GK以外スタメン全取っ替えもソロモンと見木の得点で2-0

 試合当日に「尹監督がターンオーバーを示唆した」という記事が出ていたので、ある程度のメンバー入れ替えはあるんだろうなと思っていましたが、まさかGK以外スタメン全取っ替えになるとは予想していませんでした。

 しかも、入れ替わったスタメンのうち、今季スタメン経験者は4人のみで、ベンチ入りすらできていなかった選手も多い。
 控えにも今季初メンバー入りが多く並ぶという、驚きの選出となりました。
 川又、船山、アランといった主力候補すらも先発から外れたことを考えると、ターンオーバーというよりはショック治療で、ここから主力交代という可能性もあるのかもしれません。

 そこは今後の展開次第となりますが、正直試合前は不安の方も大きく、これで負けたら出場した選手たちはどうなるんだろう…とも思っていました。
 しかし、結果的にうまくいって良かったですね。
 ここまでの主力選手より戦えていた選手もいたと思いますし、ここからまたチームの流れが変わっていく可能性もあるのでしょうか。

■ジェフがサイド攻撃から2点を先制

 前節栃木に敗れたジェフは、GK新井章太以外スタメン全員を入れ替え。
 DFラインはゲリア、鳥海、新井一耀、安田、MFは矢田、熊谷、見木、為田、FWに寿人とソロモン。
 控えに優也、岡野、木村、船山、小島、工藤、川又と、大幅に顔ぶれが変わりました。

 ホームの金沢は前節終了間際に負傷した藤村がメンバー外となり、ボランチに下川が移って杉井が左SBでスタメン復帰。
 またCB廣井もメンバーから外れて、山田将之がスタメン。
 ベンチには昨夏、右膝前十字靭帯を損傷し、長期離脱していた長谷川が帰ってきました。


 立ち上がりは両チームともにロングボールが多く、落ち着かない展開。
 ジェフはフレッシュなメンバーが多いせいか、いつもより積極的にプレスをかけていきます。
 しかし、徐々に前に行けなくなって、低く構えて守るいつもの状態に。

 7分、金沢の攻撃。
 ソロモンのプレスが甘くなったところから石尾が大きく展開し、杉井が左サイドでパス交換をしてグラウンダーのクロス。
 ルカオが落として西田が狙いますが、GK新井がセーブ。


 そこからジェフが守り金沢が攻め込む展開が続き、11分にも金沢の攻撃。
 中盤の低い位置から、下川がゴール前に長いボールを供給。
 鳥海がバックヘッドで対応しシュート性のボールになりますが、GK新井がセーブ。

 13分、ジェフの攻撃。
 後方で得たFKから、ロングキックをソロモンが競って矢田が拾います。
 しかし、矢田のシュートは大きく逸れます。


 その後は動きが少なくなりますが、22分にジェフが先制。
 矢田からのクロスに、GK白井とソロモンが競り合います。
 白井がこぼしたところを、ソロモンで合わせて1-0。

 27分には金沢のチャンス。
 中盤での浮き球のボールから、前線のルカオがキープして前を向き、右の加藤にパス。
 加藤が抜け出してルカオにラストパスを送りますが、ゴール前でゲリアがカバー。


 31分、ジェフの追加点。
 左サイドの為田が、一人交わしてクロス。
 寿人が頭で合わせてバーに当たり、こぼれたところを矢田が狙うも相手に当たりますが、最後は見木がゴール。

 36分、金沢の決定機。
 左サイドのCKを金子が蹴ると、石尾がヘディングシュート。
 しかし、GK新井がファインセーブ。


 41分にも金沢の攻撃。
 ジェフのラインが低く、大橋が中盤でフリーになりロングシュート。
 しかし、ネットの外。

 44分にも金沢の攻撃。
 高安が為田をかわして、マイナスのパス。
 金子が受けてシュートを放ちますが、枠の外に終わり2-0で折り返します。

■終盤は金沢の動きも落ちて逃げ切り

 ジェフはHTに、寿人を下げて工藤を投入。
 後半開始直後、加藤がゲリアをかわして持ちあがり、ミドルシュートを放ちますが枠の外。
 その直後にもソロモンから下川がボールを奪ってロングシュートを狙いますが、ゴールの左にそれます。

