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第11節 ジェフ 1-2 秋田 気持ち良く攻め込むも1点しか取れず1人少ない相手に逆転負け

 試合は序盤から、ジェフが押せ押せの展開でした。
 相手のサイドや裏を積極的に取って、チャンスを作っていく。
 ここ数戦の流れからも、現在のジェフはコンディションが良いのかもしれません。

 しかし、秋田の守備も非常に粘り強かった。
 特にゴール前の守備が硬く、あれだけジェフがペナルティエリア内に侵入しても、簡単にシュートを打たせるシーンは、ほとんどありませんでした。
 ジェフの精度の問題もありましたが、秋田は攻め込まれてもなるべくコースを限定する対応をしてきたため、ゴールを奪うという部分で苦労したところがあったと思います。


 それだけに、ジェフはもっと攻撃にアイディアが欲しいところだったと思います。
 サイドや裏だけではなく中央を攻めたり、タメを作ったり相手を揺さぶったり。
 縦一辺倒だけでは、相手の守備もリズムを掴みやすいはずです。

 結局、大分戦でも攻勢を仕掛けることが出来たジェフですが、1点しか取れずに勝点1止まりで、あの試合を良しとしてしまったのであれば、それこそが大きな問題だったのではないかとも思います。
 今回も気持ちよくは戦えましたが勝ちきれずということで、ジェフが攻めているように見えて、試合を掌握していたのは秋田の方だったのかもしれない。
 大分戦と相手のスタイルは異なるものの、問題はジェフの方にあるのではないかと思います。

■一方的に攻め込むもゴールを奪えなかった前半

 ジェフは小林が控えにまわり、田口がスタメン。
 控えから佐々木、呉屋が外れて、風間と今季加入の林が入りました。
 品田がアンカー、田口が左インサイドに。

 好調秋田はスタメンを継続。
 昨年松本でJ3得点王となった小松などが、起用されています。
 サブでは加賀、中村にかわって、才藤、丹羽が入っています。


 4分、ジェフの攻撃。
 左後方の日高からロングパス。
 田口が裏を取ってシュートに行きますが、ジャストミートせず。

 11分、ジェフのチャンス。
 中盤左の日高からスルーパスが出ると、横山がポケットを走り込んでラストパス。
 小森がシュートに行きますが、枠の外。


 13分にもジェフのチャンス。
 中央よりの高橋から縦へスルーパス。
 田中が裏を取ってクロスを上げますが、小森には合わず。

 ジェフは立ち上がりから裏とサイドを突き、圧倒的に攻め込む展開に。
 しかし、なかなかゴールは生まれず、30分過ぎから若干勢いが落ち着いていきます。
 秋田もジェフの攻撃に慣れてきた印象があり、簡単には攻め込めなくなっていきました。


 44分、秋田のチャンス。
 左サイドから蜂須賀のロングスロー。
 こぼれ球を秋田が拾って、蜂須賀がミドルシュートを放ちますが、バーの上をかすめます。

 その直後にはジェフの攻撃。
 左サイドからのCK。
 品田が蹴って田口が合わせますが、ゴールの右に逸れて無得点で折り返します。

■1人退場者が出るも終盤の2失点で逆転負け

 46分、秋田の蜂須賀がアフターで田中へスライディングにいき、2枚目のイエローで退場に。
 そのプレーで得た右奥からのFKで、ジェフのチャンス。
 日高がグラウンダーで中央に送ると、小森がシュートを放ちますが、枠の外。

 50分、1人少ない秋田は小松、梶谷を下げて、才藤、青木を投入し、才藤が左SBに入る4-4-1に。
 その直後にもジェフの攻撃。
 田口がダイレクトで右前へスルーパスを送ると、小森が走り込んでクロスを上げ、椿がボレーで狙いますが、大きく外れます。


 60分、ジェフは相手と接触し脳震盪疑いの椿と田中を下げて、ドゥドゥと岡庭を投入。
 66分、ついにジェフが先制。
 品田からの浮き球のパスを前線に上がっていた鈴木大輔が折り返し、小森が狙ってこぼれ球を詰めて田口がゴール。

 67分にもジェフのチャンス。
 相手の攻撃を凌いだところから、横山、品田と繋いで、岡庭が縦に走り込んでいってクロス。
 横山が飛び込んで頭で合わせますが、GK囲がファインセーブ。


