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逆境でこそ頑張れる人材が現れるか

 試合の話をする前に、14日に京都戦でのルール違反者に対する処分について、ジェフ公式サイトで処分内容が発表されました
 詳しい経緯はわかりませんが、発表しないことに対する反発の声も多かったのでしょうか。


 処分の重さに関しては基準が決まっているものでもないですし状況次第でもあるでしょうから何とも言えませんが、処分者が4人も出たことに関しては若干意外な印象もありました。
 クラブの対応が後手に回った印象もなくはありませんが、ルール違反者に対してしっかりと対処する姿勢を見せたということで、その点に関してはひとまず良かったのではないでしょうか。
 他クラブの対応などから考えるに、出来て当然といった印象もなくはありませんが。
■チャンスを作るもセットプレーから2失点
 ジェフは怪我などがあったのか菅嶋がベンチ外で、井出が左SHに入り右SHに船山が回って、スタメン復帰した町田が中央に。
 イが出場停止で若狭がスタメン復帰し、富澤がベンチに回ってアランダと長澤のボランチに。
 ベンチには岡野、多々良、山本が入り、勇人と比嘉が外れました。
 比嘉は前節もスタメンから外れていますし、どこか状態が悪いのでしょうか。


 松本はパウリーニョが出場停止ですが、DF飯田が出場停止明けでスタメン復帰。
 前節リベロに入った岩間が、ボランチに戻りました。
 その他のメンバーは変わっていません。



 10分、ジェフの攻撃。
 阿部からグラウンダーのパスを受けたエウトンが、中央に入ってきた船山にワンタッチパス。
 船山が右足で合わせますが、ジャストミートせず。


 17分、ジェフは決定機。
 井出が相手のロングボールを拾ったところから、ゴール前の町田に繋ぐと町田が相手をいなして左サイドのエウトンへ。
 エウトンが足元でシュートを放ちますが、ゴール右を逸れます。


 ジェフは良いスタートを切っていました。
 町田が井出がうまく絡みパスをテンポよく回し、守備でもバランスよく対応して、相手に形を作らせませんでした。
 ただ、この試合では高い位置までボールを持ち込むことが出来たものの、最後のところで崩し切れず得点が奪えません。



 その後もジェフ優勢で試合を進めますが、30分には松本の攻撃。
 ピッチ中央付近からのFKをファーで折り返し、工藤がシュートを放ちます。
 しかし、ゴール前で近藤がブロック。


 そして、37分に松本のゴール。
 左サイド距離がある位置からのFKを宮阪が蹴り、中央で後藤が折り返して工藤が抜け出す形となってゴール。
 FKからの展開でしたが、工藤をフリーにしたことが問題でした。


 飯田が外から中に入ってきたため、近藤が中央に釣られて後ろから出てきた工藤を空けてしまったように思います。
 松本としては、狙い通りの動きなのかもしれません。
 流れとしては悪くなかったジェフですが、セットプレー一発でやられてしまいました。



 続いて、42分。
 松本のFKの場面で、ゴール前の若狭が高崎に前を取られてPKとイエロー2枚目で退場。
 これを高崎が決めて、0-2とします。


 密集地帯から前を取られた形ですが、高崎に前を取られていたとしても、その前の長澤が跳ね返せていたように思います。
 若狭は無理に相手と競らなくていいところで、相手を倒してしまったということになります。
 非常に勿体ないプレーでした。


 退場者が出たジェフは、井出に代えてルーキー岡野をCBで投入。
 エウトンを1トップにして、右に町田、左に船山を置いた4-4-1の布陣に変更しました。
 0-2で前半を折り返します。
■CKから失点し0-3で敗戦
 後半はジェフが1人少なくなったこともあって、スペースが出来ていきます。
 48分にはジェフの攻撃。
 丹羽からの鋭いクロスにファーで船山が待ち構えますが、GKシュミット・ダニエルが弾き出します。



 51分、松本の攻撃。
 那須川のクロスボールのこぼれ球を、宮阪が拾ってミドルシュート
 これは岡野がブロックしますが、石原が奪い返してパスを受けた宮阪が再びミドルシュートを放つも枠の外。


 そして、54分。
 松本の右サイドからのCKを一度はGK佐藤が弾き出しますが、こぼれ球を拾われゴール前で混戦状態に。
 最後は飯田が詰めて、0-3とされてしまいます。



 65分にはジェフのチャンス。
 左サイドからのCKを船山が蹴ると、相手DFが触ってGKの裏へ。
 町田が拾ってシュートを放ちますが、相手DFに当たってゴールならず。


 点差が開いて、松本は後方でゆっくりボールを回し、じっくり攻める時間が増えていきます。
 逆にジェフは前半から飛ばしていたのか、1人少ない分負担が大きいためか、全体の運動量が上がっていきません。
 松本は69分、石原に代わって山本を投入。



 75分には、高崎に代わって三島を投入。
 その直後、ジェフの阿部が負傷し、北爪を代わりに投入。
 右WBに北爪が入り左WBに町田が回り、丹羽を含めた3バックで3-4-2のような形になっていきました。


 78分、松本の攻撃。
 左サイドからのスローインから、三島が粘ってゴール前に供給。
 CK直後でゴール前に残っていた後藤がシュートを放ちますが、GK佐藤が弾き出します。
 83分、ジェフは町田に代えて吉田を投入し、そのまま左サイドに入りました。



