日本時間の4時キックオフということで、試合前のプレビューではリアルタイムでの視聴は難しいかもと話したのですが、頑張ってライブで追いかけました。
試合の事前情報も、そちらで確認をよろしくお願いします。
ボスニアは、試合前から仕掛けてきました。
W杯初戦でも出番がなく、直前の強化試合2試合も欠場していたレジェンド・ジェコをここでスタメン起用。
怪我の状態など情報もあまり出していなかったようですが、グループリーグ首位候補のスイスを相手に、勝負をかけてきたのかもしれません。
試合展開はやはり攻めるスイス、守るボスニアという流れになりました。
スイスは攻守に積極的に前へと人数をかけていき、流動的なパスワークを展開。
試合序盤から、押し込む時間の長い試合となりました。
しかし、ボスニアもただやられるだけではなく、粘り強い守備で対応し、カウンターからやり返そうと狙っていきました。
実力で言えばやはりスイスが1つ上だったとは思いますが、気持ちの面で負けないという想いで試合に臨んだのかもしれません。
そういった意図もあって、ジェコを起用したのでしょうか。
また、この試合でのターニングポイントとなったのが、2度のハイドレーションブレイクでした。
前半は劣勢だったボスニアが、システムを変えて押し返す展開を。
後半は攻めあぐねていたスイスが、選手を入れ替えて得点を奪っていきました。
飲水タイムで流れが変わることはJリーグでも良くあり、ジェフも何度か直後に失点してしまったことがあります。
今回の試合も0-0で進んでいた流れから、73分から合計5点も動く、激しい展開になっていきました。
スポナビの速報によると、65分までのゴール期待値はスイスが0.3でボスニアが0.13だったそうです。
結果的には、スイスの快勝。
ボスニアとしては退場者も出してしまい、厳しい試合となったことになります。
■スイスが攻め込む展開も飲水タイムから流れが変わる
スイスはザカリアとバルガスが控えになり、ビドマーとリーデルがスタメン。右SHエンドイェが左SHに回り、リーデルがトップ下で、右IHアエビシェールが右SHに移りました。
司令塔のジャカは、この日もスタメン。
ボスニアはバシッチ、バイラクタレヴィッチ、ルキッチがサブで、アライベゴビッチ、シュニッチ、ジェコがスタメンがスタメン。
メミッチが右SHに回って、アライベゴヴィッチが左SHの4-4-2でスタート。
指揮を執るのは、ハンブルガーSVで高原と共に戦ったセルゲイ・バルバレズ監督です。
キックオフ直後こそ、ボスニアがロングボールで押し込んでいきますが、やはりその後はスイスが攻め込む展開に。
スイスは積極的に前方に人数をかけ、流動的なパスワークで仕掛けていきます。
ボスニアは押し込まれ、なんとか耐える序盤戦に。
9分、スイスのチャンス。
ジャカの縦パスから、エンドイェがポケットで受けてシュート。
しかし、サイドネットの外に。
19分にもスイスの攻撃。
アライベゴビッチの後方でのパスミスから、最後はエンドイェがミドルシュート。
しかし、GKヴァシリがキャッチ。
22分にもスイスの攻撃。
左サイド前方のエンドイェから、中盤中央のフロイラーへパス。
そのままロングシュートを放ちますが、ゴールの左にそれます。
スイスの攻勢が続きましたが、ハイドレーションブレークを挟み、ボスニアが立ち位置を変更。
右SHメミッチを左WBに回し、変則的な5-3-2になりました。
ボスニアはマークが明確になり、前への守備にも行けるようになって、少しずつ流れが変わっていきます。
31分にはボスニアの攻撃。
ジェコが中盤の間でパスを引き出したところから、左に繋いでポケットで受け直しクロス。
しかし、タヒロヴィッチが合わせきれず。
37分、ボスニアの攻撃。
セカンドボールを拾った、ムハレモヴィッチが左へパス。
アライベゴヴィッチが繋ぎ、メミッチがカットインしてミドルシュートを放ちますが、GKコベルの正面。
39分にもボスニアの攻撃。
アライベゴヴィッチが高い位置でパスカットしたところから、デミロヴィッチと縦のワンツー。
最後はジェコが狙いますが、フロイラーがブロック。
前半終盤もスイスが攻める展開がメインでしたが、ボスニアの粘りの守備にチャンスを作れず。
逆にカウンターから、ボスニアがゴールに迫る展開が目立ちました。
しかし、ゴールまでは生まれず、0-0で折り返します。
■試合終盤に大きく試合が動き4-1でスイスが勝利
50分、スイスの攻撃。アカンジから左サイドへ大きく展開。
エンドイェがカットインからシュートにいきますが、GKヴァシリがセーブ。
55分にもスイスの攻撃。
左サイドからのCKをスイスが拾い直して、中盤からクロス。
エンドイェがオーバーヘッドで合わせますが、GKヴァシリがセーブ。
後半も基本的な流れは変わらず。
スイスはプレスも積極的で、攻守に前への姿勢を見せていきます。
しかし、ボスニアの守備も球際で激しく、後半からは裏にボールを蹴って、ハイプレスで奪い返す展開も作っていきます。
62分、ボスニアはジェコ、タヒロヴィッチを下げて、バイラクタレヴィッチとバシッチを投入し、アライベゴヴィッチが左シャドー、バイラクタレヴィッチが右シャドーに入る5-2-3に。
68分にはボスニアの攻撃。
カウンターからのクロスは合いませんでしたが、こぼれたところを中盤で拾い、デディッチがミドルシュートを放ちますが、GKコベルがセーブ。