 70分、秋田は佐藤、畑を下げて丹羽、大石を投入。
 75分、ジェフの攻撃。
 高橋のアーリークロスに田口が競り勝ちシュートに行きますが、GK囲がセーブ。

 80分、相手のミスからジェフの攻撃。
 秋田の後方へ流れたボールを小柳が処理しにいきますが、小森がプレスにいくと相手がキックミス。
 小森は遠い距離からそのままシュートに行きますが、ゴールの右へそれます。


 1人少なくなった秋田ですが、前半から大きく展開は変わらず、攻め続けるジェフに秋田も粘り強く守っていました。
 82分、ジェフは小森、横山を下げて、林、風間を投入。
 86分、村松を下げて、半田を投入し、3バックに変更。

 ジェフが追加点を奪えずにいると、88分、秋田が同点ゴール。
 秋田の左サイドのスローインから、セカンドボールを秋田が拾うと、大石が縦パスを送り、岡崎がポストプレー。
 半田がミドルシュートを決めて1-1。

 92分、ジェフのチャンス。
 日高からの縦パスから田口が風間とワンツーでラストパス。
 鈴木大輔が狙いますが、枠の外。


 94分、秋田の攻撃。
 高橋のキックミスを中盤で拾ったところから、左サイドで繋いで大石がクロスを上げると、こぼれ球を青木が狙いますが、品田のハンドでPK。
 これを青木が蹴りますが、ここはGK藤田がファインセーブ。

 しかし、このこぼれをジェフがクリアしてCKに。
 これを大石が蹴ると、才藤が中央で合わせて1-2に。
 ジェフは最後までもう1点を狙いに行きますが、決まらず逆転負けとなってしまいました。

■相手が捨てたサイドを取って気持ち良くなっていては

 秋田は前節対戦した大分と同じシステムの4-4-2で、中央を絞ってコンパクトに戦う守備。
 それ故にジェフは後方からパスを展開し、サイドや裏を積極的に突いていきました。

 ただ、この展開は秋田もある程度、織り込み済みだったのではないかと思います。
 あまりサイドの守備を修正することもなく、裏を警戒して極端に全体のラインを下げることもなく、プレスに行ける時は行く。
 そして、ゴール前の最後のところで、跳ね返せばOKという戦い方だったと思います。


 ようするに、押せ押せだったジェフではありますが、秋田としてはいつも通り。
 我慢し慣れているチームなので、混乱することもなく戦えていたのではないでしょうか。
 サイドからのクロスやCKに関しては、蹴られても良いという考えていたのではないかとも思います。

 ゴール前や球際で粘って耐えつつ、相手の勢いが落ちたところで、カウンタ―やセットプレーからゴールを狙う。
 後半開始早々の退場で若干プランが変わったところもあるのかもしれませんが、それでもやることは変わらなかった。
 ジェフの疲れも見えて、攻め慣れて油断した試合終盤、選手交代でスイッチを入れて一気に攻めて、2点を奪って逆転勝利となりました。 


 秋田の荒いプレーに関しては褒められたものではなく、実際に退場者も出てその代償も負ったわけですが、局面の守備対応に関しては素晴らしいところがあると思います。
 秋田の守備はフリーな選手をそうそう作らないし、少し遅れても必ず詰めに行く。
 それによってジェフはペナルティエリア内に入れたとしても、簡単にはシュートを打てなかったし、打てたとしてもコースが制限されていたため、なかなかゴールを奪えなかったところがあると思います。

 そのため、単純に最後の精度だとか、決定力の問題だけではない試合だったと言えるのではないでしょうか。
 相手の守備をうまく揺さぶったり、変化をつけてかわすことによって、秋田をもっと混乱させなければいけなかった。
 そうなると、個人の能力だけでなく、チームとしての課題もあると思います。


 結局のところ、秋田はサイド攻撃に関しては、やられても良し。
 その分、中央に絞って跳ね返す攻撃をしているのですから、ジェフはサイドを取って喜んでいる場合ではなかった。
 もっと中央でも起点を作ったり、パス交換をすることで、中からも攻撃を作りたいところではなかったかと思います。

 大分戦でも感じましたが、守備側からすれば当然サイドよりも中央を取られたくないわけで。
 そのサイドをどんどん取って気持ちよくなっているだけではダメで、勝つためにはもっと決定的なエリアで、攻撃を仕掛けていかなければいけないのではないかと思います。
 そこが良いチームから強いチームに進化するためにも必要な要素ではないかと思いますし、もっとシビアに攻撃面を見つめていってほしいところですね。

