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連動したプレスを展開する4位東京V

 長崎戦では5-0で大勝したジェフですが、トータルでの成績ではまだ苦しい状況。
 スペイン路線の3チームと注目を浴びた徳島、東京V、ジェフですが、現在のところ東京Vが4位、徳島が7位でジェフが12位となっています。


 明日対戦する東京Vのロティーナ監督は、割とオーソドックスなサッカーをしている印象です。
 徳島も細部にこだわるサッカーではあるもののジェフほど奇抜ではないと思いますし、比較的シンプルなサッカーをしているチームから順位が上にきていることになるのかなとも思います。
 もちろんあくまでも現段階ではですが、やはり大事なのはきちんとしたベースを作れるかどうかなのではないでしょうか。



 ロティーナ監督のサッカーの特徴は、連動したプレスにあると思います。
 ファーストディフェンダーが詰めて相手を遅らせたと思ったら、素早く2人目、3人目がチェックについていく。
 この時のスピード、距離感が素晴らしく、チームとして組織だったプレッシングが出来ている印象です。


 中央からサイドへ追いやり、シャドーとWBで囲っていったり。
 前線からプレスをかけてパスを繋がせておいて、そこを狙ってカットしたり。
 攻撃から守備への切り替えも非常に速く、プレスへの動きがスムーズで、練習から緻密に仕込んでいるんだなと感じます。



 攻撃は非常にシンプルで、高い位置で奪ってのカウンターがメイン。
 あるいはアランが足元でためたり、ドウグラスが起点となって2列目が仕掛ける形を作るのが基本なのかなと思います。
 うまくアタッカーが前を向いて良さを出せる形を作ることを、念頭に置いているのではないでしょうか。


 ここ数年の東京Vはユース上がりの活きの良いアタッカーは多かったものの、サイズの問題などもあり守備には不安があったと思います。
 それだけに連動したプレスを中心に守備を作れるロティーナ監督は、課題を補う監督として見事にフィットしているのかなと感じます。
 戦力的には大きく変わっていないと思うのですが、組織的な守備を植え付けたことで成績を伸ばしたチームと言えるのではないでしょうか。



 ただ、3月5日の大分戦から5連勝を上げていましたが、現在は若干勢いが落ちているのかなとも思います。
 前節も21位讃岐を相手にスコアレスドロー
 試合の内容もあまり良くなかった印象です。


 前節の東京Vは序盤から讃岐のプレスに苦しみ、押し込まれることが多かった印象です。
 押し込まれることで前線との距離が間延びしてしまい、縦パスが通らない展開に。
 6分には讃岐のFKからファーで李栄直がヘディングシュートを放ち、危ない場面を作られます。



 それでも、東京Vも前半途中から高い位置でボールを奪う回数が増え、徐々に盛り返していきました。
 38分にはサイドで讃岐の縦を切り、横パスを蹴らせたところでボールをカット。
 最後は高木善朗が強力なミドルシュートを放ちますが、GK清水がファインセーブ。


 後半もう一段ギアを上げたい東京Vだったと思うのですが、試合は一進一退の展開に。
 讃岐はセットプレーから攻め込み、83分にはクロスからのボールを木島が落として武田がフリーで放つ決定機も。
 試合終盤には讃岐の運動量も落ち始めた印象でしたが決定機は作れず、どちらに転んでもおかしくない0-0だったように思います。



 讃岐戦での東京Vは、単純に運動量がもう1つだったかなと思います。
 守備ではプレスがベースで、攻撃時もアタッカーの前への仕掛けが特徴となるだけに、運動量が足りないと辛いところがあるのではないでしょうか。
 攻守に距離感ももう1つだったと思いますし、前に出ていくときの人数も足りないことが多かった。


 また、攻撃時のパスミスも目立ち、変化ももう1つ足りない印象を受けます。
 そこはやはり怪我の井上潮音が、戦線を離脱している影響も大きいのでしょうか。
 そのためなのか、ここ2試合は大ベテランの橋本がスタメン出場しています。



 長崎戦で5-0で大勝を遂げたジェフとしては、前節の勢いのまま戦っていきたいところではあると思います。
 前節のように、勢いが重要なスタイルでもあると思いますしね。
 ただ、前節はうまくいきすぎたところも大きいと思うので、あのイメージだけで戦うのもあまり良くないのかもしれません。


 やはり気になるのは、スタメンではないでしょうか。
 前節はアランダのスタメン起用と町田を後半開始と同時に起用したことは大きかったと思いますが、出場停止などもあってメンバーが代わっただけに次にどのような選択をするのかは読めないところ。
 アランダなどの必要性を改めて感じた試合ではありますが、開幕当初は試合に出ていた選手なだけに、"新発見"と言うには今さらな印象もあります。


 熊谷などが復帰してどういった選択をするのか。
 アランダと町田をインサイドで起用してうまくフォローすれば、アンカーの熊谷も負担は減るかもしれません。
 その分、高橋などは出場できなくなるわけですが、果たして。



 また、東京Vも3節前の金沢戦で長身FWドウグラスが負傷交代して、前々節の横浜FC戦では不在。
 前節讃岐戦で途中出場を果たしています。
 その間、前線の組合せは固定化されていませんので、どのような前線の顔ぶれにしてくるのか気になるところです。


 また、当然長崎戦もチェックしてくるはずですが、長崎は中途半端に前にプレスをかけてきて、裏のスペースも埋められずに苦戦したところがあると思います。
 その試合を見た上で、東京Vがどのような守備を展開してくるのか。
 ロティーナ監督の判断にも注目ですね。



 東京Vも上位チームとはいえ、前節は内容も勢いももう1つでした。
 対して讃岐は21位ながらも先日のジェフ戦でも悪くないサッカーをしていたと思いますし、東京V戦でも相手を脅かしていました。
 一方で前節ジェフと対戦した長崎は6位だったにもかかわらず、守備が中途半端で大敗してしまった。


 毎年のことながら、今年のJ2はさらに読めない状況になっている印象です。
 上位勢の顔ぶれを見ても戦力的に飛び抜けているチームは少ないと思いますし、下位チームもまだ完全には崩れてきていない。
 ただ、それでも少しずつ差となって表れるのが、チーム力の差なのかなとも思います。


 ゴールデンウィーク連戦も抜けて序盤戦も終わったと言っていいと思うのですが、現在のジェフは12位となっており出遅れ感はぬぐえないでしょう。
 ここから挽回することが出来るのか、それともズルズルと上位勢との差を空けていってしまうのか。
 5-0での大勝も追い風にして、ここから波に乗れるといいですね。