 52分には、ジェフの攻撃。
 ゲリアが、右サイドを持ちあがってクロス。
 ソロモンが低い位置で競り勝ちますが、ヘディングシュートはゴールの左。


 その後も、金沢が攻め込む時間が続きますが得点は奪えず。
 ジェフは後半に入ってからも、引いて守る時間が続きます。
 57分、金沢は金子と西田を下げて窪田と島津を投入。

 61分にも金沢の決定機。
 大橋からの裏への浮き球のパスに杉井が抜け出し、最後は窪田が狙います。
 しかし、安田がゴール前でクリア。


 63分にも金沢の攻撃。
 ゴール前で、見木が相手を後ろから倒してしまいFK。
 島津が直接狙いますが、大きく外してしまいます。

 その直後、ジェフは矢田を下げて船山を投入。
 75分にも、ソロモンを下げて川又を起用。
 77分には、金沢がルカオと加藤を下げて、杉浦恭平と杉浦力斗を投入します。


 試合終盤、金沢には疲れが見え始め、動きが重くなっていった印象です。
 79分にはジェフの攻撃。
 カウンターから見木が持ち上がり、船山がドリブルで持ち込んでシュートを放ちますが、GK白井がセーブ。

 83分、金沢は高安を下げて長谷川を投入。
 89分、ジェフは鳥海を下げて岡野、為田を下げて小島を投入すると、小島は3ボランチの一角に、工藤が右SH、船山が左SHに回る4-5-1になりました。
 その後も金沢は有効な攻撃を作れず、2-0でジェフが逃げ切りました。

■スタメン10人が入れ替わっての変化

 GK以外のスタメンが人が入れ替わったジェフですが、守備に関しては大きく変わらなかったかなと思います。
 山下がいなかったこともあってか前線の守備が緩くなり、いつも以上に全体のラインは下がりがちだったように見えました。
 FWがセンターサークルの後方から守備組織を作る状態で、かなり低めの守備となっていたと思います。
 
 しかし、もともと前からのプレスの意識は薄いだけに、さして違いはなかったと思います。
 また、矢田などは後方から出ていって、積極的にプレスをかけ2トップ脇をカバーしていましたし、やはりSHなら矢田の守備は計算しやすいと思います。
 さらに安田やゲリアも攻撃面では課題も出ましたが、守備面では要所要所で効いていたと思います。


 印象が変わったのは守備よりも攻撃の方で、田口不在だったためサイドチェンジが少なかったと思います。
 また、雨天の影響もあったかもしれませんが、DFラインでのボールの動かし方も遅くなっていた印象です。
 サイドチェンジが尹監督の1つの狙いなのであれば、そこはこのメンバーでの課題として出てしまったところだと思います。

 しかし、その分、ビルドアップに関してはソロモンをめがけて、シンプルに蹴り込むことが多かった。
 クレーベ起用時以上に長いボールが多かった印象でしたが、ソロモンはしっかりとそこで競り勝っていたし、足元でのボールの受け方も上手かった。
 うまく体を使って、外でトラップするポストプレーで貢献していたと思います。


 代表の試合などでソロモンを見ていた印象からすると、プロでも当初はスピード面や守備面で苦労するかなと思っていました。
 しかし、ジェフの主力CFは現在クレーベで、クレーベも同じ課題があるだけに、そこが大きく目立たなかった。
 CFにプレスや裏抜けも要求するチームであればもっと苦労したでしょうが、ちょうど今のチームにはフィットしやすい状況だったのかもしれません。

