高橋壱晟が先日の熊本戦で、スタメン出場を果たしました。
怪我の長かった高橋のスタメンは今季2試合目で、9月14日(水)の岩手戦以来。
岩手戦ではボランチでしたが、今回はCBとしての出場でした。
熊本戦の51分には、秋山のグラウンダーでのクロスをニアで見木が受けます。
これをさらに中央へ繋ぐと、高橋が受けて左足でシュートを放つ惜しいシーンがありました。
ただ、これは珍しく大きく外してしまいます。
高橋の前方には相手DFが2人いた上に、GK佐藤もシュートを警戒したポジショニングをしていました。
そのため、高橋は相手選手に詰められることを警戒して、ダイレクトでのシュートを選択したのでしょう。
しかし、その分シュートの精度を欠いたのかなと思います。
岩手戦の35分にも見木からのパスを高橋が相手の間でうまく受けて、ミドルシュートを放つシーンがありました。
前半は開始早々にPKからのゴールが生まれて以降、ほとんど攻撃チャンスがなかったジェフですから、貴重な攻撃の場面だったことになります。
しかし、シュートはGK野澤が、正面でキャッチしています。
高橋壱晟はスタメン出場したそれぞれの試合で、ミドルシュートという持ち味は出していたことになります。
ゴールにはなりませんでしたが、ミドルシュートが貴重な狙いの1つとなっているチームですから重要な動きですね。
もともとミドルシュートの精度が高い選手でしたが、自信も増してミドルシュートにいくまでの動きも、より積極的になったのかなと思います。
ただ、その他の部分においては、課題もあったと思います。
特に熊本戦ではCBとしての出場だったわけですが、高橋利樹の動き出しに苦労していた印象です。
もっとも、高橋利樹は運動量が豊富で前へ飛び出すタイミングも良くスピードもある選手なため、他のCBも捉えきれず苦戦していた印象ですが。
前半終了間際には熊本CB菅田からのロングパスに反応した高橋利樹が、ジェフDFラインの裏を完全にとってシュートまで持ち込むピンチを迎えています。
このシーンでも高橋壱晟の裏を取られる形になってしまいましたし、CBとしてはスピードに不安があるように思います。
ただ、ここでは田邉と高橋壱晟の間を、取られたとも言える状況でした。
秋山が前に出たこともあって、相手の右シャドー杉山がフリーになりかけたため、高橋壱晟も前に出て対応しようとした。
その分、高橋利樹への反応が遅れてしまったことになります。
熊本側から見るとジェフのDFラインの隙間が空いた瞬間を狙って、菅田がパスを出し高橋利樹が裏に抜けたわけですから、見事な攻撃だったとも言えます。
ジェフからすると、高橋壱晟の裏への反応も遅かったですが、田邉がスライドして対応すべきだったようにも見えます。
田邉も裏への対応などは怪しいところがあるわけですが、ボールが出てからも全力でスプリントしていないように見えましたし、DFとしては危機察知能力の面で足りない部分があるのではないでしょうか。
また、あまり高橋壱晟とDFラインを組んでいないというのもあったのかもしれませんが、連携面や声出しの部分でも物足りないところがあった可能性があると思います。
また、高橋壱晟は54分にも田邉への緩いパスを出してしまい、ボールを失いピンチを迎えた場面があります。
以前にもこういったシーンがありましたし、ビルドアップ時のパスの質も課題ではないかと思います。
このあたりが田口、熊谷、小林などとのボランチ争いにおいて、一歩遅れを取っている部分ではないでしょうか。
ミドルシュートなどにはポテンシャルを感じる高橋壱晟も来年には25歳。
そろそろ可能性の選手から卒業して、実行力のある選手になっていかなければいけない立場だと思います。
状況からして来季ジェフに残るかどうかもわかりませんが、少ない残り試合で確実に貢献できる選手であることを見せて欲しいですね。