19位に落ちたジェフ GWは2位大宮、3位甲府と対戦

 今週末から10連休となるゴールデンウィークが始まるわけですが、Jリーグは連戦を組んでいません。
 ちょうど水曜日が即位の日ということで、それを尊重した形なのでしょうか。
 その分、4月上旬の不思議な時期に連戦を実施したことになります。

 私もGW中に帰省する予定があり、パソコンに向かう時間が作れないかもしれません。
 そのため更新も省エネで実施するか、途中でお休みをいただく可能性があります。
 ご了承ください。


 さて、今週末のジェフは、現在2位と好位置につけている大宮とホームで対戦します。
 大宮は今季から、前長崎の高木監督が就任。
 システムも3ー6ー1に代わり、高木監督らしいチームになっている印象です。

 しかし、今季のスタートダッシュには失敗しています。
 開幕からの5試合は1勝2分2敗と負け越しており、第2節の琉球戦ではホームにて3ー4で敗れるなど大量失点も経験。
 厳しい序盤戦となってしまいました。


 しかし、第6節に高木監督の古巣長崎に勝利すると、そこからは5連勝。
 一気に流れに乗って、順位も16位から3位にまで一気にジャンプアップしました。
 今週末の試合では、6連勝をかけてジェフと戦うことになります。
 
 好調の要因は守備の安定もあるとは思いますが、それ以上に攻撃陣が波の乗ってきているのではないでしょうか。
 高木監督とともに大宮に加入したファンマを1トップにおいて、2シャドーがサポートする形は長崎時代と変わらないと思います。
 しかし、大宮には大前、茨田と何でもできるシャドーが2枚並んでいることによって、より前線の攻撃の幅が広がり、ファンマが孤立するような展開も少なくなった印象です。

 1トップ2シャドーが前線で仕掛けつつ、左右WBの酒井宣福と奥井が縦に走りこんでいく。
 中央からもサイドからも攻撃が狙え、さらにファンマのサブにはシモヴィッチまで控えている。
 高木監督というと堅守のイメージがありますが、ジェフとしてはまず大宮の攻撃をどう抑えるかがポイントとなるのかもしれません。


 前節横浜FCに敗れたジェフは、19位にまで順位が後退しました。
 江尻監督が就任してから2勝2分2敗のイーブンですので、極端に成績が悪いわけではありません。
 しかし、その2勝は就任直後の3試合で上げたものであり、そこからは勝ち星もなく内容も停滞しつつあるように感じます。

 未だに「エスナイデル監督時代よりは良くなった」いう意見を目にしますが、そもそもエスナイデル監督体制と比較して判断すべきなのか。
 個人的にはエスナイデル監督体制は2年目の早い段階から見る影もない状況になっていたと思いますし、3年目になってさらに攻守に厳しくなっていった印象ですから、そこと比べてもようやく赤点を脱したというレベルであって、現状だけを見れば良いサッカーができているとは言えないかもしれない。
 チームの今後を考えても、江尻監督に真っ当な評価をするためにも、相対的な評価ではなく、絶対的な評価が必要なのではないでしょうか。


 エスナイデル監督が解任されて一度は底を脱した感があるためか、どこか危機感に欠けている印象も受けます。
 しかし、順位は19位と今もかなり苦しい状況ですし、内容に関してもここ数戦は江尻監督就任直後より悪化しているようにも感じます。
 これが就任から徐々に改善点が見られるのであれば良いのでしょうが、チーム状況は逆に進んでいる可能性もあるわけですから、冷静に試合を見て判断する必要性があるのではないかと思います。

 現状だと後方中央に人数を固めて守る展開が多い印象で、その分プレスにもいけないし攻撃にも移れていないように思います。
 それでは「守備が整備された」とは言いづらく、他の要素を犠牲にして守りを固めたというだけになってしまいます。
 後方に人数を固めるためカウンターにも移れない上に、遅攻時にも3バックがボールを回してもただ待っているだけな状況が多く、攻撃面でも大きな課題を感じます。

