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パリオリンピック世代U-23日本代表に選出された藤田が不在となる明日の清水戦

 土曜日の鹿児島戦を2-4で落としたジェフですが、明日水曜日には早くも次の試合がやってきます。
 対戦相手は上位候補の清水。
 久々にホームフクアリでの試合となります。

 この試合の前にパリオリンピック代表候補となる、U-23日本代表の親善試合にジェフから藤田が選出されています。
 18日(月)からの合宿で、22日(金)にはサンガスタジアムでU-23マリ代表戦。
 25日(月)には北九州スタジアムで、U-23ウクライナ代表戦が行われるそうです。

 このため藤田は、水曜日の清水戦、日曜日の水戸戦が欠場になると思われます。

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 パリ五輪代表世代のGK争いは、鈴木彩艶、小久保玲央ブライアン、野澤大志ブランドン、佐々木雅士などがリードしていました。
 しかし、FC東京の野澤、柏の佐々木は所属クラブで、出場機会を得られていない状況になってしまっています。

 さらに、鈴木彩艶は21日(木)と26日(火)に、ホーム&アウェイで行われるW杯予選北朝鮮戦のメンバーに選出されています。
 アジアカップでは批判も浴びてしまった鈴木彩艶ですが、だからこそ今回もチャンスを与えたのか。
 あるいは、単純に主力として期待されているからこそ、親善試合よりも予選ということで、今回もフル代表優先となったのでしょうか。


 今後も鈴木彩艶はフル代表が優先されるのかが、藤田などにも影響を与えると思います。
 あるいは、クラブとの兼ね合いもあって、五輪代表には選出されない可能性があるのか。
 今回の五輪代表は4月中旬から始まる、五輪最終予選も兼ねたU-23アジアカップ直前の親善試合ですから、大事な合宿となるはずです。

 ただ、これまでの日本代表の選択を考えると、フル代表に専念させて五輪には選出しないという判断はあまり考えにくいのかなとも。
 実際問題として五輪本番に出場できないとなれば、貴重な世界大会の舞台も失われるわけですし、スポンサーや人気にも影響を及ぼす可能性がある。
 さらに、同じシントトロイデンでプレーしている藤田、山本は今回もU-23日本代表に選出されていますが、クラブとの契約に五輪予選への派遣が組み込まれているそうで、鈴木彩艶も同様の契約となっている可能性があると思います。

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 鈴木彩艶が復帰するとなれば、第2GK以降としてメンタル面などの部分も大事なってくるかもしれませんね。

 藤田は昨年栃木で活躍し、U-23のBチームで構成されたアジア競技大会に選出されています。
 この時のGKは藤田に加え仙台の小畑、岡山の小畑と常連候補は軒並み選外に。
 この大会でも活躍した上、数少ないクラブで出場し続けている選手として、今回も選ばれたのでしょう。


 しかし、藤田は先週の鹿児島戦でも、クロスボールをこぼしてしまい失点。
 先々週の群馬戦でも鋭いクロスを弾いて失点に繋がっていますし、開幕戦でも山形のFKをファンブルして与えたCKから失点し、4失点目もゴール前を横断するボールに対して前に出てやられているなど、ジェフでは決して良いスタートを切れていない印象です。
 もちろん失点は藤田だけの責任ではないとはいえ、ミスが多いことからも逃げてはいけないと思います。

 開幕前にも話しましたが、やはり安定感なら鈴木椋大の方が期待できるかもしれませんし、単純なキーパスキルをもっと磨かなければいけないのではないかと思います。
 キック精度に関しては素晴らしいものがありますが、やはりGKの本文は守備にあるはず。
 五輪代表としては悩ましい状況になるかもしれませんが、藤田不在の2試合で鈴木椋大が活躍し、ポジションを奪い返すという可能性もあるかもしれませんね。


 ただ、ジェフは前節鹿児島戦でもエドゥアルド、日高などが不在で、単純に離脱者が多いことが悩みになっています。
 近年は流行り病もありますから、離脱者が出てしまうのはある程度仕方のない部分もあるとは思います。
 だからこそ、満遍なく第2候補を準備しておくべきだと思うのですが、その点でジェフは不安もある印象です。

 対する清水は、オフにチアゴ・サンタナ、中山、ホナウド、鈴木義宜などが退団。
 補強もしてはいますが、昨年よりは小粒な構成になった印象もあります。
 それでも戦力的には十分な存在でしょう。


 Youtubeなどでも話しましたが、今季の清水は選手の入れ替えも影響してか、サイドなどでより丁寧にパスをつなぐようになった印象もあります。
 しかし、その分、カウンターなどの勢いは若干落ちたのかなとも。

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 それでも現在3勝1敗で3位。
 前節大分戦も2-0で勝利しており、悪く無いスタートを切っています。


 対するジェフは、鹿児島に負けて連勝もストップ。
 まだここまで勝利出来たのはスタートダッシュに失敗している藤枝と群馬ですし、良い流れに乗れているとは言えないでしょう。
 どんな相手でもしっかりと勝ち点を狙えることが大事ですし、そのためにも前への圧力一辺倒のサッカーから成長してほしいところなのではないでしょうか。

