川崎所属の田邉秀斗が、来季もジェフへレンタル移籍継続となることが決まりました。
11月に行われた川崎のベトナム遠征にも参加していたので来季どうなるか不透明ではありましたが、あの時は単純に川崎の人数不足もあったのかもしれません。
今回のアジアツアー ベトナム遠征には、ジェフユナイテッド千葉へ育成型期限付き移籍中の #田邉秀斗 選手が、クラブ間合意の元で参加します。
— 川崎フロンターレ (@frontale_staff) 2022年11月16日
シュウト、久しぶりに会いましたが、約半年の間に凛々しくなりました!!
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2022年のジェフは3バックにしてはCBの層が薄かった印象があり、シーズンが始まると離脱者が続出したこともあってCB不足となっていました。
そこで7月下旬にレンタルで加入したのが、田邉だったことになります。
田邉は20歳ながらも加入直後から3バックの一角でスタメン出場し、以後もコンスタントに出場していきました。
ボールを奪っての積極的な攻め上がりが目立ち、前を向いた状況でのドリブル突破も効果的でした。
特にジェフはチームとして攻撃面に課題があっただけに、田邉の思い切り良い攻撃参加は魅力的でしたね。
また、ミドルパスで左右にボールを散らすプレーも見せ、パス出しのセンスに関しても可能性を感じました。
攻撃参加でもミドルパスでもアグレッシブに戦う姿勢は、さすが川崎からの選手といった印象が残り、いい意味でJ1からレンタル移籍しているプライドもあったのではないでしょうか。
さらに、その他のしぐさを見ても、単純に負けん気が強い性格でもあるのでしょう。
守備でも180cmながらも、空中戦での強さを発揮。
地上戦でも前に潰しに行くプレーや、スピードを活かしてのカバーリングなども見せていました。
攻守において、潜在能力の高いDFといったイメージです。
ただ、加入直後から裏に抜ける相手FWの動き出しに対応が遅れることが多く、直接そこから失点するシーンも何度かありました。
スピードがないわけではないのでしょうが、次への予測や危機察知能力に課題があり、前への意識が高いからこそ、裏へのリスクケアに対する意識に欠けているのかもしれません。
総じてセンスでDFをやっている印象ですが、守備面においてはもっとクレバーに動く必要性があると思います。
また、攻撃面においても、強気なプレーが多かったからこそ、決定的なミスが目立つようになっていきます。
相手チームも分析してきたのか、徐々にパスミスやドリブルを止められてピンチを迎えることが多くなっていきました。
そういったミスによる怖さを知ってしまったのか、シーズン終盤は積極的な攻め上がりなども鳴りを潜めていった印象です。
裏への対応に関してはCBとしては致命的ですし、本来はSBの選手なのかなと思わなくもありません。
しかし、SBとしてはドリブル突破はあるものの、クロスの精度はもう1つなのかもしれません。
また、左右への視野が広い印象もあるだけに、その持ち味を生かすためにはCBで自由にやらせた方が良いのかなというジレンマも感じます。
チャンもそうでしたが、田邉も後方でカバーする選手を置けるだけに、4バックよりも3バックの方が安心できるタイプだと思います。
来季は4バックに移行するのかもしれないですし、2CBに置くのは現状のままだと若干の不安もあるのではないでしょうか。
いずれにしても、システムを選ぶ選手だと使い勝手という意味で悩ましくなってしまいますね。
来年のジェフはより攻撃的なスタイルを目指すのでしょうから、エッセンスとして意外な攻め上がりを見せる田邉を取り込めれば面白いと思います。
しかし、積極的な攻め上がりで有名だった闘莉王なども、ベースとしては守備での圧倒的な強さや安定感があったはず。
そこがあったからこそ強引な攻撃参加が許されていた部分もあったわけですから、まずはより賢く丁寧に守備が出来るように成長していってほしいですね。