 「まだ就任したばかりだから」という見方もあるのでしょうが、気になるのはやろうとしているけど出来ないといった精度や連携の問題ではなく、やるべきことが見つからず迷っている部分を感じること。
 例えば遅攻時に3バックがボールを持っても誰も受ける動きをせず、ただ回しているだけの状態になることが多いですが、こういった約束事は攻撃においても初期に決めていくことだと思います。
 そこが出来ていないということになると、これはもう時間的な問題ではなくチーム作りにどこか問題があるのではないかと思いますし、将来的なチーム作りにおいても不安が残ります。


 また、このままでいくと、どこかで4バックにシステムを変更する可能性も考えなければいけないのかなとも思います。
 3バックは守備時に後方中央を固めやすいだけでなく、攻撃時に前の3枚で関係を築きやすいだけに、それらを重視したいという思いもあるのかもしれません。
 しかし、その前の三枚の関係がうまく作れず、横浜FC戦では失点も増えてしまっただけに、攻守にメリットも打ち出せていないようにも思います。

 結果的に現在の3バックは攻守において"クローズ"しようとする傾向が強く、それが就任直後には守備の粘りにもつながったのではないでしょうか。
 しかし、現在はその"クローズ"されたメリットが少なくなり、逆にデメリットが目立っているように思います。
 4バックにして、より"オープン"な戦い方をするという発想も必要になってくるのかもしれません。


 ただ、ここからの日程を見ると相手が3バックの試合が続くだけに、今システムを変えるのはリスクが大きいのかもしれません。
 大宮戦ではクレーベが出場停止となりますし、怪我人の復帰なども気になりますが、スタメンも含めてどういった戦い方の選択をしていくのか。
 攻守に厳しい状況になりつつある印象もあるだけに、メンバー選びも悩ましい状況となるのかもしれませんね。

 まずはシンプルにやれることをやることが、大事なのではないかと思います。
 ここから2位大宮、3位甲府と上位対決が続きますが、その分割り切って戦いやすいという追い風も吹くかもしれません。
 まずは大宮戦で最近の流れを払拭するような試合展開を、期待したいところではないでしょうか。

江尻監督「攻撃のうまい組み合わせを考えなければ」

前半から裏を取られる場面があり、守備に不安を感じたが、どう修正を図っているのか。
「今日に限っては少し攻撃的なマネジメントをとった。そこ(攻守)のバランスがチームとして成熟していないのは率直な感想だ。人的なマネジメントを含めながら、攻撃もしないといけないので、うまく組み合わせを考えなければならない。」(Jリーグ

 横浜FC戦後の江尻監督のコメントです。
 ジェフの公式サイトでは「やってきたのは守備のところ」という発言も掲載されています。
 しかし、「バランスが成熟していない」とも話しているように、攻撃寄りにしたら守備に穴ができてしまう…では大きな問題が残っていることになります。

 以前にも少し話しましたが、江尻監督が就任してからのジェフは守備に力を注いでいる分失点は減っていますが、得点も稼げていない印象があります。
 それでは厳しい…ということがここ3試合でもはっきりしつつありますし、攻撃面を改善すること。
 そして、守るにしても、守備の負担を減らす方法を探ることが大事なのではないでしょうか。


 江尻監督は、「うまい組み合わせを考えなければいけない」とも話しています。
 話の流れからして、主に前線の組み合わせでしょうか。
 横浜FC戦での2トップも、機能しきれなかった印象があります。

 しかし、「組み合わせを考えなければ」と話してはいますが、実際にはある程度軸は固まっているのではないでしょうか。
 江尻監督が就任して6試合になりますが、最近4試合で寿人は3試合にスタメン出場。
 金沢戦こそスタメンではありませんでしたが、連戦の最終日だったということで、大ベテランをスタメンから外した可能性も考えられるでしょう。


 さらに寿人が外れたその金沢戦では、クレーベがスタメン出場。
 クレーベは2トップにした横浜FC戦でも寿人とスタメン出場していますので、FWの2番手ということなのではないでしょうか。
 アランは福岡戦でしかスタメン出場しておらず、3番手ということなのかもしれません。

 しかし、個人的には福岡戦でのプレーなどを見た段階では、アランがレギュラー最有力なのではないかと思っていました。
 確かにアランはあまり器用ではなく、1トップということになると、すべてをこなしきれないところもあると思います。
 それでもシャドーの2枚が近くでサポートすればアランの前への強さも生きるのではないかと思いましたし、ポストプレーや守備などやることさえ限定してあげれば持ち味であるフィジカル面を発揮できるタイプではないかという印象があります。