 清水戦では相手もあって、気合も入った状況で戦えるのではないかと思います。
 そういった試合の中でも、賢さが見えてくるといいですね。
 清水戦後2試合はまたアウェイが続きますし、ホームフクアリで良い試合を見せて欲しいと思います。

第4節 鹿児島 4-2 ジェフ プレスを封じられた時の戦い方が見えずミスも絡んで大量失点

 鹿児島対ジェフは2-4と、大量失点したジェフが敗戦。
 ルヴァンカップのリベンジはなりませんでした。
 4失点もしては、さすがに勝点は遠くなってしまいますね。

 試合序盤はジェフペースだったと思います。
 試合前にも話した、鹿児島の大外を突く攻撃が決まってジェフが先制。
 鹿児島はスロースタートだった印象もあり、良いリズムで戦えていました。


 しかし、徐々に鹿児島がロングボールやジェフの間をうまく取った攻撃を仕掛けてきて、押し込まれてしまいました。
 鹿児島はルヴァンカップに続いて、藤本をスタメン起用しており、当初から狙っていたパターンだったのだと思います。
 このあたりは試合前にも話したように、ある程度当たったところもありました。

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 鹿児島はロングボールをうまく使って、プレスをかわしつつ相手を押し込んでいく。
 ジェフは押し込まれることによって守備位置が下がり、さらにプレスに行きにくくなるという厳しい状況になっていきました。

 改めて、プレスに行けない時の対応に、課題を感じた試合だったと思います。
 守備で押し込まれた時にどう対応するのか。
 攻撃でもハーフカウンター以外でどうゴールを狙うのか。


 そのあたりが曖昧だったらこそ、1-3で迎えた後半に入ってからも、攻撃の手立てを感じない流れになってしまったのではないでしょうか。
 個人的には近年よく耳にするリバウンドメンタリティにも期待したのですが、むしろジェフは後半に入って失速した印象すらありました。
 プレス頼りのチーム設計だからこそプレスを失われると、選手もどうして良いのか迷ってしまうのところがあって、気持ちも前に出せないところがあったのではないかと思います。

 押し込んでからの鹿児島のサイドからのパスワークも非常に良く、ジェフは数人の離脱者もいました。
 ただ、そこは鹿児島も井林などが不在ですし、戦力的には楽ではないクラブでしょうから、言い訳にはできないはず。
 鹿児島戦2連敗と言うのも偶然ではないと思いますし、やはりプレスをかわされた時にどう戦うのかが、大きな課題ではないでしょうか。

■先制するもミスも絡んで1-3で折り返し

 ジェフは日高、エドゥアルドが不在で、矢口、小林がスタメンで、小林が左インサイドに。
 控えから新明も外れて、岡庭、久保庭が入りました。

 鹿児島はンドカ、野嶽が控えに回り、藤本、外山が入りました。
 ともにルヴァン杯ジェフ戦でスタメン出場していました。
 サブにも西堂が入り、GK大野と共に元ジェフ組が控えに選ばれています。


 7分、ジェフのチャンス。
 中央、ゴールから少し離れた位置のFK。
 田口が直接狙うと、GK泉森がこぼして小森が合わせますが、オフサイド判定。

 10分、ジェフが先制。
 矢口からのパスを受けた田口が、前方の田中へ展開。
 田中がグラウンダーのクロスを上げると、小森がワントップから反転してゴール。


 しかし、その後は鹿児島が押し込んでいき、20分に同点。
 小森がポスト時に戸根にボールを奪われて、米澤、藤本と中央で縦へ。
 そのまま藤本がゴールを決めて1-1。

 その直後に鹿児島が追加点。
 鹿児島のロングカウンターから、田中がスルーパスを送ると、藤本が裏を取ります。
 GK藤田が来る直前に藤本が軌道を変えると、藤田が相手を倒してPKとなり、これを藤本が沈めてゴール。


 さらに、28分にもジェフのミスから失点。
 相手の右サイドからのパスワークから、藤村がクロス。
 これをGK藤田がファンブルしてしまい、こぼれたところを藤本が拾って1-3。

 その後は一進一退の展開になり、前半ATにジェフのチャンス。
 高橋のサイドチェンジを受けた椿が、マイナスのパス。
 これを田口が左足のミドルシュートで狙いますが、バーをたたいて1-3で折り返します。 

■後半に入って攻撃を加速できず2-4で敗戦

 52分、鹿児島の攻撃。
 CB岡本から裏へのロングパス。
 米澤が高橋の裏を取ってシュートまでいきますが、佐々木がカバー。

 54分にも鹿児島のチャンス。
 右サイドのパスワークから、藤村のパスを受けた田中が斜めの位置からシュート。
 しかし、ゴールの左を逸れます。


 58分にはジェフの攻撃。
 右サイドでボールを持った田中から、中盤中央のの風間へ。
 風間がミドルシュートを狙いますが、GK泉森がセーブ。

 その直後、鹿児島の決定機。
 右サイドの田中のクロスから米澤が逆サイドで拾うと、田中がスルーパスを出して米澤が受けてクロス。
 中央の藤本が抜け出しますが、合わせきれず。


