当ブログはプロモーションを含みます

サブアリーナで開催された『ドリームカップ』

 以前からお話している通り、私が参加している精神障害者バスケットボール
 その全国大会を、千葉ポートアリーナで4日に開催いたしました。
 今年はメインアリーナを抑えられず、残念ながらサブアリーナでの開催となりました。


 全国大会ということでこれまでメインアリーナを使わせていただいていたのですが、参加者などの人数が少ないこともあって今回は使用できず。
 残念に思っていたのですが、ちょうど同じ日にメインアリーナでは空手の大会をやっており、数百人レベルの子供たちが集まっていました。
 子供たちが集まれば大人も集まるわけで、あの人数の大会を見せられると、サブアリーナでも仕方がないかな…と思ってしまいます(笑)



 ただ、嬉しかったのは、その子供たちや親御さんがバスケを見に来てくれたこと。
 あるお母さんは赤ちゃんを抱えながら受付に来て、何をしているのか尋ねてこられました。
 受付で「精神障害者バスケを…」と答えると、「精神障害者フットサルもやっていますよね」ととても興味深そうに話し込んでいました。
 ご自身も医療施設で働いているそうで偏見などもなかったのかもしれませんが、こういった形でも障害者スポーツを前向きに捉えていただけるのは嬉しいことだと思います。


 また、ある空手のお子さんは熱心にバスケの試合を見ていて、「シュートが入らなくてももう一回とれるんだよ」とご家族にリバウンドの説明をしていたようでした。
 こういった形でも身近にスポーツを感じることによって、スポーツ文化というものが少しずつ広がっていくかもしれません。
 あのお子さんがこれをキッカケに将来バスケの選手になるかもしれないわけですし、身近にあるスポーツの重要性を感じたのでした。
 もちろん、空手の師範になるかもしれませんが。



 初めてのサブアリーナでの大会でしたが、大きな問題もなく無事大会を終えました。
 むしろ1コートしかないサブアリーナでの大会は、良い効果も生み出しました。
 それまでのメインアリーナだと3コートを借りて1つのコートで試合をしていたのですが、その場合は試合中に他のコートで試合のない選手が練習を行います。


 「アップもかねて他コートを使用してください」とお願いしているので間違っていないのですが、今回はアップ用のコートがない。
 その分、試合の合間にアップするようにはしたのですが、試合中はアップが出来なくなる。
 すると、当初はアップ用のコートがないことを不安視していたのですが、その分試合に出ていない他チームの選手たちが試合に集中する環境になりました。



 その分、熱気にあふれた大会になったように思います。
 これはサッカーなどでもそうですが、あまりサポーターが集まらないクラブが大きなスタジアムで試合をしても、盛り上がりに欠けることが多い。
 観客や選手が一か所に集中したことによって熱量が増した印象で、やはり本来は身の丈に合った会場というのが一番なのでしょうね。


 ただ、今回は選手、スタッフ、観客も含めて70人近くの参加者が集まっただけに、これ以上規模が大きくなるとこれでは厳しいかなという話にもなりました。
 サブアリーナには2階の観客席などもなく、観客もパイプ椅子に座っていくような状況でしたので、申し訳のない状況だったと思います。
 ちなみに、観客にはご年配の優しそうな女性の方やご夫婦で「娘を見に来ました」といった方もいらして、ご家族が活躍できる舞台を作れたことは素直に嬉しく思います。


 有明アリーナのニュースも多く耳にしますが、バスケに限らず精神障害者スポーツでもアリーナ確保は難題となっています。
 東京は千葉以上にアリーナ確保が難しいという話ですし、確実に需要はあるのだろうと思います。
 スポーツだけでなく音楽ライブ会場におけるいわゆる"2016年問題"もあるわけですし、重要がある限りは正しい計画と運営が出来れば元は取れるのではないかと思うのですが…。



 少し話がそれてしまいましたが、今大会の変化は会場だけではありません。
 今回は新規チームが増え、遠く青森や愛媛からも参戦チームが現れました。
 これまでにも熊本や愛媛など岩手などから視察に来ていただいたことはありますが、関東圏外からの参戦は初となります。
 青森からは車で8時間もかけて来られたそうで、愛媛からは飛行機で来られて前泊もされたとのことですから頭の下がる思いです。


 また、今回は支援者が2名まで、試合に出場できるルールに変更しました。
 本来は正式な大会ですので当事者のみで試合をするのが理想ではあるのでしょうが、メンバーが足りず出場できないという声も多く苦肉の策を下しました。
 こちらもどのような変化が起こるのか心配ではありましたが、結果的に支援者がチームをコントロールすることによって、引き締まった試合が増えたように思います。



 支援者の出場を差し引いても、全体的なレベルは上がっているように思います。
 単純に選手たちは1日を通しても最後まで走れていましたし、技術レベルも高まっている印象です。
 やはり大会という目標が出来たことが、大きいのかもしれません。


 今回の新規チームの1つには私の地元に近い袖ヶ浦から参戦しているところがあったのですが、「目標に向かってやって来れた」とコメントしてくれました。
 これまで協会とは絡みがなかったのですが、レクリエーションの一環でバスケをやられていたそうで、いつの間にか目標として大会を捉えていただけていた。
 こちらとしては、とても嬉しいことだと思います。



 大会のレベルが高まると、新規の方が参加しづらい状況になる可能性も考えられます。
 今後はレベル向上だけでなく、普及の面をより意識していかなければいけないのかもしれません。
 そのためにはより多くの方に精神障害者バスケの存在を知ってもらい、楽しいものであるということをわかってもらう必要があるでしょう。


 そう考えると関東圏だけでなく、より広い範囲で活動をしていかなければいけないことになると思います。
 その具体的な計画も検討しているのですが、それが実際に出来るのかどうかは、助成金次第ということになります…。
 やはりどうしてもお金の問題は切り離せない部分があるし、特に障害者スポーツ助成金などにお願いせざるを得ないところがあると思います。


 もちろん出来る限り自分たちの予算でやりたいところはありますが、NPO法人ですから利益を追求しているわけではないので、収入も現在は理事の会費と大会参加費のみ。
 そうなってくるとどうしても新しい計画というの実施しづらくなるわけで、新規開拓のためには助成金を頼る方向になってしまいます。
 もっとも助成金を頼る経緯としては、これが正しい在り方なのかなとは思うのですが。



 最後はお金の話になってしましましたが、競技レベルも上がって、チームの数も盛り上りも増して、素直に楽しい大会だったと思います。
 去年は年末に開催したためか、参加チームが3つに減って頭を抱えてしまいましたが、何とか盛り返せたようです。
 今大会の決勝戦で試合終了のブザーが鳴った瞬間に、優勝チームのベンチから歓声が上がったのが印象的でした。
 接戦の好ゲームだったこともあったでしょうが、それだけ試合にかける思いが大きいものだったのでしょう。


 試合後にはポートアリーナの一室をお借りして、お菓子などを用意してささやかな交流会を行ったのですが、こちらも終始良い雰囲気でした。
 スタッフ以上に選手たちがチームの垣根を越えて積極的に話し合っていましたが、これもスポーツを通じて良いコミュニケーションを取れたからこそではないでしょうか。
 次回大会を含めさまざまな企画が進行中ですが、来年も良いイベントを実施できるように頑張っていきたいと思います。