここからだ」というところでそのハイプレスが綻びを見せたということで、今後の展開においても気になるポイントとなるのかもしれませんね。
時間は55分。
田邉の攻撃参加から相手のクリアミスを誘発し、レオンソがシュートを放つもゴールを外れて、ゴールキックになったところからでした。
長崎はGK富澤から細かく繋いでいく展開をチョイスし、最終ラインから左サイドへ繋いでいきました。
GK富澤からのパスを受けた白井が縦に繋ぐと、澤田が下がって受けてボールを落とし、カイオへ繋ぎます。
カイオが左サイドに流れてキープすると、後方の白井へと戻します。
ちなみに、カイオはサイドに流れてパスワークに絡むことが増えている印象です。
特別指定選手の白井はカイオや富澤など周りの支持も受けて、大きく逆サイドへ展開。
すると、高橋はフリーで前を向いて縦パスを放ち、右サイドに流れていたクレイソンへと繋ぎます。
クレイソンは秋山をかわすと、見木も遅れて守備に行きますが、後追いになっていたこともあって、うまく守備に入れず。
クリスティアーノも近くでサポートし、ジェフの守備が甘くなったところで前線へスルーパス。
都倉が田邉の背後で裏を取り、GK新井と一対一に。
冷静に都倉が流し込んで、ゴールというシーンでした。
画像の黄色いエリアで示したように、ジェフから見ると極端に多くの選手が右サイド前方に集まっています。
それによって、逆サイドや後方が薄くなり、そこへ展開されてやられたという場面でしょう。
カイオについていった小林、澤田についていった新井一耀だけでなく、鍬先もサポートにいっていたため田口も右サイド前方へポジションを移しています。
長崎は同エリアに集まってジェフを引き付ける意図があったのでしょうし、ジェフはマンマークで相手についていっていた。
そうなれば、当然ジェフ全体のポジションバランスは非常に悪い状況になる。
それでも相手に食い付ていこうというのであれば、密集した状況で潰しきらなければいけなかったわけで、そこが1つのミスと言えるのではないでしょうか。
また、尹監督体制でのハイプレスは、サイドチェンジを簡単に通してしまう印象もあります。
組織的なゾーンプレスというより個人主体のマンマークによるプレスになっている印象があるため、全体でコースを消す、逆サイドへの展開をケアするということが出来ないのかもしれません。
その課題が出てしまったシーンとも言えるのではないでしょうか。
それとともに、バランスを取りながらプレスに行くという守備が出来ておらず、プレスに行く時はどんどん行って、リトリートした時は完全に引き籠るということが多い。
そのため、今回のように後方に密集されて展開されると、相手の注文通りに引き付けられて、薄いスペースを狙われる傾向があるのかなと思います。
密集エリアで潰しきれる圧力と球際の強さを発揮できている時間帯はその課題も隠れますが、90分間それを続けるとなると厳しいのかもしれません。
結局のところ、そういった細かなプレスの整備が出来ていないため、スタイルも安定しないのではないでしょうか。
ハイプレスにいっても、今回のように裏を取られたり90分持たなかったり。
逆にリトリートするとずるずると下がって、攻撃に出ていけなくなったり。
うまく使い分ければいいという発想も出来るのかもしれませんが、厳しく見れば中途半端な印象も受ける。
それでもいずれかが発展してくれればよかったのですが、ふらふらした結果どちらも突き詰めきれていないのかなと感じなくもない状況なのかなと思います。