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マンマーク主体のハイプレスが山形戦ではまった要因

 今年のジェフは、組織的なプレスからボールを奪ってハーフカウンターを狙う意識が強いイメージですね。
 先日の山形戦では、よりプレスからの展開が目立ったと思います。

 2トップからプレスにいって、ダブルボランチも相手ダブルボランチをマーク。
 左右SHも相手SBを見て、相手の1トップやトップ下が下がっていけば、CBが潰しにいく。
 ガッツリとしたマンマーク守備でした。


 19分に生まれたジェフの先制ゴールも、そのプレスから。

 ジェフが前からプレスをはめにいって、小野がGK後藤にバックパスを送ると、そこへ小森がプレスにいきます。
 GK後藤は小野につなぎ直しますが、そこで一気に末吉がチェイスへ。
 小野は苦しい体勢で前の加藤へと繋ぎますが、ここにもしっかりと松田が寄せて潰しにいきます。

 その後、加藤は南野へバックパスを送ると、南も苦しい状況で縦へ蹴らざるを得なくなります。
 これを鈴木が跳ね返すと、再び南が拾い横パスを出しますが、ここを小林がパスカット。
 そこから、呉屋が落とし、小森が持ち上がってゴールというシーンでした。


 ボール奪取から一連の攻撃も光ったシーンですが、それまでのプレスによって相手の攻撃を追い込めたところが、まずはポイントだったと思います。
 先週も話しましたが、ジェフのプレスはサイドに追い込み、末吉や松田のところでボールを奪うのが狙いとなっていると思います。

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 今回のシーンでも末吉は、GKから相手SBへのパスが緩いと見るや、一気に長い距離を詰めて圧力をかけています。
 少し後方から下がったところから追いかけることで小野にパスを出させておいて、相手がボールを受けた瞬間を狙っているのでしょう。
 今のところ、このプレスが非常に効いている印象ですね。


 山形戦でプレスがうまくいったのは、相手がパスサッカーのチームだったことも大きいのでしょう。
 アバウトにロングボールを蹴るということは少なかったし、中盤に人数を割いて後方は少人数で回すので、高い位置でプレスをかけやすい。
 今後もパスサッカーには強いチームとなっていくのでしょうか。

 また、山形のポゼッション時のシステムも、ジェフにとってはプレスをかけやすかったのではないかと思います。
 山形はボランチも上下関係を取ることが多いので、ジェフのボランチ2人がマンマークでついていっても、極端に前に引っ張られるようなことは少なかった。
 さらに、左右SBが偽SB気味になるため、強引に言えば2‐4‐4のようなシステムになる。


 これにそのままマンマークで対応すれば4‐4‐2になるわけですから、マンマークでも対応しやすかったということだと思います。
 今年のジェフは時間帯によって、守備時に5バックになる傾向も見られるわけですが、それも基本的には相手の攻撃にかける人数に合わせているのだと思います。
 ベースは4バックですが、相手が前方に多くの人数をかけてくると見ると、5バックになる。

 特にここまでは相手が4バックだったこともあって、左右いずれかの相手SBが上がってくると、前線と左右SHを合わせて5枚になる可能性がある。
 それに対して、ジェフは末吉が下がってDFラインに入ることで、ワイドのラインを埋めるという発想なのではないでしょうか。
 しかし、その分、中盤は少なくなるので、柏戦などではそこからピンチも作られていました。


 そこに関しても不安はありますが、少なくとも山形戦での相手SBは、積極的に高い位置を取るのではなく、中盤から後方でパス出しの役割を果たすタスクだった。
 SBの立ち位置が低いため、ジェフはどんどん前に出ていけて、プレスをかけやすい展開になったように思います。
 その分、スタミナが持たなかったり、カウンターでやられたりといった問題はありましたが、ハイプレスに行けた効果も十分に出ていた印象です。

 そうなってくると、問題は相手の立ち位置や出方によって、プレスのかけ方に苦労しないかどうかといったところ。
 特にDFラインに関しては待ち受ける意識も強い印象を感じるだけに、5バックの時間帯が増えた時に不安な要素もあるのかなと思います。
 相手のスタイルやジェフ対策によっても、プレスをかけにくい試合は出てくるでしょうし、どれだけチームに柔軟性を持たせられるのか注目ですね。