長崎戦で7月以来となる2点差以上の勝利

 台風19号の被害が心配な状況ですが、皆様ご無事でしょうか。
 これから明らかになってくる部分もあるのでしょうが、被害が少なく済むことを祈るばかりです。
 台風の影響が気になって、DAZN観戦も若干集中しにくい状況となりました。

 試合に関しては、長崎の元気のなさが目立ったのではないかと思います。
 ミスも多かったですが、単純にピッチで歩いている選手が多かった印象です。
 PO進出も厳しくなり、モチベーションが下がっているのでしょうか。

 逆に言えば、ジェフの方は懸念された大きなガス欠も目立たず、ここ数戦より走れていたように思います。
 2点差以上の勝利は7月31日、2-0で勝利した琉球戦以来。
 動きの鈍い長崎を、しっかりと倒せた試合ということになるのではないでしょうか。

■ともに決定機は作れず0-0で折り返し

 前節負傷交代した増嶋と出場停止のアランが外れ、出場停止明けの為田とエベルトがスタメン。
 勇人がベンチに回って、鳥海がボランチスタートとなりました。
 サブには久々にベラスケスが入りました。

 長崎は角田がメンバー外で、本来はボランチで今年9月からCBとしても出場している黒木がスタメン。
 前節出場停止だったカイオ・セザールがボランチに復帰し、磯村が控えに。
 ベンチには、8月から外れていたCB高杉が復帰を果たしています。


 序盤は一進一退。
 立ち上がりのジェフは、右サイドを中心に攻め込む展開。
 長崎は速攻で裏を狙いつつ、遅攻では中盤の間を狙ってきます。

 11分には長崎の攻撃。
 左サイドで、澤田が米倉かわしてクロス。
 玉田が落として呉屋が狙いますが、枠の外。


 その直後にはジェフの攻撃。
 工藤からのパスを受けた下平が、シンプルなアーリークロス
 クレーベが競り勝ってシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。

 15分にもジェフのチャンス。
 左サイドからのCKを矢田が蹴ると、クレーベが合わせて競り勝ちます。
 下平が詰めてゴールかと思いきや、オフサイドの判定。

 
 24分にもジェフの攻撃。
 中央で鳥海がカイオと競り合ったところからボールを奪い、熊谷が拾って縦へ。
 クレーベが右サイドに流れながらシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。

 前半途中からジェフが攻め込む時間が続いていましたが、30分頃からジェフの勢いが落ちていきます。
 31分には長崎のチャンス。
 中盤の大竹からパスを受けた呉屋が、米倉をかわしてシュートを放ちますがゴールならず。


 33分にも長崎の攻撃。
 右サイドの玉田から、サイドチェンジを受けたカイオがミドルシュート
 これがジェフの選手に当たって軌道が変わりますが、バーの上を越えます。

 36分にも長崎の攻撃。
 左サイド後方で為田が囲まれ、ボールを奪われます。
 黒木が受けてフリーでミドルシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。

 前半終盤はジェフが押し返す時間もありましたが、スコアは動かず。
 後半に進みます。

■後半から2点を奪って2-0の勝利

 後半序盤も一進一退の展開。 
 57分には長崎のチャンス。
 左サイドからのCKを大竹が蹴ると、ゴール前の呉屋が完全にフリーで合わせますが、ジャストミートせず。

 59分、ジェフは堀米を入れて矢田を下げます。
 その直後には、ジェフのチャンス。
 堀米が工藤と1-2で持ち上がり、左サイドの為田が受けてシュートを放ちますが、GK富澤がセーブ。


 62分にもジェフの決定機。
 CKの流れから、為田が左サイドでクロス。
 米倉が頭で合わせますが、GK富澤が触りバーに当たってゴールならず。

 68分、ジェフが先制。
 左サイドの高い位置でボールを奪うと、堀米が為田との1-2でサイドを突破してクロス。
 これをクレーベが競り勝ち、最後は堀米が詰めて1-0。


 その直後、ジェフは鳥海を下げて勇人を起用。
 71分には長崎の攻撃。
 勇人が低い位置でボールを奪われ、カイオが玉田に繋ぐと鋭いボールが供給されますが、呉屋に合わず。

