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CB2人を欠く讃岐相手に先行逃切を果たせるか

 今年のゴールデンウィーク、ジェフのホーム・フクアリのある蘇我スポーツ公園ではJAPAN JAMが開催されます。
 その影響もあってか、ジェフは3日、7日とアウェイ連戦になります。


 ただ、連戦中の対戦相手は21位讃岐と20位金沢ということで、下位との試合が続きます。
 ジェフは4月初旬、まだ闘莉王をFWで起用しておらず迷走していた京都と最下位の群馬との2試合で、合計勝点2しか稼げませんでした。
 今度こそ、ここで勝点を伸ばしたいところではないでしょうか。



 明日対戦する讃岐は北野監督が就任して、今年で8年目を迎えます。
 2010年に就任1年目で四国リーグからJFLに昇格すると、2013年には入れ替え戦の末J2昇格に導きます。
 J2初年度はJ2で21位に終わり、入れ替え戦にまわるものの何とか残留。


 15年は前年の反省を活かして守備を立て直し、リーグ最少失点数に。
 しかし、得点も最も少ないチームとなってしまい、16年からより攻撃的にカウンターから細かくパスを繋ぐサッカーを目指している印象です。
 今年もその方向でチーム作りを行っていますが、ここまでのところ1勝4分5敗と苦戦しています。



 基本的には相手の良さを消し弱点を突くサッカーで、それにより選手起用やシステムなども柔軟に変更してくるチームだと思います。
 守備においては引き気味に守りながら粘って対応し、そこからボールを奪って素早くパスを繋いでいき、縦に仕掛ける形を作り上げる。
 特に今はバイタル付近でパスを繋いで、相手のSBとCBの間を2列目がドリブルで抜け出す攻撃を狙っているのかなと感じます。


 J2の中でも経営規模の小さいクラブですから戦力的には厳しい面があると思うのですが、それでもうまくやりくりしてここまで戦ってきているチームだと思います。
 昨年も本来はFWの我那覇やアランをDFとして起用するなど、驚きの采配を見せていました。
 それでも選手たちは伸び伸びとプレーしている印象があり、それだけ選手の持ち味を引き出せているとも言えるのかもしれません。
 町田に移籍した藤井などは、その讃岐で育って次の舞台に羽ばたいた選手と言えるのではないでしょうか。



 ただ、その藤井などが抜けた影響もあってか、今季はこれまで波に乗れていません。
 ここ4戦は勝星なしで、前々節岐阜戦では1-3の敗戦。
 前節松本戦では、0-4の大敗を喫しています。


 松本戦では、試合序盤から相手の前への圧力に苦しむ時間帯が続きました。
 ただ、それでも粘ってカウンターという展開が、讃岐のパターンともいえるのでしょう。
 しかし、13分に松本が右サイド奥で得たFKを宮阪が蹴ると、高崎がうまく足元で合わせて先制します。



 その後も讃岐は松本の1トップ2シャドーをうまく捕まえきれず、何とか凌ぎつつつカウンターを繰り出す展開に。
 しかし、70分に李栄直がPA内でハンドを取られ、2枚目のイエローを受けて退場。
 松本はそこで得たPKを、高崎が決めて点差が開きます。


 さらに67分には、エブソンも2枚目のイエローを受けて2人少ない状況に。
 そのファールで得たFKから、後藤が押し込んで松本が追加点。
 試合終了間際にも岩間がドリブルの仕掛けからダメ押し点をあげ、0-4で試合を終えます。



 讃岐としては、大変厳しい試合となってしまいました。
 しかも、ジェフ戦では、李栄直とエブソンの主力CB2人が出場停止。
 やりくり上手な讃岐とは言え、準備期間も短いだけにどれだけ穴を埋められるか。


 ただ、松本戦では2人退場者が出たにもかかわらず、最後まで選手たちが気持ちを切らさず戦っていました。
 2人退場者が出て選手たちが集まって話し合う姿も見られ、退場によって団結力が高まった部分もあったのかもしれない。
 それがジェフ戦でも続くようであれば、ジェフとしては嫌なところかもしれませんね。



 前節のジェフは苦戦したとはいえ徳島を相手に2-0で勝利したわけで、その波に乗って連戦をこなしていきたいですね。
 ただ、前半に1人でチャンスを作っていたところがある、清武が試合中に負傷したことは若干気になります。
 大きな怪我でなければよいのですが、連戦なだけに無理はしてほしくない気持ちもあります。


 また、ポストプレーからの展開をチームとして狙っていくのであれば、よりそれを成熟させていきたいところではないでしょうか。
 サイド後方からサイド前方に繋ぎ、大外からクロスを上げるだけでは攻撃にも限界があると思います。
 最終的にゴール前で勝負しなければいけないわけで、中央で何が出来るかが今後のポイントとなるかもしれません。



 2人の出場停止選手がいるとはいえ、讃岐は相手の特徴を消すのが得意なチーム。
 松本戦などでも感じましたが、今年のジェフは極端なサッカーをしているだけに、対策がしやすいところがあると思います。
 名古屋や山口のように自分のサッカーを貫こうとするチームの方が、ジェフとしては戦いやすいのかもしれません。


 讃岐はいやらしい相手とも言えますが、現在は下位に沈んでいるわけで、ジェフとしては勝点3が欲しいカードではないかと思います。
 讃岐は相手対策は得意とはいえ、守備時のゴール前での局面に脆さがある印象です。
 毎年J2下位チーム低迷するチームは守備時の局面に脆さを感じますし、金沢などもそこに苦しんでいる印象です。



 今年のサッカーを考えると、ジェフとしては早めに点を奪って逃げ切る形が理想ということになるのでしょうか。
 基本的には受けて守る方法を考えていないはずなだけに、先行逃げ切りで勝負をかけるしかない。
 ここから暑くなりますし連戦も増えてきますが、90分間を考えたゲーム運びよりも、ともかく先に点を取ることが目標となるのかもしれません。


 逆に前半のうちに点が取れないと、山口戦、讃岐戦のように後半から中盤にスペースが出来はじめ、裏を取られる危険性も増してくる。
 ジェフは前半押し込める分、点を取れないと焦りが出てくるかもしれない。
 そうならないようにするためにも、まずは押し込んでいる時に確実に点が取れる形を身に付けていく必要があるのではないかと思います。
 ここからの2連戦ではジェフが押し込む時間がより長くなるかもしれませんし、その時に攻撃面での鋭さがみられるかどうかが注目となるのかもしれません。