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第35節 ジェフ 5-2 札幌 クロス対応に課題のある札幌相手に5ゴールと大量得点

 ジェフ対札幌は、5-2でジェフの勝利となりました。
 前節は秋田相手に0-0の引き分けで、嫌な流れも感じつつあっただけに、ここでの大勝は大きいですね。
 複数得点は9月末の熊本戦以来となりますが、3点以上となると6月に3-3で終わった徳島戦以来ということになります。

 試合の内容としては、J2のシーズン終盤にありがちな中位でモチベーションの落ちたチームと、昇格を掛けた上位チームの試合ということになったのかなと思います。
 ジェフとしてはこれまでと大きくプレー内容が変わったわけではないとも思うのですが、札幌の方が気持ちの面で難しい試合だったのではないでしょうか。
 札幌はスタメンの数名が不在だったり、現役引退を表明している深井が途中投入したりと、今季の"店仕舞い"が始まっているのかもしれません。


 また、試合前にも話しましたが、今季の札幌は守備に課題がある。
 ゴール前に人数がいても、相手選手をフリーにしてしまう傾向があって、失点が非常に多い。

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守備面ではゴール前で人数がいても、ぽっかりと相手選手を開けてしまう傾向があって失点が多い状況でした。
総失点数56は最下位愛媛に次ぐ2番目に多い数字となっていますが、もともと札幌は守備よりも攻撃というスタンスで戦ってきたチームなだけに、失点癖というのはなかなか治らないのかもしれません。

 今回の試合でもその課題が諸に出て、失点シーンを含めて幾度となく、ゴール前でジェフの選手をフリーにしていました。
 やはりジェフとしては、比較的戦いやすい相手となったように思います。

 ジェフは相手にスペースがあれば、前に勢いを出しやすい傾向がありますし、ホームフクアリの追い風もあって、大量得点をあげることが出来ました。
 前半の流れはそこまで良くなかったと思いますが、後半序盤に一気に2点を奪えたところが決め手となった試合ではないでしょうか。
 札幌は失点するたびに動きが落ちていた印象もありましたし、試合終盤には気持ちも切れていたのではないかと思います。


 最後の失点は余計ではありましたが、得失点差の面でも大きいですね。
 裏の試合で2位長崎が磐田に敗れたことで、3位ジェフと2位長崎の勝点差も1となりました。
 動画でも話しましたが、やはりジェフは札幌戦も含めて比較的残り試合で有利だと思いますし、逆転での自動昇格となるのでしょうか。

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■ジェフがビルドアップに苦しみ1-1で折り返し

 ジェフはイサカ、田口が出場停止。
 杉山、品田がスタメンに入りました。
 控えには、岩井と小林が入りました。

 札幌は元ジェフGK高木が控えで、宮、宮沢、バカヨコが不在に。
 菅野、浦上、木戸、荒野がスタメンに。
 攻撃時は流動的でしたが、攻撃時は荒野と長谷川の2トップ、パクが左SBに入る4-4-2にしてきました。


 キックオフ直後は札幌が攻め込んでいきますが、6分にジェフが先制。
 石川からのパスを受けた、杉山がフリーで右足のクロス。
 札幌は人はいたのですが、カルリーニョスがフリーでヘディングシュートを放ちゴール。

 11分にもジェフのチャンス。
 右サイドから高橋がフリーでクロス。
 カルリーニョスがファーでフリーになって合わせますが、ポスト直撃。


 先制してからはジェフが攻め込んでいきましたが、21分に同点ゴール。
 近藤が日高の裏を取って、グラウンダーのクロス。
 荒野がつぶれて、スパチョークが決めて1-1に。

 31分にも札幌の攻撃。
 高嶺からの展開を受けた、近藤が日高に仕掛けて中央へパス。
 長谷川がシュートを放ちますが、枠の外。


 同点になって試合が落ち着いてからは、再び札幌ペースに。
 札幌の守備が安定していき、プレスがはまっていきます。
 ジェフはビルドアップで苦労する展開に。

 46分にも札幌の攻撃。
 高嶺の縦パスから、パクが落として木戸へ。
 木戸がミドルシュートで狙いますが、ゴールの左にそれ1-1で折り返します。

■後半開始早々に2点を奪いジェフが大勝

 49分、ジェフが勝ち越し点。
 カルリーニョスがカウンターで持ち上がったところから、右サイドへつないでエドゥアルドが中盤でクロス。
 カルリーニョスが頭で合わせて2-1に。

 52分にはジェフの攻撃。
 右サイドからのCK。
 ショートコーナーで高橋がクロスを上げて、石川が頭で合わせますが、枠の外。


 54分、ジェフが追加点。
 札幌が左後方でパスミスをして、品田が受けてクロス。
 ファーの椿が頭で合わせて3-1に。

 56分には札幌のチャンス。
 右サイドで近藤が仕掛けてクロスを上げると、河野のクリアのこぼれを長谷川が狙ってシュート。
 しかし、GK若原の正面。


 59分、札幌は長谷川、木戸を下げて、青木、マリオを投入し、荒野がボランチに。
 63分、ジェフの攻撃。
 高橋からのパスを受けた杉山が落として、カルリーニョスが長い距離から狙いますが、GK菅野がセーブ。