 73分、長崎は大竹を下げて吉岡を投入。
 75分、長崎のチャンス。
 秋野からのアーリークロスを受けた呉屋がエベルトをかわして、鋭いミドルシュートを放ちますが、バーの上。


 76分、長崎は玉田を下げてイバルボを投入。
 80分、ジェフが追加点。
 左サイドからのCKを堀米が蹴ると、クレーベが相手選手と競り合い前を取って足元でゴール。

 83分、ジェフは下平を下げてゲリアを投入し、米倉が左SBに回りました。
 85分には長崎のチャンス。
 秋野からのクロスを呉屋が合わせますが、GK優也の正面。


 86分、長崎はカイオを下げて畑を投入し、畑をトップ下に置いた4-1-3-2に変更。
 後半ATには長崎のチャンス。
 右サイドからのCKを秋野が蹴ると、米倉が競ってあわやオウンゴール化というボールになりますが、タッチを割ります。

 その直後のCKでも長崎のチャンス。
 再び秋野が蹴ると、徳永が頭で合わせますが、ポストの左。
 そのまま試合を終えて、2-0でジェフの勝利となりました。

■ボックスの外からクレーベの高さを活かす攻撃

 冒頭でも話した通り、単純に長崎は運動量が少なかったと思います。
 攻守において歩いている選手が多く、勢いも感じませんでした。

 運動量は相対的な部分も大きいと思いますから、相手の元気のなさもあってジェフの選手はしっかりと動けていたように見えた印象です。
 30分頃からはジェフの足が止まって、長崎に間を取られ攻め込まれる時間帯もありました。
 しかし、前半終盤に盛り返すと、後半もしっかり戦えていたように思います。


 試合前にも話しましたが、手倉森監督の長崎は4-4-2でMFラインとDFラインがコンパクトな守備を形成するボックスディフェンスが特徴だと思います。
 それに対して、ジェフは相手ボランチの前でダブルボランチだけでなく、工藤や矢田、為田などもおりてきてボールを繋ぐ。
 この日の長崎は2トップの守備の関与も少なく、そこからリズムを作っていった印象でした。

 さらに普段通りサイドに人数をかけて、そこからクロスを狙う。
 ようするに4-4-2のボックスの外でボールを回し、ゴールに迫った展開というとになるでしょう。
 ボランチ付近でのパスワーク以外においては普段のジェフと変わらず、これで水戸などにも勝利したと言えるのではないでしょうか。


 ボックスの外でパスを繋いでも、ゴールは中央にあるわけですから、それだけでは得点を奪えない。
 要するに、最終的には中央を攻略しなければいけないわけですが、ジェフにはクレーベの高さという強さがある。
 しかも、相手CBの徳永と黒木はともに本来CBではないわけですから、高さには不安がありシンプルに放り込めばチャンスが生まれるかもしれない。

 それに加えて、ジェフには下平というクロッサーもいる。
 先制点のふんわりとしたクロスも、クレーベの高さを考えたボールだし、それ以外でも良いボールを上げていました。
 結局ジェフの2点は、ともにクレーベの高さから生まれたゴールということになります。


 この日のクレーベはゴール以外での動きも良く、守備もいつもよりは頑張っていたし、ボールを引き出す飛び出しなども見せていました。
 さらに試合序盤にはチームとしての狙いもあったのか、右サイドに流れて起点になる動きも見せていました。
 長崎の状態が良くなかったこともあるのでしょうが、こういった攻勢に出れる時間が長い試合だと、クレーベのように攻撃特化の選手が目立ちますね。

 また、チームとしても前半は2列目が下りてくる動きが多かったですが、後半からはSHがハーフスペースを縦に走り込む変化が見られました。
 ボックスの手前でパスを繋ぐだけでなく、ボックスの裏で受ける動きをすることによって、相手の守備を揺さぶろうということですね。
 2ラインがコンパクトな長崎はジェフ戦以外でもここを狙われることが多い印象で、手倉森監督が継続するとなると来年以降も課題となるのかもしれません。