 さらにクロスやロングボールなど積極的に前線の高さを活かすサッカーをしているだけに、ソロモンの良さが目立った試合となったのではないでしょうか。
 しかも、高さやポストプレーにおいては、最近のクレーベ以上に貢献できていたようにも思います。
 ソロモンもこれから研究されていく可能性は十分あるでしょうが、ゴールという結果を残せたことも今後を考えると大きいでしょうね。


 運動量やスピードには不安のあるソロモンをサポートするために、ベテランの寿人や工藤を45分ずつ起用したのかなとも思います。
 また、チーム全体で言えば、為田の仕掛けや矢田のクロスが結果を残したことにもなります。
 やはり攻撃のカギはSHが握るのでしょうし、2人が活躍できたことも重要だと思います。

 試合全体で言えば、金沢のミスに救われた面も大きかったと思います。
 試合序盤は金沢ペースだったと思いますし、セカンドボールも相手の方が競り勝っていた印象です。
 その流れからジェフが相手の隙をついてゴールを奪ったことが、試合の分かれ目だったのではないでしょうか。


 ただ、基本的にはこのサッカーなのでしょうね。
 4×4でゴール前を固めて、相手のミスを待って隙をつく。
 攻撃においてはSHとFWを入れ替えて、調子の良い選手で個の打開を期待するということになっていくのかもしれません。

 幸いにして、今年は選手交代枠も多いですから、前4枚を入れ替えることはたやすい。
 また、2トップは守備を免除されるからこそ、今回のソロモンや寿人のように、前線を入れ替えやすい部分もあるのではないでしょうか。
 これが前からきっちりプレスをかけていくサッカーだと、組織的な守備を構築していかなければいけないでしょうが、4×4で跳ね返すサッカーなだけにプレスに関しては熟成していく必要がない。


 しかし、守ってミス待ちだとやはり心配なのが、追いかける展開になった場合。
 先に点を取れれば理想通りの展開になるし、今回の金沢や水戸のようにある程度ボールを持ってくれれば戦いやすい。
 けれども、栃木戦や大宮戦のような展開になった時にどう戦うのか。

 そこがやはり心配ではありますが、ひとまず連敗は避けられた。
 しかも、若い選手たちも結果を出せたということで、今後を考えても良かったですね。
 次はポゼッションの東京Vということで、ここまでの相性で言えば連勝を期待したいところですが、まずはスタメンがどうなるのでしょう…。

尹監督「サイドの選手たちには突破を望んだ」

 昨年の最終節に続いて、ホームで栃木に0-1で敗れてしまったジェフですが、すぐに次の試合がやってきます。
 連戦の中日はアウェイで金沢との対戦です。
 ジェフは開幕戦もホームでしたし、今年初めて関東圏外で試合を行うことになりすね。


 一部主力メンバーが抜けた金沢ですが、今年も攻守において組織的に戦い、しっかりとしたサッカーをしている印象です。
 スタイルとしては栃木にも近いイメージで、ハードワークがベースのチームですが、マンマーク気味で粘り強く守ってくる。
 2トップからプレスを、しっかりとかけてくるのも特徴だと思います。

 ビルドアップにおいては、前線をめがけたロングボールも多い攻撃。
 しかし、遅攻時などには、ショートパスも繋いでくるチームだと思います。
 そこはこのチームの軸とも言える、大橋と藤村のダブルのランチコンビの存在が大きいと思います。


 また、開幕戦でも取り上げた、前線のルカオは再開後も活躍。
 球際で戦えるタイプで、守備面でも健闘し攻撃面でもターゲットとして貢献しています。

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 また、大卒新人でここまで全試合にスタメン出場しているFW加藤陸次樹、昨年は愛媛でプレーしたSB下川などの仕掛けも武器となっている印象です。

 しかし、ここまでのところ、金沢の成績は1勝1分2敗と決して芳しいものではありません。
 前節甲府戦も前半に2点を取られて、1-2で敗れています。
 良い形で攻め込む展開は作れているものの、アタッキングサードで崩しきる、チャンスをモノにするといった部分で、物足りなさがあるのかなと感じます。

