当ブログはプロモーションを含みます

2022シーズンを振り返る 西久保駿介編

 西久保は三菱養和ユースから、2022年にジェフへと加入。
 三菱養和ですから、斉藤和夫スカウトのコネクションだったのではないでしょうか。
 高卒ルーキーながら27試合に出場し、スタメン19試合を果たしました。

 西久保も怪我が続出したことにより、シーズン序盤から右WBとして活躍。
 そこから怪我人が復帰すると、福満が右WBに戻り一時ポジションを失います。
 しかし、6月中旬からは、コンスタントに試合に出場していました。


 もともと2022年の右WBは福満、米倉あたりしか候補がおらず、選手層が薄い印象でした。
 それもあって西久保が出場機会を伸ばしたと言えるでしょうが、初めから西久保に期待していたところもあったのでしょうか。
 結果的に層が薄いことで、西久保などが台頭できた部分もあったと思います。

 西久保は跳躍力のある選手で、178cmながら空中戦でほぼ負けない強さを発揮。
 サイドだけなら相手に高さがない場合も多いですが、セットプレーなどでも強さを見せていました。
 また、ロングスローも大きな武器になっており、跳躍力も含めて体幹が強いタイプなのかなと思います。


 当初はおろおろするプレーも多かったですが、徐々にプロでのプレーにも慣れていった印象です。
 守備でも粘り強い対応が出来るようになっていき、怪我人などが出た際にはCBなどでもプレー。
 何よりも堂々としたプレー振りが見られるのが良いですね。

 攻撃においては、味方が逆サイドや中央で繋いでいる状況で、ハーフレーンを走り込んでいく動きが印象的でした。
 そこから鋭いグラウンダーでのクロスを見せたり、高さを生かしてクロスに合わせていくプレーが得意なのかもしれません。
 パワーのあるミドルシュートを見せるなど、シュートにも自信があるのかなと思います。


 しかし、サイドでボールを持った状態では、課題も感じました。
 ドリブルからの突破がないので1対1になっても戻してしまうことが多かったし、ハイクロスの質に関しても物足りない部分がある。
 ハーフレーンからのグラウンダーのクロスをよく狙っていたのも、ワイドからのクロスに自信がないことの表れなのかもしれません。

 また、基礎技術はしっかりとしていると思いますが、ビルドアップが得意なタイプでもないでしょう。
 そういった攻撃面の課題と高さという武器があるため、CBで起用された試合もあったのかなと思います。
 ただ、CBはSBとは違って縦を切ればいいだけではなく、いろいろな局面に対する対応力が求められるわけで、CBとしてはまだまだ危なっかしい印象でした。


 SBは監督によって、要求されるタスクが大きく異なる印象です。
 尹監督はゲリアなどを愛用していたことからも、SBに高さや守備力を求めたのでしょう。
 西久保はその点で合致していたため、出場機会が伸びたのではないでしょうか。

 ただ、来季パスサッカーを目指すことが予想されますが、現在のトレンドではSBのビルドアップ能力は必須とも言える。
 松田も補強しましたし、来年の西久保は苦労する可能性も十分あるでしょう。
 あるいは、ドリブルなどにおいては今年6試合に出場し、来年U-18から昇格する矢口の方が期待できるのかなといった印象もあります。


 このあたりが松田獲得時にも話した、西久保は評価先行なところがあるのではないかという話に繋がります。

yukkuriikou.hatenablog.com

 理想で言えば攻守両面に活躍し、何でもできるSBがベストなのでしょう。

 オシム監督も日本代表時代に、4バックを実施するためには総合力の高い左右SBが必要だと話していました。
 走れて、守備も出来て、高さもあって、クロスも上げられるSBということで、駒野、加地ならそれが可能だと判断したのではないでしょうか。
 西久保がそのレベルの選手になるためには、攻撃面で成長できるかどうかにかかっているのかもしれません。

 それこそオシム監督も若手を持ち上げすぎるなと何度も話していましたし、じっくり見守るべきだと思います。
 同ポジションの松田を補強しましたが、西久保も右SBの確固たる軸として計算するにはさすがに早過ぎるわけで、ライバルが必要な時期だと思います。
 期待の存在であることには間違いないですが、さまざまな経験を積んで一歩一歩成長していってほしいですね。