 67分、札幌はパクを下げて白井を投入し、そのまま左サイドに。
 68分にも札幌の攻撃。
 右サイド奥でボールを奪ったところから、杉山、カルリーニョスなどで繋いで、エドゥアルドがシュートに行きますが、ゴールの右。


 72分、ジェフはカルリーニョス、杉山、エドゥアルドを下げて呉屋、岩井、小林を投入。
 76分、札幌はスパチョーク、荒野を下げて、深井と田中を投入。
 田中が左に入り、白井が前線に移りました。 

 その直後、ジェフがさらに追加点。
 中盤左でボールを奪ったところから、椿が持ち上がり日高がクロス。
 ファーでフリーの岩井が合わせて、石川が詰めて4-1。


 83分、足を釣った椿に代えて横山を投入。
 85分、さらにジェフが追加点。
 横山がカープからスルーパスを出し、岩井が抜け出してラストパスを送ると、呉屋が決めて5-1。

 89分にも、ジェフの決定機。
 高橋のアーリークロスのこぼれを、日高が奪い返してシュート。
 しかし、ここはGK菅野がファインセーブ。


 このまま終わるかと思われた、後半ATに札幌が1点を返します。
 日高のパスミスから、白井が裏を取ってクロス。
 青木が合わせて5-2に。

 その直後、日高に代えて前を投入。
 その後も札幌が攻めていきますが、5-2で試合終了となりました。

■クロス対応に不安がある札幌相手に大量得点

 ここ最近のジェフは、攻撃時にエドゥアルドが右サイドに流れて戦う傾向がありました。
 その分、高橋が後方に残って、3バック気味にビルドアップを実施していったところがあります。
 しかし、この日はエドゥアルドがサイドに流れず、高橋もビルドアップ時に開いて、比較的堅い位置を取り、4バックでビルドアップをしていきました。

 札幌はサイドからの守備に不安があるところもあって、明確にワイドから攻め込みたかったのか。
 冒頭で話した通り、札幌はゴール前のマークに課題があって、実際にジェフはクロス攻撃から何度もゴールを奪ったことになります。
 ジェフはサイドからの攻撃が多いチームですから、得意不得意がピタッとはまった試合とも言えるのかもしれません。


 対する札幌は本来3バックなのですが、この日は4-4-2でプレスをかけていきました。
 3バックの両脇を仕掛けられることを警戒し、後方を4枚に代えてサイドを警戒してきたということなのでしょうか。
 また、2トップにして、ハイプレスを強化してきた意図もあったのかもしれません。

 ジェフはビルドアップに課題があって、ハイプレスを掛けられると苦戦する傾向もある。
 実際、前半の序盤と同点ゴールが生まれた20分以降は、札幌のプレスがはまって、ジェフが苦戦する流れとなってしまいました。
 前半終了時点では1-1の同点で、嫌な流れも感じる展開だったと思います。

 序盤の札幌のハイプレスは、1つかわせばチャンスになる危うい印象を感じる守備だったと思います。
 この日のジェフは攻撃時に4-1-2-3気味になることもあって、中盤が3枚気味で戦っていきました。
 その分、札幌は左右SHが中に絞って対応する傾向が見られました。


 そのため、特に右SBの高橋が空いて、そこに左SBパクが前に出て対応するため、その裏が空く傾向も見受けられました。
 このあたりは不慣れな4バックということで、連携面に課題が出てしまった部分があったのではないでしょうか。
 ただ、前半途中からはCBが前に出て、石川を見るようになったことで、左右SHが絞る必要性も薄まって、守備が改善して言った部分があったのではないかと思います。

 しかし、後半序盤にジェフが2ゴールを上げて3-1とした流れで、勝負はあったと思います。
 カウンターと相手のミスからで、どちらもビルドアップは関係なく生まれた展開。
 札幌の守備の甘さに対して、ジェフの前への勢いが勝利した流れだったと言えるのかもしれません。


 先月水戸に勝利したとはいえ、ここまで勝ったり負けたりを繰り返していたジェフですから、この大勝は昇格争いにおいても大きなものになるかもしれません。
 とはいえ、正直ここまでスコアに差がついたのは、札幌の問題も大きかったと思いますし、まだまだ上位2チームを追う立場であることには変わりない。
 来週の試合に向けて、もう一度気を引き締めていきたいところではないでしょうか。

 他ライバルチームを見ても、まだどこも課題がある印象で、波に乗り切れていないのかなとも思います。
 ジェフもこの日はビルドアップに課題を感じたし、最後の失点も非常に勿体のないものでした。
 J1にふさわしいチームになって昇格するためにも、最終節まで集中して戦っていってほしいですね。