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スタメン復帰し今季6ゴール目を上げた小森飛絢のオフザボールの動き

 先週の連戦最終戦となった栃木戦では、スタメン復帰した小森がゴールを決めています。
 開幕戦から3試合連続ゴールを決めた小森は、その後の試合でも活躍。
 しかし、第8節徳島戦でゴールを決めた直後に負傷し、戦線を離脱していました。

 先週の連戦初戦甲府戦で、途中出場からようやく実戦復帰。
 翌戦清水戦でも途中出場から出場し、ついに栃木戦でスタメン復帰を果たしたという流れになります。
 途中出場の2試合は試合勘の不安なども感じましたが、パスワークへの細かな絡みや守備面での対応などはさすがといったものを感じました。


 スタメン復帰を果たした栃木戦では、試合序盤からさらに持ち味を見せていきました。
 前線の位置から縦横無尽に動き回り、ボールを引き出し活性化。
 守備に関しても2度追い、3度追いなどを止めることなく実施し、攻守に貢献していきます。

 そして、16分には風間のアーリークロスから、胸トラップで相手をかわしてシュート。
 トラップでかわせるのもトラップが上手いのに加えて、一瞬の動きに速さ、鋭さがあるからでしょうし、単純な足の速さだけではないことがわかります。
 19分にも西久保のロングパスに反応して、相手の裏を取って決定機を迎えるなど、裏抜けのセンスも非常に高いですね。


77分のゴールシーンでも、米倉のクロスも良かったですが、その前に小森がGK新井からのキックに粘って対応したことで、相手の裏を取れたことになる。
 さらに、クロスに入るシーンでも、しっかりと相手の前を取ってヘディングシュートを放っている。
 こういった、オフザボールの動きの質が非常に高いですね。

 これだけ質の高い動き出しを見せて、攻守に貢献できるFWというと、元日本代表FW柳沢敦を思い出します。
 柳沢敦は決定力は課題でしたが、その分繋ぎはうまく周りを生かすプレーもできる選手でした。
 なんとどちらも富山第一高校出身なんですね。

 細かなところですが、栃木戦で印象的だったのが、後半途中からジェフが前線へロングボールを送ると、必ずといっていいほど小森がフリーでボールを受けていたこと。
 それだけ小森は相手よりも素早くボールを受ける動きをして、フリーなところを見つけてボールを引き出していることになる。
 ゴールシーンも同様に、素早く相手よりも前に良い位置に入っていることになりますし、それを常に狙うことができるセンスがあるのでしょう。


 今年はパス意識の高いサッカーをしているジェフですが、それによって選手には細かなテクニックや判断スピードが求められている。
 少しでも時間をかけて考えればそこでパスワークのひずみが生まれるし、繫ぎのパスでも少しずれればそこからリズムが悪くなってしまう。
 これは予想で来ていたことだし、だからこそ、極端なスタイルを取っていた風間八宏監督などは、止める・蹴るを何よりも重視したのでしょう。

 しかし、現在のジェフを見ていると、止める・蹴るだけではなく、ボールを受ける動きの質が選手に強く問われているイメージです。
 後方で引き付けて展開するパスワークをしているからこそ、展開先でうまく動き出してくれることが極めて重要になる。
 その点でタイプは違うものの可能性を感じるのが、風間と小森なのでしょう。


 ただ、風間も小森も前線で強さがあるタイプではないだけに、本来はCFタイプと組ませたいところ。
 2人とも高さもあるわけではないですし、ブワニカや呉屋にはもう少し活躍してほしいところもありますね。
 ブワニカが泥臭くプレーしてくれているからこそ、小森などが光るという部分もあるとは思いますが。

 後方で回して風間が受けてという展開は出来ていたけれど、そこからアタッキングサードの攻撃はもう1つでした。
 そこに小森が入って、前線を活性化してくれる動きをすることで、ラストピースが埋まることになるでしょうか。
 栃木戦では長いボールからの裏抜けが多かったですが、より確実な展開から小森が抜け出せるようなシーンもみたいところですし、連携面も深めてチームの攻撃面を磨いていってほしいと思います。