当ブログはプロモーションを含みます

オナイウが清水戦で得点を決めU-23代表に選出

 オナイウが清水戦で、今季2ゴール目を上げました。
 また試合の翌日に発表された、南アフリカ戦に臨むU-23日本代表にも選出されています。
 五輪メンバー決定直前に行われる試合のメンバーに、選出されたことになります。


 ただ、今回はOA組はおろか、エース候補となるだろう海外組の久保、南野も選ばれていません。
 にもかかわらず21人も選出されているため、21人+2人(海外組)+2〜3人(OA組)の25〜26人から18人まで絞られるわけで、ここから7〜8人はふるい落とされることになるのだろうと思われます。
 怪我人をチェックしたかったという思いも強いのでしょうが、この時期にしてはかなりのラージグループだと思います。


 メンバーを見ても意外な選手が少なくないように思いますし、手倉森監督が「壮行試合ではなく強化試合」と強調した割にはチームを絞りきれていない印象を受けます。
 ちなみに五輪では18人に加えてサポートメンバーに3人が選出できるはずで、そこまでをメンバーと考えるとより人数枠は広がりますが、サポートメンバーには第3GKが選ばれるのが普通だと思います。
 しかし、今回GKは2人しか選出されていないため、サポートメンバーを含めるとより候補選手も増えることになります。
 ともかくオナイウとしてはまず練習からしっかりアピールして、南アフリカ戦でチャンスをもらえることが大事なのではないでしょうか。



 さて、清水戦でのオナイウですが、昨日も話した通り得点を決めたのは良かったものの、課題が目立った試合だったと思います。
 後方からのロングボールに競り勝てなかったり、足元でのボールロストが多かったりといった問題もありましたが、やはり守備での課題が大きかったと思います。


 ボールを追う姿勢はあるのですが、相手への圧力にはなりきれていな印象です。
 例えば相手SBが後方でボールを持っている時に、下がって相手ボランチへのコースを消す。
 そこまでは出来るものの、相手SBとしては前方向にはジェフのSHがいて、ボランチ方向にはオナイウがいるのだから、CBに下げるしかない。


 それを予測して相手が下げた瞬間にチェックに行かなければ"プレス"にはならないのに、相手ボランチまで下がったところでオナイウの守備は一度終わってしまう。
 これによって前線からの守備が一歩ずつ遅れて、後手に回ってしまう。
 あるいはCBへプレスに行く際も1歩目が遅れたり、近くまで行ってもそこからグッと寄せることが出来ない。
 そういった守備が続くと周りも連動して守備に行けなくなるし、少しずつの遅れによって徐々に押し込まれていってしまいます。



 現在はアトレティコ・マドリードやレスターなどが行っている4-4-2がトレンドで、J2でも多くのチームがそれに近いサッカーになっていると思います。
 少し前には4×4のボックスというのが流行りましたが、それに対してバルセロナがボックスの間を突くパスワークで崩すサッカーを成功させました。
 4×4でバランスよく守っていても、その前のパスの出所が抑えられなければ、パスワークで間を取られてしまう。


 そこで2トップが守備をしてパスの出所を抑える、4-4-2が流行り始めたということなのではないでしょうか。
 FWが下がり気味にボランチの前に立って、コースを消しながら前にプレスをかけていく。
 この時に1トップだと負担が大きいので、2トップにして左右を分担して守る。
 また、FWが前に出て行ってDFラインのプレスに行った瞬間に、ボランチやSHも前に出ていき相手ボールの行き場をなくす。


 ようするにFWがファーストディフェンスを役割を果たすことによって、チーム全体の連動した守備を作り上げる。
 これが現在トレンドとなっている、4-4-2のベースなのだと思います。
 FWが相手のビルドアップを制限できなければ4×4だけで守るのと同じことですし、FWの守備の重要性が高まっている状況だと思います。



 今季のジェフも開幕時から4-4-2ではありましたが、当初は流行りのサッカーを実行しているようには見えませんでした。
 前からのプレスも出来ておらず、相手に間を取られることが多く、コンパクトな守備になっていなかった。
 単に深く守って、ゴール前で跳ね返す4-4-2だった印象です。


 しかし、5月中旬から調子を上げてきたエウトンと、守備でも懸命に追いかけまわせる町田の2トップになったことによって、前からのプレスが効くようになっていった。
 これによってハーフカウンターが成功するようになり、相手に間を取られることも少なくなっていった。
 結果的に現在のトレンドに近いサッカーになっていったように思います。



 けれども、清水戦では前からのプレスが機能しておらず、簡単にボランチを空けてしまった。
 これによって、シーズン序盤のような課題が出てしまった。
 ハーフカウンターもなかなか繰り出せなかった印象ですし、押し込まれる時間も長くなってしまった。


 現在ジェフの強みであるハーフカウンターも、トレンドである4-4-2もFWの守備力が軸となっていると言えると思います。
 それだけにエウトン不在の状況では、吉田が起用されるのだろうとばかり思っていました。
 しかし、関塚監督が起用したのはオナイウだった。
 果たして関塚監督は現状のチームを、どのように分析しているのでしょう。



 オナイウの一発にかけたかったということなのか。
 確かに清水戦でもゴールを決めていますし、試合終了間際にもチャンスがあった。
 やはり前を向いた時に強さを発揮できる選手…というか、ゴールへの瞬発力を感じます。


 基礎的な動きは免除して、一発のあるFWとして評価されたのか。
 ただ、そこまでの得点力がある選手かというと、疑問が残ります。
 清水戦でもあれだけポストプレーでも守備でもミスが多かったわけですから、最後のチャンスは決めなければおつりは返ってこないのではないでしょうか。
 

 あるいは、単純にパワーや高さの面を評価したのか。
 関塚監督はそういった要素が好きな監督ですし、ここ数試合町田や井出の途中交代が多いのもパワー不足を考慮している可能性があると思います。
 また、SB多々良やボランチ長澤にも、高さやパワーを期待しているのかもしれません。



 確かに一発での得点力や、パワーなども重要だとは思います。
 しかし、それらを選ぶことによって、現時点でのチームの強みや軸を弱らせてしまっては元も子もない。
 昨日も最後に話しましたが、どこが強みであって、どこは譲れないのか。
 そこをベースとして考えていかないといつまでもチームの方向性も定まらないし、昨年のような迷走状態に入ってしまうのではないかと思います。


 もちろんエウトンが復帰すれば、そのあたりの問題は解決するかもしれません。
 しかし、あまりにもチームにとって大事なところをおざなりにしていると、チーム作りに置いての不安は出てくるのではないかとも思います。
 そのあたりを含めて、明日に話は続きます。