3人目に取り上げるのは新井一耀。
新井一耀は2022年に8ゴールを上げ、クラブ内得点王となりました。
シーズン当初はセットプレーからのゴールも多かったですが、ゴールを重ねて徐々に自信をつけていった印象でした。
最終節山口戦では自身でボールを奪って持ち込み、そのままゴールを決めるダイナミックなプレーも見せています。
ヘディングだけでなく、足元でのゴールが多かったことも特徴で、高さだけではない得点力を見せてくれました。
J2降格後のジェフクラブ内得点ランキング上位選手を振り返ると。
J2降格後、DFがジェフ内得点王になったのは初めて。
試合数は異なりますがDFで8ゴールは過去と見比べてもトップの成績ですし、年間トップ3に入ったのも竹内、山口智、金井に加え、2019年の増嶋しかいません。
増嶋は2ゴールで3位タイという成績になります。
今年の新井一耀は全体的なパフォーマンスも良く、守備面でも大きく貢献しました。
離脱者が多く若手CBの起用が増える中で、見事なカバーリングを見せて周囲の選手たちをサポート。
昨年からチャンが前に出ていって潰しにいけていたのも、新井一耀の存在が大きかったのかもしれません。
新井一耀は1年目は名古屋からレンタル移籍という形でしたが、翌年完全移籍となり2022年で4年目。
ジェフ一年目は素晴らしいプレーを見せてくれていましたが、2年目、3年目はミスも多く苦労していた印象でした。
怪我などの影響もあったのでしょうか。
特に過去2年間はドリブルでの対応が怪しく、相手に仕掛けられると細かなステップについていけないシーンが目立ちました。
しかし、今年は地上戦でも冷静に対処できるようになり、攻撃でもゴールも重ねて攻守に貢献したことになります。
出場試合数も2019年は29試合、2020年は22試合にとどまり、2021年は29試合でしたが、今年は39試合出場と新井一耀にとってプロ入り後最多出場で、前年からも大きく伸ばしたことになります。
ただ、今年もシーズン終盤のラスト数戦は、ドリブルでの対応に苦労していた部分を感じました。
フルシーズンを戦ったからこそ、疲れも出てしまったのでしょうか。
これが来季どう響くのかも、気になるところです。
新井一耀は調子がもう1つだと、ドリブル対応に苦労する傾向があるのかもしれません。
逆に好調時だとカバーリング面でも冴えて、細かなミスも少なくなる。
攻撃面での積極性も増すのかなとも思います。
足元の基礎技術も持ち合わせている選手ですので、来季パスサッカーを展開するにあたっても十分対応できるのではないでしょうか。
ただ、上記した通り不調時はドリブル対応に怪しいところがあるだけに、来季はどちらの新井一耀が現れるのか。
コンディション管理なども重要なのかもしれません。
ゴール数に関しては見事ではありますが、チームとしてはCBがクラブ内得点王なのは寂しいところもある。
他選手の得点力にも課題があったのかもしれませんが、チームとして流れの中で狙った形が作れなかったことが何よりも問題だったと思います
それを来季小林監督の下で、改善できるかどうか。
カタールW杯でも引かれた相手からどうゴールを奪うのかは、多くのチームにとって難題となっています。
2022年のジェフは引いて守る側が多かったですが、来季パスサッカーを展開するとなれば逆の立場になる可能性が高い。
その時にセットプレーなどの飛び道具は大事だと思いますので、メインの攻撃は別に築き上げつつも、新井一耀の得点力にも引き続き期待したいですね。