 ジェフにとっては本当に久々の快勝と言っていい試合だったのではないかと思うのですが、前節山形を相手に惨敗を喫しているだけに素直には受け止めにくいですね。
 ようするに、相手の出来もあって、良い試合ができた面が大きいのではないかということ。
 もちろん状態の悪い相手ならしっかりと勝てるということも重要ですが、それだけでは前向きには捉えにくいところもあります。

 ちょうど次は首位柏との対戦ということにもなりますし、これが翌戦も継続できるかどうかではないでしょうか。
 ボランチ付近でのパスワークもサイド攻撃も、長崎だからうまくいったところもあると思いますし、他の試合ではどうなるのか。
 いろいろな意味で、柏戦が大事となってくるかもしれませんね。

千葉日報「定期的に醜態をさらさないと気が済まないらしい」

 山形戦まで「3試合負けなし」だったジェフですが、山形戦の敗戦で「3試合勝ちなし」となりました。
 その間、2試合の引き分けを挟んでいるためにそうなったわけですが、前にも話した通り勝点1という成果は決して良いものではありません。

 35試合を経過して現在17位のジェフは勝点36となっており、18位福岡がちょうど勝点35で平均勝点1となるわけですから、引き分けではむしろ成績を落としてしまうことになります。
 そもそも17位前後の順位という成績自体が誇れるものではなく、このまま終われば昨年のクラブ史上最低成績を更新してしまうことになります。
 もちろんすべての試合を勝てるわけではないですが、2連続の引き分けも決して良い結果ではなかったということになります。


 1-4で惨敗した山形戦後、千葉日報は以下のように厳しい論調で報じています。

千葉は定期的に醜態をさらさないと気が済まないらしい。3戦連続で勝ち点を積んでいた好循環を、4失点の大敗でぶち壊した。残り7戦で昇格プレーオフ圏6位との勝ち点差は21。勝ち点57で並ぶ7、8位が直接対決を残すことから、今季でJ1昇格の可能性が完全に消え去った。江尻監督は「自分たちで犯したミスが全て」と、試合終盤はスーツのポケットに手を入れぼう然とした。

 昔からジェフは、地元メディアとの希薄な関係にあったと思います。
 スタジアムDJを担当されているbayfmはともかく、千葉テレビも中継をやめて久しいですし、千葉日報も大々的に取り上げてくれることは少ない状況です。


 それだけにこういった感情的とも感じる記事が掲載されたことは、むしろ喜ばしいことではないかと思います。
 普段は淡々と事務的な記事が多い印象ですが、それだけジェフへの関心が薄いのではないかと感じていました。
 今回の記事は新聞社としてではなく、担当者の想いが強かったのかもしれませんが、現状には納得できていない、より良くなってほしいという気持ちも感じられたように思います。

 もちろん、ジェフに対して明るい内容や希望に満ちた文章を書くことも時には必要でしょう
 しかし、簡単な気持ちでそういった記事を書いて翌週にはそれが覆されるような状況が続けば、その記事の価値もそれを書いた記者もチープに見えてしまう。
 では、どこがボーダーなのかと考えれると、一戦一戦の結果や内容などに大きく左右されるのではなく、根本的な課題を解決できるキッカケが感じとれたのか、クラブの未来に向けて確実な希望を見出すことが出来たのかといった部分ではないでしょうか。


 山形戦に関しては相手がミスを待つようなサッカーをしてきたのに対し、ミスの多いジェフが屈して大敗した試合だったと思います。
 では、なぜそのミスが多いのかを考えていくべきでしょう。
 基本的な戦術などが整備されていないからかもしれないし、選手個々の課題もあるだろうと思うし、雰囲気や環境などにも問題があるのかもしれません。

 ちょうど今週、金沢に関してこのような記事が出ていました。

柳下正明監督が特に強調したのは「甘さ」だった。この試合だけではないが、攻撃に移ったところでのイージーなミスでチャンスをつぶしたり、もっと言えば、それがきっかけでピンチを招いたりする場面は、今節もあった。
(中略)
「チームとしてやってはいけないことをやってニヤニヤしていたら、周りがガツンとやらなければいけない。やらなきゃいけないことをサボっていたら、それが誰であっても言わなければいけない。たった1回だからいいではない。1回でもやったらだめ。そういうところをみんなが言えるようにしなければいけない」とも話している。

