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第32節 ジェフ 4-1 山口 小森飛絢のハットトリックでPO圏内に浮上

 シーズン終盤のこの時期は、ジェフのように一気に調子を上げて巻き返していくチームもありますが、逆にガタっと崩れるチームもあるように思います。
 シーズンを通しての疲れも大きいのか、相手の対策などによる苦悩もあるのか。
 現在の山口はPO圏内にいたとはいえ、これで4連敗、2試合連続の4失点と、だいぶ状態はよろしくないように見えました。


 試合前にも話しましたが、ここ数戦の山口は複数失点が続いていて、やはり守備に不安がある印象です。
 前へプレスにはいくのですが、それが90分続かずに、引いて守る時間が増えてしまう。
 そして、引いて守る状態になると後方で構えるだけとなってしまい、前へ守備にいけない。

 そこから中盤でフリーな選手が出来てしまい、そこでパスを出されて失点が増えてしまう。
 後方で引いて構えるといっても、決して大柄な選手が多いわけでもないですし、1対1での粘り強い守備なども出来てきていない印象です。
 もともとは守備重視のチームだっただけに、あれだけ守備に隙があるとかなり厳しいだろうと思います。

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 ジェフも正直前半の流れはあまり良くなく、特に序盤と飲水タイム直後の相手のプレスにはかなり苦労していた印象です。
 相手にチャンスも作られていましたが、小森が一瞬の粋を突いてゴールを奪うと、後半からは山口の運動量も落ちて、優位に立っていきました。
 こうなると、スピードある前線の選手たちや、品田や小川などのパス出し能力が目立っていきますね。

 1失点は余計でしたが、秋田戦、京都戦と天皇杯を含めれば連敗ということで、悪い流れを払拭できてよかったと思います。
 終わってみれば大勝とはなりましたが、決して完璧な試合ではなかったと思いますし、気を引き締めて次に進みたいですね。

■劣勢の時間帯も小森が先制点をあげ1点リード

 ジェフは前節負傷交代した風間がメンバー外で、横山がスタメン。
 右SHには杉山が入って、岡庭がベンチスタートに。
 控えには椿が復帰しました。

 3連敗中の山口は新保がスタメンに復帰し、平瀬がCBに戻って前が右SBに。
 ボランチ佐藤謙介が外れて田邉が戻り、左SH田中稔也も外れて野寄が復帰し、前線に河野、右SHに山本。
 試合直前のアクシデントでGK関が外れて、GK田口が急遽スタメンになりました。 


 3分、山口の攻撃。
 杉山がボールを失ったところから、カウンターで野寄が中央へ。 
 山本が受けてシュートで狙いますが、枠の外。

 8分にも山口の決定機。
 高橋がセカンドボールをコントロールしきれず、若月にボールが入ると佐々木に競り勝って前へ。
 長い距離を持ち上がってシュートに行きますが、ゴール左隅を逸れます。


 立ち上がりは山口がプレスから仕掛けていきますが、徐々にジェフが押し込み19分にはジェフの攻撃。
 小森が下がって受けて、右サイドへパス。
 杉山が受けて左足でミドルシュートを放ちますが、GK田口がキャッチ。

 23分にもジェフのチャンス。
 中盤後方から、品田の浮き球のスルーパス。
 小森が抜け出してダイレクトでシュートにいきますが、ゴールの左。


 飲水タイム後は山口が息を吹き返し、31分には山口のチャンス。
 左サイドからのCK。
 新保が蹴るとニアでフリーになった河野が合わせ、ゴール前で若月が触りますが枠の外。

 39分にも山口のチャンス。
 浮き球のパスを河野がうまく落とすと、野寄が抜け出してシュート。
 ここはGK鈴木がセーブ。


 しかし、42分、ジェフが先制。
 高橋からのクロスは合いませんでしたが、エドゥアルドが拾って粘りミドルシュート。
 GK田口がこぼしたところを、小森が詰めて1-0。

 チャンスはジェフの方が少ない前半でしたが、小森の一発でゴール。
 1点リードで前半を終えます。

■後半からは山口の運動量が上がらず4-1で勝利

 山口はHTで野寄を下げて酒井宣福を投入し、酒井が前線、河野が左SHに。
 しかし、山口は勢いを上げきれず、運動量が落ちていき、ジェフが優勢に。

 後半開始早々、ジェフの攻撃。
 杉山が左足でアーリークロス。
 ファーの田中が受けますが、シュートをし切れずGK田口がキャッチ。

 50分、ジェフが追加点。
 小川が田中とのワンツーで、左サイドのポケットを取ってラストパス。
 横山が合わせて2-0。


 55分、山口は負傷した河野と田邉が下がり、小林とサーラットを投入。
 63分には山口の決定機。
 新保からの縦パスを受けた小林がジェフのボランチ後方を取って、そのまま前進しフリーでシュートを放ちますがポスト直撃。