 その一方で前々節新潟戦は、アウェイで5-3と派手な打ち合いを制しています。
 金沢の特徴の1つに若い選手の抜擢と活躍があるので、勢いに乗れば強いということでしょうか。
 新潟の守備組織にも問題があった印象ではありますが。


 前節・前々節は中央大から加入したFW加藤、大阪体育大学から加入したSH西田、興國高校から加入した右SB高安と、3人ものルーキーがスタメン出場。
 また、CB石尾も20歳、MF大橋が24歳、ルカオと下川も25歳と、レギュラーの平均年齢が低い印象です。
 さらに、前節途中出場で活躍した島津や山根は21歳、杉井は20歳、窪田は19歳、杉浦力斗に至っては興國高校からの特別指定でまだ17歳と、控えにも若い選手が並んでいます。

 この若い力が、連戦の中で良い方向に作用するのか。
 メンタル的に前節の敗戦を引きずってしまえば問題ですが、体力面では優位に働く可能性もあるかもしれない。
 また、多くの若手選手が切磋琢磨する中で、スタメンも変わってくるかもしれませんが、試合の中で一気にブレイクする選手が出てくるかもしれません。


 それが若い選手が多くプレーするチームの強みだと思いますし、若い選手が勢いに乗ればチーム全体も波に乗って成長していく可能性がある
 一方のジェフはチャン、高橋、山下など、一部の若手選手がスタメン出場しているのは好材料ですが、それ以外は20代後半から30代の選手がほとんど。
 ジェフ対金沢戦は、ベテランチームが若いチームと対戦する構図とも言えるのではないでしょうか。

 ジェフは前節栃木戦でも攻撃面での課題が浮き彫りになったので、金沢戦でもそこがポイントとなるかもしれません。
 尹監督は試合直後のDAZNでのインタビューで、「サイドの選手たちには突破を望んだがうまくいかなかった」と話しています。
 確かに山下のシュートや船山のヘディングシュートなどはサイドからの攻撃でしたし、今年はやはりサイドアタックが攻撃のテーマとなるのでしょうか。


 ただ、個人突破という意味では、米倉もそこまで得意なわけではない。
 左足でのキックの精度が高い堀米もスピードはないので、サイドを一人で駆け上がって崩せるタイプとは言えないでしょう。
 個人突破だけで考えれば前節怪我から復帰した為田が一番なのでしょうが、それ以外のプレーには課題が多く、クロスの精度も低いので突破しても得点に結びつきにくいという課題があります。

 また、SBの攻撃参加を控えているジェフだからこそ、SHには縦への突破だけでなくさまざまなタスクが要求されると思います。
 そういった意味で考えると個人での打開もチャンスメイクもゴール前への飛び込みも期待できる船山が、意外と尹監督の望むSHに近いのかもしれませんね。
 だから、ちばぎん杯ではFWでしたが、再開後はSHで途中投入されているのかもしれません。


 ただ、その船山もサイズや守備面では若干の不安もあると思いますし、SH選びには今後も悩むの可能性があるのではないでしょうか。
 尹監督がSHへ期待するタスクが多いからこそ、難しい状況となっているように思わなくもありません。
 いずれにせよ、サイド攻撃がメインとなるのであれば、SHのプレーが重要となってくるでしょうし、SHの選手にさらなる奮起を期待したいところです。

 ジェフとしては敗戦後の連戦ということで、微調整が難しくなる展開とも考えられます。
 しかし、そもそも攻撃の基本コンセプトが朧げなのであれば、微調整では状況は改善されないということになると思います。
 まずはどういった攻撃を狙うのか明確にしていかなければいけないと思いますし、その上でSHのチョイスも決まってくるはずではないでしょうか。
 攻撃面での手応えが欲しいところですね。