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ジェフ経営情報'25 「移籍金収入」「スポンサー収入」などの増加で収益30億円突破

 今年もJクラブの経営情報が発表されていますので、まとめていきたいと思います。
 ただ、勘定科目等々に変動があるだけに、過去の決算と細かく比較するのは難しい状況です。
 他クラブとの比較はしやすくなっているかもしれませんが、クラブの変化という観点においては大まかに見ていくしかない状況だと思います。

 まずは『営業収益』の部。

 目につくのは『営業収益』が約32億円と、30億円を突破したことだと思います。
 ただ、ジェフは、以前にも『営業収益』が30億円を超えていた時期があります。

 上記の表では、過去の勘定科目などが大きく異なるため、過去6シーズンを記載していません。
 しかし、その過去6シーズンを追加した『営業収益』の推移をまとめると、このようなグラフになります。

 2007年度には約31億円、2008年度には約36億円近くまで、『営業収益』が拡大していました。
 もっとも、2007年と言えば当時国内最高額とも言われた推定3億5000万円の移籍金で、阿部勇樹が浦和に移籍した年。
 さらに、2008年は水本、山岸、羽生、勇人などが移籍した年ということで、移籍金による収入が多い2年間でもあったと思います。


 今回の増加分を見ると、まず「スポンサー収入」が約9000万円ほど増えています。
 また、「入場者料収入」も約8000万円ほど増えているのですが、最も増加が多かったのが「物販収入」でここだけで約1億円増えていることになります。
 その他の科目も好調で、全体として約5億5000万円ほど増加しました。

 観客が増えたことによって、 「入場者料収入」だけでなく、「物販収入」も増加したということでしょうか。
 ここ数年はコロナ禍からの回復もあって、音楽ライブなどエンタメ業界が好調な印象もありますので、サッカー界もその恩恵を受けているようにも思います。
 もっとも、ここ最近は再び新型コロナ感染者が増え、知人の職場でもつい先日クラスターが発生するなど、新型コロナウイルスは夏に流行する傾向も出ていますので、再び注意しなければいけないと思います。


 また、今回から新たに「移籍関連補償金等収入」の科目が増えており、ここだけで約2億7000万円も稼いでいます。
 科目が増えたとはいえ新事業などではないですから、過去にも計上されているわけですが、他クラブの過去の公表などによると「その他収入」などに「移籍金収入」を計上していたようです。
 そこでジェフも「その他収入」を見てみると、むしろ今年にかけて増加していますので、「移籍金収入」が大きく増加している可能性があります。

 次に『営業費用』の部を見ていきましょう。

 前年までにも取り上げたとおり、「チーム人件費」の計上方法が近年は変わっており、比較しにくい状況となっています。

yukkuriikou.hatenablog.com

 簡単に説明すると、Jリーグが発表してきた「クラブ決算一覧」をまとめて表にしているのですが、2022年度から「チーム人件費」がやたらと少なくなっていました。
 そこでJリーグが別資料として配布している、Jクラブの経営を分析した「クラブ経営情報開示資料」を見ると、同じように「チーム人件費」と書かれていますが、異なる数字が出ていたという流れでした。
 「チーム人件費」の一部が別の科目に、計上されたのだと思われます。

 さらに、今回から「移籍関連費用」の科目が追加されており、ここだけで約2億4000万円が計上されています。
 前著の他クラブの資料などによると、「移籍関連費用」は過去に「チーム人件費」などに含まれていたようです。
 しかし、その「チーム人件費」の扱いも変動が激しいだけに、過去とは比較しにくい状況となっていますね。


 改めて、『営業費用』を見ていくと『営業収益』は伸びていますが、「チーム人件費」は約1600万円しか増えていないことに。
 ただ、他の科目も大きく増減していないことなどから考えると、「移籍関連費用」は増加しているのではないかと思いますし、「移籍金収入」増加分をそのまま「移籍金費用」に充てた可能性もあるのかもしれません。
 また、「その他売上原価」は約1億2000万円も増加しており、グッズ制作の費用などに力を注いだのかもしれませんので、「物販収入」に関しても増えてはいますが、利益はあまり出ていない可能性もあるのでしょうか。

 さらに、気を付けて見なければいけないのは、「販売費及び一般管理費」が2022年度からは『営業費用』の項目から外れていること。
 「販売費及び一般管理費」と『営業費用』を合計した「総費用」を計算すると、約31億5500万円となっています。
 そのため、『営業利益』でいえば、そこまでのプラスにはなっていません。

 「特別損失」も約1700万円計上されているため、最終利益は約1600万円どまりとなっています。
 前年は5400万円の最終赤字でしたし、近年を総合して見ると大きな利益が出ていない状況と言えるでしょう。
 もっとも、ジェフにとって大事なのは利益を出すこと以上に、経営規模を拡大することと言えるかもしれませんから、赤字が続かなければ大きな問題ではないのかもしれません。

 御覧の通り、資本面にも大きな問題はなく、債務超過の不安は少ない状況となっています。

 今年の新体制発表会における島田社長によると、今年から昨年にかけて、古河電工に思い切ったバックアップをしてもらったとのこと。
 それもあって、収益30億円も突破して、経営規模が拡大したのかもしれません。
 ただ、そこまで「スポンサー収入」が極端に伸びたわけでもないですので、次回の決算でより明確に数字が出るのかもしれません。

 実際、今年はデリキ、スアレス、カルリーニョスなど、予算のかかる外国人選手を中心に積極的に補強に動いている印象もあります。
 特にカルリーニョスはチーム始動後も清水と交渉を続けていたことを反町GMが明らかにしていますし、それ相応の金額が動いたのではないでしょうか。
 来季の秋春制になればまたお金の動きも変わってくるかもしれませんし、今季昇格することがやはり大事な状況ではないかと、改めて言えるのではないでしょうか。