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2024シーズンを振り返る 攻守に活躍したJ2アシストランク2位田中和樹

 ジェフ2年目のプレーとなった田中。
 1年目から右SHの主力選手として活躍してくれましたが、昨年はより一層攻守にレベルアップした選手だと思います。

 攻撃においては、右サイドで良い態勢で仕掛けられれば、ほぼ相手に負けていなかったし、スピードを生かした飛び出しでチームを牽引。
 他選手も攻撃に困った時には田中へ展開するといったプレーが珍しくなかった印象で、カウンターでも大きな武器となっていたと思います。
 シーズン途中からは右サイドへのマークも厳しくなり、田中を警戒してスペースを消されることが増えていきましたが、それでも十分に田中の仕掛けは武器となっていたと思います。


 何と言っても2024年の田中にとって大きかったのは、ラストプレーの精度が上がったこと。
 2023年の田中はボールを持ってもまだ粗削りで、勢いでボールを蹴るようなシーンも多かったと思いますが、昨年は確実なプレーが増えていった印象でした。
 それは数字にも表れていて、2023年の田中は2ゴール4アシストでしたが、2024年は5ゴール9アシストとゴール数もアシスト数も伸びています。

 9アシストはJ2アシストランキング2位タイとなるのですが、同じく2位タイだったいわきの山下は1ゴール9アシスト。
 アシスト王となった横浜FCの福森は2ゴール14アシストだったわけですから、田中の5ゴールは見事な成績だと思います。
 クロスの精度が上がっただけではなく、ゴール前に飛び出していくプレーも効果的に出来ていて、それによって成績が伸びたのではないでしょうか。

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 J2得点王とMVPに輝いた小森の活躍もあって、そこまで目立たなかったかもしれませんが、小森がいなければクラブMVP級の活躍を見せてくれたと思います。


 しかも、田中の場合は守備での貢献も極めて高く、SHながらハイプレスのファーストディフェンスになることも多い。
 SHからスピードと運動量を活かして、相手CBまでプレスに行くことも多かっただけではなく、中盤までしっかりと戻って対応することができる選手。
 守備で広範囲をカバーしていて、1人で何度も負い直し、ボールを奪いきってしまうことも珍しくありませんでした。

 ハイプレスに行っても行ったきりで戻ってこないSHも多いですが、田中はさぼらずしっかりと戻る非常に献身的なプレーできる。
 さらにフィジカルもあるので、ボールを奪いきれる強さがあることも非常に重要で、そこが岡庭などとは少し異なるところだったと思います。
 正直チームとして無謀にも感じるハイプレスをかけていった時もあったと思うのですが、それを成立させていたのも田中の存在が大きかったと思います。


 それだけの選手だったわけですから、今オフにJ1チームなどへ流出する可能性も心配していました。
 しかし、12月上旬には、ジェフ残留を発表しています。

jefunited.co.jp

 このリリースで「この決断を自分自身で必ず正解にします」とコメントしていますし、移籍のオファーはあったものの、残留を選んでくれたということなのかもしれません。
 また、2列目の日本人アタッカーは優秀な選手が多いですから、そこまで良いオファーはなかったという可能性もあるでしょうか。


 今季の不安材料を考えると、田中がハイプレスとサイド攻撃というチームのベースを支える存在だからこそ、田中が怪我などでいなくなった場合に、どう対応するのかといった点。
 昨年は岡庭が控えていましたが、今年はそのまま代わりとなれる存在が考えにくい状況だと思います。
 大卒新人の岩井に期待しているのかもしれませんが、岩井がすぐにプロで通用するのかに関しては、予想がつきにくいところがあります。

 田中に関してはエースの小森も抜けてしまいましたし、よりチームを引っ張る存在として期待されるのでしょう。
 ただ、あまり田中に頼りすぎる状況になるのもよくないと思いますし、チーム全体で攻守両面を作れるようになっていきたいですね。