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GK大野のPKストップとロングフィード

 GK大野が山口戦からスタメン出場を果たし、結果を残しています。
 大野は広島ユース出身で、千葉県の城西国際大学を経て、2016年からジェフに加入。
 プロ入り後2年間は公式戦での出場機会がなく、今季はここまでサブにも入っていませんでしたが、山口戦でいきなりスタメン出場し2試合連続で完封勝利に貢献しています。


 山口戦後にはサッカーキングで、大野に関するコラムが掲載されています。

フアン・エスナイデル監督の右腕であるギジェルモヘッドコーチは「練習に対する姿勢も良く、川崎戦後に監督と話し合い、チョル(大野)にチャンスを与えたいと思いました。

 このコメントからすると、大野の起用にはギジェルモコーチの進言があったということでしょうか。



 山口戦では41分に相手のCKからこぼれ球を拾われて、ジュリーニョにシュートを放たれています。
 これが味方DFに当たって軌道が変わったところを、大野が左手で触ってバー直撃で終っています。
 最終的には4-0でジェフが勝利したとはいえ、前半ATまでは0-0で進んでいた試合ですから、あそこで失点を免れたのは大きかったと思います。


 岡山戦でも4分に鳥海がイ・ヨンジェを倒してPKを与えますが、齊藤のPKを見事にストップ。
 先に動いたようにも見えたので危うかったですが、残った左足ではじき出したことになります。
 このシュートはコースも甘かったですが、シュートを打つ前から大野が相手にプレッシャーを与えていたことによって、相手のミスを誘発したところもあるのかもしれません。


 また、大野は186cmで体格も良いので、相手に威圧感を与えられたのかもしれませんね。
 このPKもジェフの先制直後だったので、あれが決まっていれば流れが変わっていたかもしれません。
 山口戦、岡山戦とシュートを浴びる機会は少なかったですが、大事なところを止めたことになります。



 個人的には守備以上に目についたのが、大野のロングフィード
 山口戦での4点目も大野からのロングフィードをラリベイが競ったところでボールが流れて、矢田が抜け出してシュートを決めて、大野がアシストをマークしています。
 ただ、ここは相手の守備にも問題があったようにも見えました。


 しかし、岡山戦での1点目も伊藤がチェックにきたところを、大野が大きくクリア。
 このクリアボールを相手DFが頭で返そうとしますが、こぼれたところをジェフが中盤で拾います。
 そこから溝渕が右サイドを突破し、指宿が決めたことになります。



 岡山DFのヘディングにも問題があったようにも思いますが、大野はキック力があるので大きく伸びるボールを蹴ることが出来るのではないかと思います。
 それによって相手DFが下がって対応する場面が増えるため、対応が難しくなりミスを誘発することが出来ているとも言えるのではないでしょうか。
 さらに深くボールを蹴り込むことで相手DFラインを押し下げることにも繋がるため、ジェフがセカンドボールを拾いやすい状況になっているように思います。


 山口戦でもその効果は感じており、特にここ数戦のジェフはロングボールからの攻撃も増えている印象がありますから、大野には適した状況になっているのかもしれません。
 一方でジェフでもプレーした山口GK藤嶋はロングキックが短くなることが多く、オナイウに蹴り込むも跳ね返されてしまう場面が目立っていた印象です。
 それによって山口はジェフを押し返すことが出来ていない印象もありますから、GKからのロングボールを使っていくのであればGKのキック力も重要になってくるのだと思います。



 ただ、大野もボールを持った状況で、相手にプレスをかけられると慌ててしまうところがある印象です。
 ジェフは遅攻時にGKもビルドアップに絡む方法を取っていますが、大野は判断スピードが遅く追い込まれてしまう場面も目立ちました。
 また直接タッチラインを割るミスキックなどもありましたし、キック力はあるものの細かな蹴り分けには成長の余地があるのかもしれません。


 GKからのロングキックといえば、ロドリゲスも開幕時には観客から驚きの声が上がるなど話題になったことがありました。
 ただ、ロドリゲスのキックも今ではそこまで目立っていないと思いますし、使い方次第というところも大きいのではないでしょうか。
 大野に関しても、うまく強みを活かせるようになってほしいですね。



 守備に関してはここ2試合あまり出番がなかったですし、まだまだプレーを見ていきたい段階ではないかと思います。
 しかし、今のところは大きなミスもなく、良い流れできている印象です。
 経験の浅いGKにとっては出場した試合からチームの結果が出るようになって、気持ちよくプレーできていることも重要な追い風になっているように思います。


 ジェフは以前から新卒GKを多く取ってきましたが、目が出ないことの方が多くそのまま終わるケースが目立っていました。
 来年度もU-18日本代表にも選ばれているGK相澤ピーターコアミが、日本文理高から加入することが内定しています。
 今年3年目の大野としてはギリギリのタイミングでチャンスを得られたということになるのかもしれませんし、まずは残り試合で来年度以降へのアピールをしっかりとして欲しいところではないでしょうか。