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第15節 甲府 2-2 ジェフ 小森飛絢の逆転ゴールも試合終盤のウタカのゴールで勝点1に

 試合展開としてはどちらも良い時間を作りつつ、どちらも課題の感じた試合だったと思います。
 そんな中でジェフには得点力のある小森がいて一時逆転したわけですが、甲府にもウタカがいて2-2の引き分けに終わった試合だったと言えるのではないでしょうか。
 内容からすれば痛み分けで仕方がない試合だったかなとも思いますが、展開からすればジェフがもっと賢く戦って勝ち切りたかったところだと思います


 ジェフは前節横浜FCと、ほぼ同じスタメンでした。
 前節から呉屋や小林、岡庭やドゥドゥを使ってハイプレスからの右サイドアタック。
 そこから左サイドのドゥドゥが飛び込む形で戦う、昨年終盤に戻ったように感じるスタイルになりつつあると思います。

 実際、甲府戦でも岡庭のクロスからドゥドゥがゴールを決め、一定の成果を上げたわけですが、前節ほどうまくいかなかったと思います。
 特に前半はうまくプレスがはまらず、ボールを持つ時間が増えて、遅攻を求められて苦戦してしまいました。
 横浜FC戦後にも感じましたが、このメンバーだと遅攻に関しての課題はより深まってしまうようにも思います。

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 しかし、後半途中までは甲府の方が失速して、ずるずると下がり2点を奪うことが出来た。
 そこに関しては、ジェフの良さが出た部分もありましたが、今後は甲府の方に大きな課題が出てしまったのではないでしょうか。
 そう考えると2-2は妥当ではありましたが、後半ATに失点していることを考えると、ジェフにとって悔しい試合となってしまいました。

■序盤からチャンスを作った甲府が先制

 ジェフは日高が復帰して、矢口がメンバー外に。
 控えからは林が外れて、横山が復帰しました。

 GKに怪我人が多数出ている甲府は、4月末に渋谷を登録抹消として鳥栖からGKコを補強して前節からスタメン。
 三平も不在でウタカがトップ下でスタメン。
 ゴンザレスの1トップで、左SHにはアダイウトンが入っています。


 序盤は甲府ペースで、3分に甲府のチャンス。
 ゴンザレスのポストから鳥海が左サイドに繋ぐと、アダイウトンが受けて走り込んだ関口へ。
 関口のラストパスは小林がクリアしますが、こぼれ球をアダイウトンが狙ってゴール右隅を逸れます。

 その直後にも甲府のチャンス。
 右サイドで飯田がドゥドゥと日高をかわして、そのままシュート。
 しかし、ゴールの左に逸れます。


 12分、ジェフはエドゥアルドが負傷し田口を投入。
 23分、ジェフの攻撃。
 右サイドから高橋がアーリークロスを、ニアの風間が頭で狙いますが、枠の外。

 その直後、甲府の攻撃。
 鳥海がワンタッチパスで前に送ったところから、ウタカが左へ展開。
 アダイウトンが高橋をかわして、シュートを放ちますが、枠の外。


 前半中頃から徐々に一進一退の展開になっていきましたが、34分に甲府が先制。
 中盤右で得たFK。
 神谷が左足でシュートを放ち直接ゴール。

 48分、ジェフのチャンス。
 岡庭からのアーリークロス。
 田口がファーで狙いますが、GKコが止めて0-1で折り返します。

■甲府の失速から逆転も試合終盤の失点で痛み分け

 HT、ジェフは前半終盤にスライディングで肩を痛めた田口に代わって、横山を起用。
 そのまま守備時はボランチ、攻撃時はインサイドの位置へ。
 後半から甲府の運動量が落ち、ジェフがボールを持つ時間が長くなっていきます。

 57分、ジェフが同点ゴール。
 右サイドで高橋、小林、風間と繋いでいって、岡庭がクロス。
 ゴール前でドゥドゥが競り勝って1-1に。

 その直後には甲府のチャンス。
 飯田が長い距離を持ち上がって、中央で小林をかわしてミドルシュート。
 しかし、ゴールの左を逸れます。


 62分、ジェフは呉屋に代えて小森を投入。
 その直後、ジェフの攻撃。
 日高のプレスからボールを奪い、横山がロングシュートで狙いますが、GKコがセーブ。

 その直後にもジェフのチャンス。
 ドゥドゥのアーリークロスから、セカンドボールを岡庭が拾い、角度のないところからシュート。
 しかし、GKコの正面。


 63分、甲府はゴンザレスを下げて宮崎を投入し、宮崎が左SHに入って前線にアダイウトンが回りました。
 65分、ジェフが逆転ゴール。
 岡庭のアーリークロスはあいませんでしたが、横山が拾って日高のミドルシュートが足元に入った小森が流し込み2-1に。