 84分には、ジェフのチャンス。
 左サイドのスローインから、長澤がキープして中央のアランダへ。
 アランダが船山に繋ぐと、船山がエウトンへスルーパス
 エウトンがゴールを狙いますが、枠を逸れます。


 87分、工藤に代えて前田を投入。
 その直後、松本のチャンス。
 宮阪の縦パスから、田中が右サイドを飛び出しクロス。
 中央の前田は空振りするものの、那須川がシュートを狙い枠の外。 



 後半アディショナルタイムには、ジェフがゴール前で直接FKを獲得。
 船山が蹴りますが、壁にあったてゴールならず。
 前節に続いて0-3で敗戦となってしまいました。
■『守備のメンタリティ』を持ち直すことが出来るか
 前半失点するまでは、悪くない流れだったと思います。
 前節から中央で縦パスを入れられるようになりましたが、そこからの形が作れなかった。
 しかし、この試合では町田が中央に入ったことで、様々なところに顔を出し縦パスを引き出す、落とす、受けるといったプレーが出来ていた。
 加えてそこに船山や井出も絡むことで、縦パスを出して落として終わりではなく、前にボールを持ち込むことが出来た。
 松本の中央も厚く完全に崩せた回数は少なかったですが、少なくとも京都戦よりは良い形でボールを回すことが出来ていたと思います。



 町田の前線起用は、前からのプレスを期待したのか。
 相手は3バックで4バックの時以上にFWが追わなければいけない人数が増えるため、町田をFWに置いたということだったでしょうか。
 または中央での方がパスワークに絡みやすいので、そこを期待したのか。


 井出は前節に続いて左SHでの起用でしたが、左サイドの方がフィットするという判断だったのか。
 あるいは阿部に推進力がないので、前で縦に行ける選手を置きたかったということなのかもしれません。
 また、船山とともに縦にも行ける選手を両サイドに置くことで、相手WBを押し込みたかったのか。



 実際、うまく相手WBを押し込むことに成功し、試合序盤は流れを掴むことが出来た。
 また町田のパスワークに対する絡みも良かった。
 その分、船山のように裏を取るようなシーンはなかったかもしれませんが、ある程度プラン通り出来ていたところはあったと思います。


 しかし、アタッキングサードでの鋭さなどはもう1つ。
 エウトンの決定力の問題などもありましたが、失点までにもう何回かゴールに迫りたいところでした。
 ここは今後の大きな課題と言えるのでしょう。



 ただ、失点し退場者が出てからも、攻撃における良い流れは残っていたと思います。
 84分の長澤、アランダ、船山、エウトンと繋いだ展開も悪くはなかったし、京都戦以上に前を向いてプレーすることが出来た。
 その回数と最後の質には物足りなさを感じたものの、全体的な攻撃の流れはそこまで悪くなかったと思います。


 しかし、守備に関しては、ここ最近さすがに失点が多すぎる。
 特に長谷部監督は守備からスタートしただけに、これだけ失点が多いとどうしても厳しい状況になりますね。
 今回もセットプレー絡みでの3失点ということで、前節京都戦と同様に崩されてやられたわけであはありません。
 そうなると、局面での守備能力の問題が大きいのでしょうか。
 


 1失点目も近藤が飯田に付いていかなければ、工藤の前は空かなかったはず。
 しかも、近藤は手を上げていたため飯田をオフサイドと思っており、前には味方選手もいたわけで飯田についていく必要性があったのか…。
 2失点目も若狭が倒さなければ、長澤が前で弾いていたはず。
 どちらも残念な失点だったと思います。


 守備の危機察知能力の問題なのか、ボールサイドに寄り過ぎたり、人だけを見たりといった視野の問題なのか…。
 単純にセットプレーの守備が弱いとも言えるのかもしれませんが、決して普通に競り合って負けたというパターンもない。
 かといって、組織的に守備が崩壊しているわけでもないと思います。


 失点が多い理由に関して、「これだ」というものを言い切れず。
 あえて言うのなら、局面における守備の対応能力のなさなのでしょう。
 しかし、それだけではここ数試合で、急に失点が増えてしまった理由にはなりにくいようにも思います。
 


 実際、ここ数試合は焦りもあったと思うのですが、ここにきてプレーオフ進出が遠のきメンタル的な部分にきている部分もあるのでしょうか。
 プレーオフ進出を目指して丁寧に守るところからスタートした長谷部監督ですが、その目標が遠のいたことで丁寧にやらなければいけないところがやり切れていないのかもしれない。
 あるいは、ここ数戦勝ちに行くため前に出ていった結果、守備が雑になってしまった流れが続いているのでしょうか。
 「大事なところでやられてしまう、ミスをしてしまう」といった印象も強いですね…。


 ミラー監督は失点が増えた時に「メンタリティ」の問題に関して話していた記憶がありますが、能力や組織だけでなく精神面だとか意識的な問題もあるということなのでしょうか。
 そういえばあの時も大幅に選手が入れ替わった後で、その後ジェフはJ2に降格してしまったわけですが。
 "失点癖"なんて言葉もありますし、「守備のメンタリティ」を立て直すことが早急に求められるところなのでしょうか…。



 ちょっと今は我慢をしなければいけない期間に、入っているのかもしれませんね。
 ここで我慢をして、壁を超えられるのか。
 そして、こういった逆境でこそ、頑張れる人材が現れるのか。
 選手ももちろんですが、監督やサポーターも問われる状況になってくるのかも知れません。