 しかし、クレーベはより柔軟にポストプレーなどもできて、寿人も経験豊富で引き出しが多い。
 結果的に総合力で判断しているというか、現状がどうなのか以上により発展性を持たせるということで、この序列になっているのでしょうか。
 攻撃の形が確立されていないからこそ、様々なことができるこの組み合わせになっているということなのかもしれません。

 あるいは、単純に寿人を活かすということを大前提として考えて、ポストプレーが得意なクレーベと組ませたという可能性も考えられると思います。
 2列目の序列も寿人にパスを出す役割ということで、パサータイプの工藤が確固たる主軸になっているのかもしれません。
 寿人と工藤はほぼ固定化されていますし、現状のままいけば二人が攻撃の軸ということになるのでしょう。


 寿人、クレーベ、工藤を並べると、足元の技術で戦うパスサッカーからの裏抜け展開を狙うチームなのかなと考えられるように思います。
 しかし、実際にはここ4試合トータルでもスルーパスからの裏抜けはほとんど作れていないし、パスワークも構築できてるとは言い難い。
 果たして、その方向性が現実的に狙えるサッカーなのかという疑問もあると思います。

 本気でパスサッカーを目指すのであれば、より細部にこだわって1つ1つ積み重ねていくしかないでしょう。
 細かなボールを受ける動きや判断スピードなどをもっと上げていく必要があると思いますし、どこで繋いでどう展開するのかといった全体的なビジョンも必要だと思います。
 それでもそれを目指すのであれば、腹をくくってやっていくことが大事なのではないでしょうか。


 ただ、江尻監督の場合は前回就任時にもコメントなどではパスサッカーを実施するような話をしていたにもかかわらず、その後はふらふらとしていた印象があります。
 今回もパスサッカーを集中的に実施するのであればそれでも良いとは思うのですが、実際には攻撃で何がしたいのか明確になっていないと思います。
 それだけに今回もメンバーだけを見てパスサッカーを目指すのだろうと言い切るのは難しいのですが、一方で寿人を重視する以上はそちら方向へ進まざるを得ないのではないか…とも思い、外から見ているとどういった判断なのか悩むところがあります。

 大事なのは現時点で「何が出来ているのか」以上に、「何がしたいのか」が見えないところ。
 もちろん出来ていないから見えないという部分もあるとは思うのですが、現状だとチャレンジしているようにすら見えないだけに、このまま攻撃の方向性が確立されないのではないかという不安があるということになります。
 さらにこれは前回の江尻監督にも近いものを感じただけに、個人的にどこか引っかかる部分があります。


 やはりあれから長い年月が経ったとはいえ、監督というのは職人業でしょうから、努力や経験だけで成長するのは限界があり、もって生まれた能力やセンスが大事なのではないかと思います。
 だから、エスナイデル監督の時も「来年になればよくなるかもしれない」、「3年目には変わるだろう」といった言葉には全く期待が持てなかったし、実際に何も変わらなかったと思います。
 あるいはその人の能力がそのまま成果として現れ、結果を求められる職業だからこそ、「いい人だから応援する」、「キャラクターとして良いから好き」では成立しない世界だとも思います。

 江尻監督としては前回にも感じた殻を破れるかどうかが、今回の大きなテーマということになるのではないでしょうか。
 知識や経験はあるとして、それをどう現場で発揮して、どう戦えるチームを成立せるのか。
 寿人の裏抜け、クレーベのポスト、工藤のパス、為田の仕掛けなどなど、それぞれに良さはあるとは思うのですが、チームとしてそれを活かせるサッカーが出来なければ何ら意味はない。

 だから、「組み合わせ」も大事だとは思うのですが、その前に「どんな攻撃を作りたのか」を明確にすることの方が先なのではないかと思います。
 その上で「組み合わせ」を考えるべきだと思いますし、監督や選手など能力を総合的に判断した上で、理想と現実の折り合いをつけていかなければいけない。
 そこができるかどうかが江尻監督の大きな壁だと思うし、若手日本人監督もよくここに当たって、苦戦してしまうところがあるのではないかと思います。
 江尻監督もすでに若手指導者とは言い難いですが、監督としての経験は浅いだけに、そこを乗り越えられるかどうかが問われるのではないでしょうか。