71分、ハイドレーションブレイクを挟み、スイスはアエビシェール、エンドイェ、リーデルを下げて、マンザンビ、バルガス、ソウが入りました。
その直後、スイスが先制。
マンザンビが中盤左で拾ったところから、バルガスが左サイドを持ち上がってクロスを上げると、メミッチのクリアが弱く、マンザンビが合わせてゴール。
80分、スイスの攻撃。
マンザンビがバイタルエリアでパスを受けると、スルーパスを出しエンボロが抜け出します。
これをムハレモヴィッチが、後ろからスライディングで倒してしまい一発退場。
1人少なくなったボスニアは、4-4-1のシステムに。
84分、スイスが追加点。
右サイドでパスを繋いでいき、ポケットで受けたマンザンビが、中央のエンボロへと繋ぎ、逆サイドのバルガスがシュートを決めて2-0に。
その直後、ボスニアはシュニッチ、デミロヴィッチを下げて、ルキッチ、ハジアフメトヴィッチを投入。
86分、スイスはヴィトマーを下げて、ヤケスを投入。
88分、スイスはエンボロを下げて、イッテンを投入。
89分、スイスが追加点。
ジャカからのスルーパスを受けたバルガスが、左サイドを抜けてラストパス。
これをマンザンビが決めて3-0に。
90分、ボスニアはアライベゴヴィッチが下がり、マフミッチを投入。
その直後、ボスニアが1点を返します。
左サイドからのCKをGKコベルがはじくと、 マフミッチがボレーで合わせて3-1。
しかし、後半AT。
アカンジからのフィードに抜け出したイッテンがラストパスを送ると、メミッチがソウを倒してしまいPK。
これをジャカが決めて、4-1でスイスの勝利となりました。
■2度のハイドレーションブレイクで流れが変わった試合に
スイスはこの日も、流動的なパスサッカーを展開していきました。ただ、W杯初戦とはシステムが少し違ったと思います。
前節カタール戦では、守備時は4-4-2で攻撃時は4-1-2-3で、前線のアエビシェールが右インサイドに下がる形でした。
そこから特に右インサイド、右SH、右SBが流動的に動く形が、印象的な攻撃だったと思います。
しかし、この日は攻撃時にリーデルがトップ下に入り、アエビシェールは右SHに回る4-2-3-1が基本となっていました。
ボスニアはハイプレス時、相手2CBを2トップが追い、相手ダブルボランチには両ボランチが前へ出ていく、積極的な追い方をしていました。
それを見たスイスは、アエビシェールが右サイドからトップ下の位置にスッと流れて、ボスニアのボランチの背後を狙う攻撃で打開していきました。
さらに、積極的に攻撃参加していくスイスの左右SBに対し、ボスニアのSHはマンマーク気味についていくため、全体的に押し込まれかなり苦しい状態になっていたと思います。
そこでボスニアはハイドレーションブレイクで、右SHメミッチを左WBに回して5バック気味にすることによって相手のSBをケア。
さらに、流動的に動くアエビシェールには、左SBコラシナツがマンマーク気味に対応。
これによって浮いたポジションに流れるアエビシェールも封じ、守備が改善していった印象です。
しかし、後半のハイドレーションブレイクで、スイスは2列目の3枚を一気に変更。
特にマンザンビはW杯予選や直前の強化試合でも活躍していた、打開力のある20歳のアタッカーで、疲れも見えていたボスニア守備陣には厳しい相手だったように思います。
逆にボスニアは前線でタメを作れていたジェコを外してシャドーを2枚にしたことで、前方での踏ん張りが利かなくなって苦戦していったようにも見えました。
試合終盤のボスニアは退場者も出てしまい、気持ちも切れてしまった部分があったと思います。
序盤から守備で振り回されていたため、消耗も激しかったのかもしれません。
3位抜けも考えれば得失点差も考えて失点を減らしたいはずだったのですが、1人少ない状況でスイスの攻撃を止めるのは難しかったのかなとも思います。
一方のスイスは、途中交代の選手たちも活躍し、素晴らしいW杯2戦目となったのではないでしょうか。
試合途中までは良い攻撃で崩すも、結果的に相手を押し込んでスペースがなくなり、点を奪い切れないパターンになるのかなとも思ったのですが、最後に爆発したことになります。
途中交代の選手が活躍することも短期決戦では重要ですし、これ以上ないボスニア戦となったのかもしれません。
それにしても、スイスは選手やシステムが変わっても流動的なパスサッカーを継続する、見事な戦いぶりを見せています。
左右SHが中に入ってきたり、前線も下がって受けたり、SBもハーフレーンで受けたり、ボランチも多くのポジションに顔を出す。
それでいて相手ゴール前にはしっかりと選手が詰めていることが多く、パスワークが目的になっていないことも含めて素晴らしいサッカーで、このスタイルでどこまで上り詰められるのかに注目ですね。
スイスの流動的なパスワークは非常に面白かったですが、それに対抗しようとするボスニアの工夫や雄姿も見れた良い試合だったと思います。
最後はボスニアがガタっと崩れてしまいましたが、そこがW杯の怖さでもあるのかもしれません。
大舞台ではメンタル的な勝負といった意味合いも強いですし、プレッシャーなども大きいでしょうから、一度気持ちが切れてしまうと厳しいのかもしれません。
それでもまだグループリーグ1戦は残っていますし、今回は3位突破もあるわけですから、ボスニアも最後まで諦めずに頑張ってほしいと思います。
ボスニアは次の試合でカタールと、スイスは開催国のカナダと戦うことになります。