 71分、甲府は林田を下げて佐藤を投入。
 72分、ジェフは風間、ドゥドゥに変えて高木、米倉を投入。
 高木がトップ下、米倉が右、岡庭が左に回りました。


 80分、甲府はアダイウトン、鳥海を下げて、内藤、荒木を投入。
 試合終盤、甲府はパワープレー気味に攻めて行きます。
 ジェフは防戦一方に。

 すると、93分、同点ゴール。
 宮崎が左サイドからカットインしていき、こぼれ球を拾った関口がクロス。
 ファーでウタカがメンデスの上を取ってヘディングシュートを決めて、2-2で痛み分けとなってしまいました。

■前半は攻守に課題も後半は甲府が失速

 前半のジェフは攻守に苦労した印象があります。
 甲府はゴンザレス、ウタカ、アダイウトンなどが前線にいることもあって、プレスに来ることが少ない。
 その分、ジェフは前節以上に、ボールを持ち込む時間が長かったと思います。

 しかし、甲府の場合はそれも織り込み済みで戦ってきたでしょうし、ジェフのサイド攻撃もしっかりと警戒してきた印象です。
 甲府は4バックということもあって、サイド裏をケアしやすいところもあるでしょう。
 結果的にジェフはサイドを縦に取ることも少なく、攻撃面で手詰まり感も感じました。

 攻撃時にボランチ1枚が上がるジェフは、ビルドアップの中心がメンデス、久保庭、小林ということになる。
 しかし、3人とも決してゲームを作るのがうまいタイプではないだけに、ボールを持ってもリズムを変えたりテンポを上げたりという点で物足りなさを感じました。
 それも踏まえて、甲府は持たせても良いという判断だったのかもしれません。


 一方のプレスの面でも、前半はうまくはまらなかった。
 甲府は2CBと2ボランチで細かいビルドアップを開始するのに対し、ジェフは小森、風間、エドゥアルド(田口)を中心にプレスにいっていた。
 しかし、それでは数的不利ということもあって、前半序盤に何度かそこで裏を取られて、プレスに行きづらくなっていきました。

 普段なら状況に応じて、小林などが前に出ることもありますが、その小林の対面にはウタカがいた。
 さらにその前のゴンザレスも高い位置で起点となっていたこともあって、前に出にくい状況だったと思います。
 攻守に少しずつ苦戦して、前半は相手の方がチャンスを作り、リードを許す展開となってしまったのだと思います。


 しかし、後半は先に甲府が失速していった。
 ゴンザレス、アダイウトン、ウタカはあまり守備に行かないため、後方の選手たちの負担が大きかったのではないでしょうか。
 DFラインとMFラインがずるずると下がってしまい、ジェフが攻め込む時間が増えていきました。

 それに対して、ジェフもなかなか有効打を作れず、アーリークロスが増える展開ではありましたが、さすがに甲府は守備位置が低くなり過ぎていた。
 さらに、古巣のドゥドゥ、小森と決定力の高い選手がゴールを決めて、一度はリードを奪った形となります。
 ゴールが決まったジェフは勢いも増して、後半中頃はジェフペースだったと思います。

 けれども、そこで3点目までは取り切れず。
 さらに試合終盤は甲府が息を吹き返し、逆にジェフはうまく時間を使い切れなかった。
 こうなると甲府はウタカという、攻撃面での絶対的な存在がいますから、やることはハッキリとして最後にゴールを奪っていきました。


 ジェフとしては惜しい試合とも言えますが、全体的な内容は決して良くはなかったと思います。
 アーリークロスからの攻撃が多かったですし、パスを繋いでも3人目4人目が絡むことは少なかった。
 甲府も最後は外国人アタッカーに頼っていたとはいえ、細かなパスワークは相手の方がうまく作れていた印象でした。

 後半にジェフがゴールを奪ってからは甲府も前に出てきて、プレスからのカウンターが機能したことも事実。
 しかし、やはりボールを持たされた遅攻時に、どう攻撃を作るのかは大きな課題ですね。
 後方のビルドアップも含めて、精査しなければいけない部分の多い試合となったのかなと思います。