 追いかけるジェフですが、むしろ後半に入って鹿児島の攻撃シーンが目立ちます。
 60分、ジェフは風間、椿を下げて、呉屋、高木を投入。
 65分、鹿児島は五領、田中に代えて、西堂、鈴木翔大を起用。
 
 69分、ジェフの攻撃。
 右サイドでの田中とのパスワークから、小森がクロス。
 こぼれ球を田口が受けると、一人かわしてシュートまでいきますが、ゴールならず。


 70分、鹿児島は藤本を下げて、ンドカを投入。
 71分、ジェフは矢口、田中を下げて、メンデス、米倉を投入。
 佐々木が左SBに移りました。

 75分、ジェフが一点を返します。
 田口のパスから高木が左足でクロス。
 ファーの米倉が頭で合わせると一度はポストを叩きますが、呉屋が詰めて2-3に。


 しかし、79分に失点。
 左サイドから藤村がキープして、渡邉が左前方へ展開。
 米澤がクロスを上げると、SBに移った佐々木が跳ね返しきれず、西堂が合わせてゴール。

 その直後、ジェフは佐々木を下げて、岡庭を投入。
 そのまま左SBに入りました。
 85分、鹿児島は米澤を下げて福田を投入。

 終盤もジェフは攻めの姿勢は見せるものの、決め手に欠きチャンスも作れず。
 2-4で敗れ、連勝ストップとなりました。

■前への勢いをかわされた時にどう戦うのか

 鹿児島は押し込んでからの攻撃が、非常にうまかったですね。
 サイドで4人が四角形を作るような形でポジショニングし、パスワークを形成していく。
 密集するのではなく等間隔でパスを繋ぐことで相手のプレスを分散して、さらにそこからオフザボールの選手が動き出し、ダイレクトパスなどを使って相手の裏を取る。

 サイド攻撃に加勢するトップ下やボランチ、SBの動きも良く、特にトップ下の田中や右SB渡邉を捉えきれなかった印象でした。
 田中はうまくジェフのボランチ後方でボールを受けていましたし、渡邉は中盤のハーフスペースに侵入してマークをかわしていった。
 矢口が苦戦したように見えたかもしれませんが、それよりも中盤で田中や渡邉などを捉えきれなかったことの方が問題だったようにも思います。


 押し込んでからの攻撃に関しては、鹿児島の方がジェフよりも確実性の高いものを作れていたのではないかと思います。
 ハーフカウンターからの攻撃がベースとなっているジェフは、ボールを奪ってからの攻撃は作れるものの、相手が引いてからの攻撃に関してはあまり再現性を感じない。
 試合序盤に鹿児島のサイド、特に逆サイドの大外を狙う攻撃をつけたのは良かったですが、それもスペースがある展開だったからこそ有効で、そうではない時にどう攻めるのかがあまり見えてこなかった印象です。

 ジェフは守備においても、後手に回ることが多かった。
 ゴール前での守備に個人的なミスが多かったことも間違いない問題ではありますが、中盤でもスペースを取られて寄せが甘いシーンが目立っていた。
 マンマーク気味に食らいつこうとする守備だからこそ、テンポの良い鹿児島のパスワークにかわされて、いいようにその裏を取られてしまった印象もありました。 


 さらに全体的な守備の粘りにも、甘さを感じましたね。
 現在のジェフは守備でも攻撃に移ること前提に対応しているからこそ、守備時のベクトルも前に向きがちで、ポジションのバランスが悪かったり、相手の攻撃を防ぐこと集中しきれていないところがあるのかなと思います。
 しかし、本当に強いチームは攻守にベースのレベルを上げていかなければいけないはずですし、守る時は守り切るといった強い意志も必要ですね。

 やはり全体的に大人になりきれないというか、子供っぽいサッカーになってしまっている印象があります。
 前への勢いを前面に押し出すことは悪くないとも思うのですが、それだけではチープなチームになってしまう。
 守る時は守る、落ち着かせるときは落ち着かせる、遅攻の時はじっくりと冷静に繋ぐなどの、賢さも持ち合わせたチームを目指してほしいところではないでしょうか。


 一方で、この日のジェフは、メンバーが一部変更になりました。
 それによって苦戦したところもあって、小林、矢口だけではなく、左SB佐々木とCBメンデスの守備もうまくいきませんでした。
 そこは小林、矢口がダメだったというだけではなくチームとの相性問題も大きいのではないかとは思いますが、やはり一部ポジションの層の薄さも感じましたね。

 次は連戦での清水戦ということで、ホームでの試合ですし、ジェフも強い気持ちで戦うことになると思います。
 何より清水はプレスを回避するような攻撃はしてこないのではないかと思いますから、また違った試合展開になるのではないでしょうか。
 しかし、プレスを回避された時にどう戦うのかを明確にすることは、安定して勝点を稼ぐ上で必須となるのではないかと思いますから、この宿題を忘れずに戦っていってほしいところではないかと思います。