第11節 ジェフ対秋田 プレビュー 堅守の秋田を相手に前を向いて戦えるか

 先週のサッカー関連の記事で、少し気になったものがありました。
www.football-zone.net

ブラジルでダービーで、こういう追いつかれ方をしたら警察沙汰になっている。それが普通。僕らが一周、スタンドを周る時も拍手を送っていてくれるサポーターもいましたが、そういうのはあってはいけない。我慢強く拍手を送ってくれたことには感謝したいけれど、もっと厳しく選手に対応していいと思う

 オシム監督も常々、サポーターに厳しさを求めていたことを思い出しました。

 ダメな時はダメだとはっきり訴えるべきだとよく話していて、そういった厳しさが勝者のメンタリティを育むという発想ではないでしょうか。
 特に海外の選手や監督には、日本のサポーターが時折優し過ぎると感じるところがあるのかもしれませんね。
 特に昨今はSNSで自分の"推し"に対して、ポジティブな意見ばかりが受ける印象もありますが、そればかりでは"推し"を甘やかしてしまうし、厳しい目も必要なのかもしれません。


 ジェフは1-1の引き分けに終わった前節大分戦に関しても、試合内容は悪くなかったと思います。
 しかし、自分たちのやりたいサッカーが出来て、気分的に気持ちよく戦えて満足してしまうというパターンが、一番まずいような気もします。
 やりたいサッカーが実現できたにも関わらずそれでも勝てなかったとも言えるわけで、良いところを取り上げることももちろん大事ですが、なぜ勝てなかったのかもしっかりと追及してほしいところですね。

 その大分戦では特に前半、低い位置からビルドアップを開始して、ワイドに大きく展開する。
 外から外への攻撃が機能して、攻勢を仕掛けられていたと思うのですが、それが秋田相手にも通用するか。
 秋田は今年も堅守を維持しており、10試合で失点7はJ2で2番目タイに少ない数字となっています。

www.jleague.jp

 今季ここまでの秋田は、4勝3分3敗の勝点15で8位。
 ジェフは4勝2分4敗の勝点14で10位ですので、秋田の方が上に立っています。

 秋田のスタイルは今年も変わらず、フィジカルを駆使した激しいサッカーを展開しています。
 守備では運動量をベースに相手を囲いに行って、球際で厳しく潰してくる。
 そこでボールを奪って、素早いカウンターを仕掛ける攻撃が武器となっています。


 長いボールを積極的に使い、セカンドボールを拾ってチャンスを作る。
 さらに、セットプレーとロングスローからの攻撃も脅威ですね。
 今年もラフなプレーが多く、対戦相手としては怪我などにも注意しなければいけないところがあると思います。

 今季開幕時の秋田はあまり動きが良くなかった印象で、守備で前から行けず、後方で跳ね返す展開が多かったと思います。
 さらにカウンター時のスピードや人数のかけ方も甘く、攻守に勢いを感じない状況でした。
 開幕戦愛媛戦を0-1で落とすと、第2節山口戦も0-2で敗戦しています。


 しかし、そこから徐々にコンディションを上げていき、第3節徳島戦で2-1で今季初勝利
 そこからは第6節清水戦しか落としておらず、ここ最近4試合も2勝2分。
 前節岡山戦も0-0で引き分けてはいますが、秋田の方がチャンスを作っていたように思います。

 秋田のようなフィジカル中心のチームはコンディションが大きく左右するところがあると思うので、結果的に好不調の波が出来やすいのかなと思います。
 それでも上位を目指すチームではないので、調子がいい時に勝ち点を稼げれば良いという判断なのかもしれません。
 ジェフも調子の波を感じる部分がありますが、昇格を目指すのであれば、もっと安定感のあるチームを目指さなければいけないと思います。


 ジェフとしてはホームとは言え、好調秋田相手ということで、難しい試合となるかもしれません。
 秋田がハイプレスをかけてきて、前を向けない状況となると、嫌な試合展開になってしまうのではないでしょうか。
 逆にジェフが押し込んで先手を取る試合を展開した方が、戦いやすくなってくるかもしれませんね。

 ジェフもここ3戦は負けていないとはいえ、8-0の大勝を上げた栃木戦は評価しづらく、1-0で勝利した徳島戦は内容も拙かった。
 大分戦では良い内容で戦えたものの、1-1の引き分けと勝ちきれなかったわけで、状態が上向きと言えるのかまだ何とも言えない状況ではないかと思います。
 良い形でゴールデンウィーク連戦を迎えるためにも、しっかりとした試合をしてホームでの勝利を期待したいですね。