 例えば昨日取り上げた中村からの縦パスが通ったシーンでも、クレーベや熊谷にガツンと指摘できた選手がいたのか。
 チームとしての守り方がはっきりしないことに関して、意見できる人物はいるのか。
 ゴール前で粘って失点しなかったからそれでいいで、済ませていないのか。


 これは選手やスタッフだけでなく、観客なども含めたクラブのメンタリティにも問題があるのかもしれません。
 ジェフはJ2に降格してからというもの、スター性や一時の勢いなどが持て囃されてきた反面、地味な選手・監督、細かな戦術などに関しては評価されていなかった印象があります。
 そういったものが積み重なった結果、「甘さ」の残る雑なチームになってしまったところがあるのではないでしょうか。

 今後は、そこからの脱却を成し遂げることが出来るのか。
 戦力はそこそこあるはずで、夏の暑さからも脱したことで、それなりのサッカーは出来るかもしれない。
 しかし、それなりのサッカーをしてそれなりの結果を残してJ2残留を決めたところで、果たして本当の意味で未来への希望が見出せるのかという段階にいるのではないでしょうか。


 さて、今週末のジェフは、アウェイで長崎と対戦します。
 長崎は現在15勝10分10敗の勝点55の10位で、勝点4差でPO圏内にいる6位甲府を追う状況となっています。
 勝点差で言えば可能性が残されているようにも思いますが、複数のチームを追い越さなければいけないことを考えると厳しい状況ではないでしょうか。

 1年でJ2に戻ってきてしまった長崎は、今年手倉森監督が就任。
 最近では前々節大宮戦で敗れていますが、前節は3-2で町田に勝利しています。 
 また、天皇杯でも勝ち残っています。


 長崎はフラットな4-4-2ですが、横のラインを重視して等間隔にポジショニングし、SHとSBなど上下の選手で挟み込む守備が特徴と言えると思います。
 例えば町田は、全体でボールサイドに密集するコンパクトな守備。
 岡山は中盤で1人が寄せたら他の選手がカバーして中盤を埋める意識が強く、水戸はポジションを修正しつつもより人に付く意識が強い印象を受けます。

 手倉森監督は仙台や五輪代表でも同様のサッカーをしており、長谷部監督もベースはジェフ時代に近いと思います。
 同じ4-4-2であっても監督のカラーが色濃く出ているわけで、やはりサッカーというものは監督の影響が出やすいスポーツなのだと思いますし、それだけ監督の選択が重要と言えるでしょう。
 江尻監督の現在の4バックもあまり良くない意味で前回監督時のイメージに近く、アバウトなところが多い守備となってしまっているのではないでしょうか。


 長崎は上記のような守備をしながら、素早く縦に仕掛けるサッカーを展開。
 シーズンが進むにつれて4-4-2でトライアングルを作って、素早くパスを繋いで前へと侵入する攻撃が出来つつあるのかなと思います。
 メンバーも固まりつつあり、夏に補強したカイオ・セザールと秋野のダブルボランチも効いている印象です。

 一方で4-4-2でMFラインとDFラインがコンパクトに守るサッカーということもあり、縦の深みがなくそこを縦に狙われると弱いところがあるようにも思います。
 そのため、前節町田戦でも勝利はしたものの2失点を喫し、前々節大宮戦でも3失点をしており、2試合で合計5失点となっています。
 堅守速攻を目指すのであれば、守備の安定化が求められるのではないでしょうか。


 一方のジェフも前節4失点しているわけですから、守備には不安がある状況です。
 山形戦ではミスからの失点が多かったとはいえ、カウンターへの守備時の対応にも問題があるように思います。
 ボールを失った時に相手選手の方が数多く反応し、素早く走り込んでいたと思いますし、マークの受け渡しなどにも問題を感じました。

 また、遅攻でもチャンスを作られているわけで、リトリート時にも守備に不安を感じます。
 「3試合負けなし」という結果によって多くの課題が見過ごされていた印象もありますが、実際にはそれまでと大きく変わっていなかったのではないでしょうか。
 昇格もなくなり降格からも離れた状況にあるからこそ、しっかりと内容を詰めていく必要があるのではないかと思います。