 64分、山口は若月を下げて、奥山を投入。
 74分、ジェフは負傷したエドゥアルドと杉山を下げて、田口と椿を投入し右サイドに田中が回ります。
 74分、山口は山本を下げて、末永を投入。


 78分、ジェフは横山を下げてドゥドゥを投入し前線へ。
 81分、山口の攻撃。
 左サイドの新保からアーリークロスを上げると、こぼれたところを前が狙いますが、GK鈴木がセーブ。

 85分、山口が1点を返します。
 奥山が右サイドからクロスを上げると、こぼれ球を相手に拾われて相田がミドルシュート。
 こぼれ球を酒井が詰めて2-1に。


 90分、ジェフは田中、小川を下げて、岡庭、山越を投入。
 この直後、ジェフが追加点。
 椿のパスを受けたドゥドゥが左サイドを抜けてラストパスを送ると、小森が合わせて3-1に。

 その直後にもジェフが追加点。
 田口のパスを受けた岡庭が、新保の前を取って倒れてPK。
 岡庭とPKの取り合いを制した小森がゴールを決めて、4-1で勝利となりました。

■新加入選手の連携向上もプレス対応などには課題

 結果的にジェフの大勝となりましたが、立ち上がりは山口ペースだったと思います。
 序盤の山口は2トップから積極的にプレスをかけて、前へボールを奪いに来ていました。
 ジェフのアンカーにもボランチが前に出て対応し、横山にはCBが対応しジェフの攻撃を封じていきました。

 そこからのカウンターでチャンスも作っていきましたが、20分前後から山口が失速。
 それでも30分の飲水タイムを挟むと、再び山口がプレスをかけていきペースを握っていきます。
 しかし、小森が一発でゴールを決めて、前半を折り返しました。


 それでもまだ1点差でしたし、立ち上がりと飲水タイム直後にプレスをかけてきた山口ですから、後半頭からもガツンとプレスに来るだろうと予想していました。
 けれども、山口はそこでもう一度、エンジンをかけきれなかった。
 むしろ1点リードも受けて後半初めからジェフが勢いを見せて、後半序盤に2点目を奪ったところである程度試合は見えてしまったかなと思います。

 ここ数戦の山口はコンディションももう1つな印象で、シンプルにスタミナが足りず後半からもう一度プレスをかけにいくということは難しかったのかもしれません。
 後半からは守備でのスペースも増えてしまいましたし、ラインを押し上げる元気もなかった。
 まだ順位的にはプレーオフも狙う立場ですし、気持ちは切れていないと思うのですが、体がついてきていない印象も受けました。

 それでも1点を奪い返したのはさすがですし、ジェフからすれば守備の甘さも感じたシーンでした。
 秋田戦に続いてサイドからの失点で、大事な試合が続く状況だからこそ、CBの守備力にも不安を感じますね。
 それでもまた空気を読まずに小森がゴールを決めたところが、勝敗を決めたのかなと思います。


 流れではなく、試合内容で言えば、やはりジェフはプレスをかけられると脆さが出てしまう。
 相手のプレスを交わすパスワークが作れていないし、前を向けない窮屈な状態になると、フィジカル勝負などでは劣勢なので苦戦してしまう。
 ただ、プレスが弱まって、品田などが前を向ける状況になると、前線のスピードも活かせて、持ち味を出せる展開になりますね。

 山口は一度引いてしまうと、前に出ていくだけでなく、左右へのスライドも少ないチーム。
 そのため、品田など中盤後方の選手が空くだけでなく、ポケットも空いてしまい田中や岡庭がそこを取ってゴールに結びつけられたのだと思います。
 ちょっとクラシックな守備にも見えますし、後方で跳ね返すタイプのCBでもなかっただけに、全体的に厳しいものを感じましたね。


 今後のジェフの状況を考えると、相手がプレスに来た時にどう対応するかが課題でしょうか。
 昨年終盤も東京Vのプレスに苦しみ、最後はその東京Vに敗れて昇格を逃していますし、今年もプレスへの対応は大きな課題となるのではないでしょうか。
 現実的にどれだけ安定したプレスをかけられるチームとの試合が残っているのかはわかりませんが、山口戦も相手に先制されていたら状況はわからなかったかもしれません。

 一方で小森を中心に選手たちが勢いに乗っているのであれば、それは非常にいいことだとも思います。
 品田や小川の周囲との連携も深まっているように見えますし、気温も落ち着いてコンディションも安定してきたのではないでしょうか。
 ただ、調子が上がってきているからこそ勘違いせずに、無駄な失点をなくすとか、細かなミスを減らす打とか、プレス対応など、細部にこだわっていく必要性もあるのではないかなと思います。