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イ・ジュヨンの江原FC移籍と愛媛MF小島獲得

 まず、ジェフのイ・ジュヨンが、韓国1部の江原FCに移籍することが決まりました
 江原FCと言えば、ジェフでプレーしたパク・ジョンジンが移籍したクラブですね。
 今季のパクは仁川でプレーしていたようです。



 イは昨年ジェフに加入して、28試合に出場。
 今季も開幕戦となった町田戦で、66分に西野に代わって出場。
 第3節名古屋戦でもスタメンフル出場を果たしますが、次の試合からはベンチ入りも出来ず、その後はピタリと出番がなくなります。


 そして、今年8月にジェフがGKオヘーダを獲得して、外国人枠がいっぱいになって、讃岐へレンタル移籍。
 移籍当初からベンチ入りを果たし途中出場もしていましたが、9月末には肉離れで一時離脱
 それでもシーズン終盤の5試合では、スタメンフル出場を果たしていました。



 シーズン序盤にジェフでも出場機会があったのはキムの時にも言いましたが、ある程度長いボールを蹴ることができることも評価されていたのかなとも思わなくもありません。
 ただ、そこまでロングボールの精度が高いわけではなく、機動性の面でも課題があったことで、出番がなくなっていった印象です。
 讃岐の北野監督は選手の良さを引き出すのがうまい印象がありますので、来季も讃岐に残るのかなと思ったのですが、予算の面もあって難しかったのかもしれませんね。


 イは2014年にアジア競技大会で優勝した時のU-23韓国代表に選ばれているため、兵役免除となっているはずです。
 ただ、イは各年代の代表にも選ばれ、韓国での知名度もある程度あるでしょうから、良いオファーがあったのかもしれませんね。
 逆にキム・ボムヨンの方がその点では苦労する可能性もあるのかもしれませんが、いずれにせよ2人とも日本での経験を活かして母国でも頑張ってほしいと思います。



 続いて、愛媛MF小島がジェフへ完全移籍することが発表となりました
 小島の補強は噂というか憶測では以前から出ていたので、そこまでの驚きは感じませんでした。
 ただ、このタイミングでこのタイプの選手を補強したことに関しては、意外な印象を受けました。


 小島は前橋育英時代から天才パサーとして知られ、ユース年代の代表でも活躍していました。
 ちなみに、主将を務めていた3年時の選手権では3回戦で流径にPK戦の末に敗れていますが、そのPK戦1本目でシュートを外したのが小島で、流径の1本目を決めたのがエースの吉田真紀人でした。
 この年の前橋育英は、北爪も主力選手としてプレーしています。



 2011年に浦和加入後も長らく将来を期待されていましたが、なかなか安定した出場機会を得られず。
 2014年には徳島にレンタル移籍し、11試合に出場。
 翌年浦和に復帰するものの出場機会がなく、7月に愛媛へ完全移籍で加入することになりました。


 愛媛に移籍してからは、すぐに主力ボランチとして活躍。
 2015年にはハーフシーズンで17試合に出場。
 2016年には39試合に出場し2ゴール、今年は38試合に出場し6ゴールと、ようやくまとまった出場機会を得られるようになります。



 特に今年は間瀬監督のサッカーが、小島に非常にあっていたのではないかと思います。
 間瀬監督のサッカーは先日話したオシム監督のサッカーと違って、アグレッシブに戦うというよりも、とてもボールを大事にするポゼッションサッカーといった印象。
 特に中盤後方で横に繋いでじっくりとまわし、相手を広げておいてボランチの位置からズバッと縦パスを仕掛ける展開が特徴だと思います。


 それだけにパサータイプのボランチである小島としては、"水を得た魚"状態だったのではないでしょうか。
 また、守備で気の利いた仕事のできる藤田がいることも大きく、藤田は松本へ、小島はジェフへ引き抜かれたのも、ボランチが目立つサッカーだったからかもしれません。
 主力ボランチ2人が抜けたということで、ジェフU-18から愛媛に加入することになった竹嶋としてはチャンスなのかもしれませんが、チームとしては大変でしょうね…。



 しかし、今年の小島は素晴らしい活躍をした一方で、愛媛とジェフとではかなりサッカーのスタイルが異なる。
 今年のジェフは遅攻の形が作れず相手をプレスで押し込んでは崩せず苦しんでいたことがあり、最終的にはロングカウンターで勝ち星を伸ばしたシーズンでしたから、パサータイプをどう使うのかという疑問があります。
 熊谷の時にも話しましたが、熊谷のパスセンスは活かしきれなかったことが多かった印象です。


 さらにポジションで言っても、ダブルボランチなら熊谷や矢田と被るところがあるのではないでしょうか。
 4-2-3-1の2列目に起用するとしても、純粋なアタッカータイプを起用することが多く、町田や矢田の方がスピード面では期待できるように思います。
 あるいは熊谷と矢田や小島などを組ませて、攻撃的なボランチを並べる可能性もあるのでしょうか。



 ここまでの補強の傾向からしても、また1ボランチを試すつもりなのかもしれません。
 しかし、今季終盤の連勝スタートはダブルボランチへの変更からでしたし、11月5日の町田戦でも1ボランチを途中で試したものの、やはりだめで元に戻したという経緯があります
 個々の問題以上に戦術的なスペース管理の問題の方が大きいと思いますし、それを解決するのは簡単ではないと思うのですが…。


 1ボランチならアンカーに熊谷か勇人で、インサイドに町田や矢田などが入ることになるのでしょう。
 確かに1ボランチ時のインサイド候補は少ない印象もありますが、高橋の育成はもうあきらめるということなのでしょうか。
 確かに高橋の場合は徐々に出場機会から遠ざかっていったわけで、その状態で監督も変わらないということを考えると、来季も厳しい状況なのかもしれませんが。



 同時にピッチに立てるのは11人しかいないわけですし、誰かが入るということは、誰かが出ていく可能性もあるわけで、他に退団の可能性もあるのでしょうか。
 高橋などは近い将来、レンタルでの移籍などもありえるのかもしれませんね。
 一度は試合に出ていた時期もあっただけに、受け入れ先も検討しやすいでしょう。


 個人的には守備的なボランチの補強の方が大事だと思いますし、どちらかと言えば小島よりも藤田の方が足りていないタイプだった印象です。
 攻撃的な選手が多くなっている状況で、いわゆる水を運ぶ選手が少ないですね。
 それでもチームが成立すればよいとは思いますが、結局今年も最後は勇人がバランス調整をし、町田も終盤は疲れが出た時期がありました。


 攻撃的な選手が多いのはエスナイデル監督の要望でもあるのかもしれませんが、高橋GMになってからアタッカーが多くなった印象もあります。
 いずれにせよ目立つ選手を多く集めただけではバランスが成り立たないですし、そういった選手を影から支える選手の補強も大事になってくるのではないでしょうか。
 アランダを起用しなかったことによる難しさもあるのかもしれませんが、そういった選手を今後どれだけ補強できるのかが注目ではないかと思います。