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パスを受ける動きでパスワークをリードする風間宏矢

 ゴールデンウイーク中のジェフは、1勝1分1敗ということになりました。
 試合内容も結果通り、可もなく不可もなくといったところでしょうか。
 1試合ずつ、ポイントを絞って振り返っていきたいと思います。

 まず、連戦初戦の大宮戦は1‐0で勝利。
 大宮も現在6連敗中で21位と低迷していますので、相手の出来も加味しなければいけないとは思いますが、光明も見えた試合だったかなと思います。
 試合後にも書いた通り、風間がパスワークをリードして、良い攻撃が作れた試合だったのではないでしょうか。

yukkuriikou.hatenablog.com

 今年のジェフは、2列目にアタッカータイプの選手が多い。
 椿、田中、末吉に加え、見木も高い位置でボールを持つと強引に仕掛けるタイプ。
 逆に2列のパサータイプが少ないため、風間が際立っているところがあると思います。

 その2列目のアタッカー陣に、ボランチから良いパスが出せればいいのかもしれませんが、やはりそこには距離もある。
 ボランチはビルドアップの面で貢献しているところも大きいわけで、ボランチからアタッカー陣にもうワンクッション欲しいところではないかと思います。
 今のジェフの攻撃は、そこが課題と言っても過言ではないのかもしれません。


 風間は大宮戦までの2試合、スタメン出場がない状況でした。
 しかし、田口が負傷したことで、大宮戦では攻撃時に見木が左インサイド、風間が右インサイドになった。
 風間がインサイドに入ったことで、右サイドの攻撃がスムーズになった印象でした。

 例えば31分。

 アンジェロッティへの楔のパスを、小林がボール奪取。
 この守備がまず見事でしたが、そこから風間が白円で示した相手の間で受けます。

 そこから、少し持ち上がってスルーパスを出すと、田中が駆け上がってボールを受けます。
 ここだけでも風間の持ち味が出ていたと思いますが、そこからさらに風間はインナーラップを仕掛けて、裏へと走り抜けます。
 田中がそこへパスを出し風間が受けてクロスを上げると、見木、椿とシュートを狙う惜しいシーンが生まれました。


 風間の特徴はテクニックなどだけでなく、常に相手の嫌な位置を狙ってボールを受ける動きをしていることでしょう。
 それによってスムーズにボールが流れるようになり、パスワークを循環させていることになる。
 猪突猛進系が多いジェフの中、クレバーな動きが出来るパサーといった印象で、パスサッカーを狙うのであればもう何人かこういった選手が欲しいところです。

 特に今季のジェフは中盤で奪ってすぐに縦パスを狙う傾向があるだけに、素早くパスを受ける動きをするのが重要になっていると思います。
 このシーンでも小林が奪った時には風間が中盤でフリーな状況になっていて、そこで受けることで攻撃の起点になっています。
 ゆっくりパスを繋いでいる状況で間を狙う選手はいますが、それでは遅く相手に潰されることも多いですし、早い攻撃を狙っているとはいえ、縦の動きばかりでは相手を打開できない。


 ポジショナルプレーの原則はポジションで優位に立つことですから、風間はジェフでは数少ないポジショナルプレーを理解している選手ということになるのかもしれません。
 連戦最終戦となった磐田戦でも序盤からスッとサイドに流れでボールを受ける動きなどをしていましたし、こういった動きによって周りをお膳立てできる選手と言えるのではないでしょうか。
 磐田もそれを解ってか、試合途中からはかなり風間を警戒した守備をしていた印象もありました。

 しかし、連戦中日の山口戦では、スタメンから外れています。
 小林監督はスタメン変更に関して、「コンディションの問題が大きかった」と説明しています。

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 風間は磐田戦でも歩行動作がぎこちないようにも見えましたし、どこか怪我を抱えているところがあるのかもしれません。
 他に同タイプがいないところがジェフの難点で、高木や福満あたりが候補になりうるかなと思うのですが、控えにもいないということで離脱中なのかもしれません。


 一方で山口戦後の監督のコメントから察するに、相手サイドバックの背後を狙っていたところも事実なようで、サイドアタック中心に戦おうとしていた部分もあったのかもしれません。
 磐田戦でのシステム変更なども含めて、小林監督は相手対策を大事にしているところがあるようにも思います。
 当然、相手分析と対策も重要ではあるでしょう。

 ただ、あまりにも対策ばかり考えて、自分たちの強みを失ってしまっては元も子もない。
 実際、今のジェフはサイドアタックを仕掛けても、強力なヘディンガーは少ないわけですし、シンプルなサイドアタックやサイドでのドリブル突破だけでは得点は難しい印象があります。
 そういった中、攻撃に深みを作ってくれているのが風間ということになっていると思うのですが、そういった動きを他の選手も習得できるかが今後の課題ということになるのかもしれません。